+-- ★久し振りのSS --+ |
過去と、そして未来。 決して繋がらないモノのはずだが…それは、決して無関係ではないモノ。
時を遡り、やって来た『彼』。 奇妙な形の面で顔を覆い、この時間軸の世界で時代錯誤な黒い服を纏ったのは…まだ幼さを残した少年だった。 自分の居た『時代』から時を遡り…彼にとって見れば過去へとやって来たのは、偏に自分の『部下』を探すため…だったのだが。
何故か、彼の目の前にある『モノ』に、視線は釘付けとなっていた。
何度目かの空間転移を繰り返した時だろうか。 僅かに空間か時間軸がずれたのだろう、彼の意図した場所とは全く違う所へと、転移していた。
転移した先は、一見して古びた洋館…のように見える場所。 すっかり朽ち果ててはいるが、色褪せた部屋の壁紙、家具、棚に置かれた小物…。 それは、どこかまだ、この部屋のかつての主が居た息吹のようなものを感じ取れた。
「…ここは、一体……?」 少年が視線を巡らせ、呟く。面の所為で少し狭い視界だが、辺りを見回すには支障はない。
仮面の奥の瞳に映るのは、壁時計、チェスト、弦の切れたピアノ、小さな馬の置物… それは全て、この部屋にかつていた者が使ってた物だろうか。
それほど注意を払わずに辺りを歩き回っていた少年だったが、その視界に…妙に気になるものが、映った。
赤い蓋の、大きな箱。所々色が剥げているが、金色の縁取りの豪奢な細工が目を引く。 そして…彼が気になった原因が、箱に近づいた時に、分かった。
箱から…微かな声が、漏れていた。 まるでそれは歌声のような…ある一定のリズムを刻んだ旋律。彼の耳にはそう認識される。 「…ここから、聞こえるよな…。でも、一体何が…」
人の声、と言うのは分かるのだが…目の前の箱は、人が普通に入れるほど大きいわけではない。 せいぜいが、小柄な子供…もしくは女性が、身を縮めて横たわれる位の大きさ。
隙間からは、相変わらずの歌声が漏れ続けて――― …いや、ところどころ、擦り切れるように途切れがちになる。
「……まさか、な」 心に浮かんだ想像を、少年は自嘲気味に首を振って否定しようとする。 しかしその手は…目の前の赤い箱の蓋へと伸びていた。
彼の想像が正しいのかそうでないのか、それは―――考えるだけ無駄だったのかもしれない。
そっと、蓋を持ち上げる。 小さな声が、はっきりと聞こえるようになった。声は、少女のように高く、柔らかい音だった。
しかし、少年の意識は、その声にはもう向いていなかった。
仮面がなければ、そして周りに他に誰か居る状況であれば…少年の酷く馬鹿らしいほど驚いた表情を見られただろう。
少年の視線は、意識は―――箱の中へと向けられて、逸らすことができない。
そこにあったのは…いや、『居た』のは、濃い赤のドレスを纏い、淡い緑色の髪を結い上げた、白い肌の少女だった。
少女は、狭い箱の中に身を屈めるようにして眠っているように見えたが… その口元からは、依然として歌が漏れ続けている。 しかも、たまに途切れがちになりながらも…速度が遅くなりながらも、ずっと同じ旋律を。
まるで、自鳴琴のような―――
な、長っ!!
…ええ、ちょっとと言うかかなり前からネタとして温めてたものの一部をば。 本当に一部なんで、最初のほうとの繋がりがまだ全然できてないんですが。
本日、月一のアレのせいで今日一日ダルダルモード発動。
…人が折角何か作業しようかと言う時に限って何こんな意欲を削ぐような状況(つд`) あー…本当にサイト放置しすぎでどうしよう。ごめんなさい本当に;;
誰かB型の血をプリーズ。こういうときだけ微妙な貧血。
んで、明日から会社ですが…大分最近は普通の時間には帰れてるんだけど、別の意味で体調不良。 あ、でもここ最近の体調不良はきっと今日の月一のアレに直結してたっぽいな。
それなら、もう少し休めば元に戻るのかな…?
今週…と言うか2月に入ったらイベントラッシュなので、体力を付けておかねば;
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2007年01月28日(日) |
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