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2003年08月24日(日) 真実を知ること、それを受け入れる事



おにぃちゃんの事を人に話した。
あたしから話したのはこれが2度目だった。
1度目はヒクソン(担任)。
ヒクソンに相談した、あたしはどーすればいいかな?って。
ヒクソンは「辛いだろうね」って言った。
あたしも辛いんだろうって想った。
けれどどーすればいいのか分からなくて、今まで通り接する事しか出来なかった。
哀れむなんて悔しくて出来なかったし、
辛さを分かってあげられるほど出来た人間じゃない。
まだおにぃちゃんが泣いてたら慰める事だって出来た。
でもおにぃちゃんは決して泣いたりしなかった。

真実を知ること、それを受け止める事。
あたしにできないことを、おにぃちゃんがしている。
事実を知って、受け止めていた。
あたしはお医者さんを心底恨んだ。
けれどおにぃちゃんは一言も不平を言わなかった。
ラグビーをやめろと言われたことも。
無理だと言われたことも。

あたしは嘘でも大丈夫だよって言ってあげて欲しかった。
けれど今は決してそう思わない。
真実を知ることがどんなにか大切だと分かったから。
先生は真実を告げた上で今出来る精一杯の事を教えてくれた。
全ては少しでも楽で居られる為に、少しでも生きられる為に。
先生は嘘なんか言えないんだよね。
嘘でも大丈夫だって言われれば患者はどんなにか楽だろう。
それでも決してそれを言わないのは、真実を伝える為だ。
患者を生かす為だ。
無茶をしないように、少しでも楽になれるようにって、
いつも精一杯今出来る治療を教えてくれる。

真実を知ること、それを受け入れる事。
それがどんなにか大切だって、
上手く言えないけどあたしはそう思う。
逃げないで、見詰め合って、戦う。
それをするのは先生じゃない、おにぃちゃんだ。
先生は現実を見せる事で、それの手助けをしてる。
自分の「今」を知ることがどんなにか大切な事か。

今は本当に先生に感謝してる。
真実をくれてありがとう。




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