| +-- ★頭がゆだってます --+ |
ザワッ…と、枝葉が騒ぐ。 仄かな紅い光が舞う黒い枝と幹は、確かに…何らかの意志を持って、ざわつき、揺らいだ。
その、『樹』の意志は…その根元にうずくまる影に向かって、どこか心配そうな気配を見せた。
『…うっ……わらわとしたことが、迂闊だったか…』 まだ若い女の声が、苦しげに呻く。…しかし、この周囲に女の姿は見えない。
『樹』は、根元にいる声の主に向かって枝を揺らし、声ならぬ『言葉』で語りかける。 赤い光がはらはらと落ちたその先に居たのは…蒼と金の鱗を持つ、巨大な龍―――
『しかし…人間が、まさかここまで力をつけるとは…わらわの『本来の姿』でさえも打ち負かすとはな』 龍が、先程の女の声で…苦しげに呻いた。
蒼と金の鱗には、いくつもの傷から鮮血が滲む。 四神である彼女の『本来の姿』であるこの青き龍の力を上回るほど――― 彼女に対して大きな痛手を負わせた者が、『門』の向こうにいるということになる。
ずる、と尾を引きずりながら、彼女は大きく息をつき…そして痛みに身を縮こまらせた。 『く……っ……傷が、邪魔して…』 痛みのせいで、集中力が途切れる。
『本来の姿』から力の安定した『人』の姿に戻る際には、自分の力を抑え込まねばならない。 しかし、その為の集中力が…この傷の痛みのせいで損なわれてしまう。
『神』である彼女がそう簡単に命を失うことはないのだが…生きている以上、神でも痛みからは逃れられない。
ざわり、と枝葉がまた揺れる。 それが自分を心配してくれていることが…彼女には良く分かった。
長年傍に居て『樹』が放つ意志が良く分かる彼女は、痛みに堪えながらもどこか笑みを含んだ声で、 『…心配なさるな。わらわの力が…不足していただけのこと。むしろ、貴方にとっては―――』
彼女は龍の首をゆっくりともたげ、紅い光を抱く樹を見上げた。
『樹』は、唯一つの願いのために自分たちを永い間捕らえ、門番としながら――― その心は、本来はとても穏やかで優しいものであると…彼女は、それを知っていた。
『……大丈夫です。わらわ達は、貴方の望みのままに存在する。それが…存在意義ですから』
青き龍はそう呟き、再び浮き上がった『門』に目を向けた。
いろいろとやりたいことがあった結果、何もできずに終わったとか普通のオチだ; まあ、↑の話を書くのは結構楽しかったが。
ちょっと眠い頭で書いたので、文章が訳分からないことになってたら申し訳無いです;
…いろいろと忙しくなってきました、本気で。 本当にこれからどうしようか考え中です…。うーん……どうなるかなあ。
仕事の方はまあ何とか慣れてきた。慣れるの遅すぎだって言いたいの分かってるけどね; 慣れるまでに時間がかかるタイプです私。
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| 2006年06月13日(火) |
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