香港映画って。 - 2002年06月22日(土) 最近香港映画がマイブームである。 友人の誘いで、結構一般人としては観ていたと思うのだが、先日の少林サッカーがいけなかった(笑)。 勢いで『周星馳特集』を観たものだから、もう止まらない。彼のあの泥臭いベタなギャグには中毒性がある。 『喜劇王』、『食神』、『チャイニーズオデッセイ』いやあ名作揃いだ。 ジングル・マー監督も良いな。俳優では鄭伊健とか陳小春とか劉青雲とか、男前も曲者もアイドルも皆アクションこなせる物凄さ…。 しかし、何故か中国映画はあまり観る気がしない。まあ、香港も返還されて中国になったわけだが…。なんだか楽しく無さそうな気がしてしまう。 しかし自分は大学生の頃までは結構な中国フリークで、『西遊記』マニアでもあったのだ。中国の文物は大好きだ。なのに何故。 最近思ったことだが、ひょっとして自分は『香港こそ中国』と感じているのではないか? 差し障りがあるかもしれないが、どうも中国の文化を現代に活かしているのは本土よりあの小さな香港なのではないか、と思うのだ。 中国古典である『西遊記』や『水滸伝』なぞ読むと、あの猥雑なまでのエネルギー、日本人からすると下品だが、なんだか無茶苦茶で楽しそうな感じなんかはまさしく香港映画そのものではないか。本来中国の庶民文化というのは、そういう側面があったのではないか、と。 で、本土との違いといえば、それは共産主義である。 共産主義のもとでは、良くも悪しくも娯楽は発展しにくい。中国の無茶苦茶さ加減が、共産的な四角四面に矯められてしまう。 清朝までは確かに自分の好きな中国なのだが、中華人民共和国になってからは、中国本土では自分の好きだった『中国』は埋没してしまったような気がする。 イギリスにとられていたとはいうものの、いやだからこそ、香港には自分の好きだった『中国』が保存されていたのではないか。しかも、ちゃんと近代化して。 だから、自分にとって香港は『毛沢東のいなかった中国』なんじゃないかと思う。 そりゃまあ、中国の皆さんにとっては余計なお世話だけれども。 -
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