英国留学生活

2002年11月15日(金) But he will not return.

今日は午前授業だったので、午後自習室へ。
金曜の午後は授業がない学生が多いのか、結構混雑していてうるさい。

FotRのEEを見て、一番感じたのは
馳夫さんとストライダーは、矢張り別人だということ。
そして、ホビットはかなり愛しいということだ。
追加映像の感想を以下、つらつらと。
Extended Editionのネタバレですので、
気にする方は回避してください。


まず、ビルボの著作から入る。「Concerning The Hobbit」
彼がホビットの説明をするのに合わせて、
ホビット庄の日常生活が映し出される。
"Wise"と書いている所で、自分で書いてて笑っている辺り可愛い。
平和と静かな生活を愛するホビットの性質がわかる。
そして、ちゃんと庭師らしいことをしているサムが見られる。

サックビル・バギンズの名がちゃんと出てきた。
訪れてきた時と、パーティーでビルボを追いかけていて、
フロドがビルボを匿う所で。
ビルボ:「本当にいい子だ、お前は。」
ええ本当にいい子ですよ、もう33だけどね。
もっときちんと別れを暗示させている(あれ、日本語が矛盾してるわ)
バギンズはUnderhillに長年住んでいて・・・と偽名の由来も出てくる。

緑竜亭で、飲んで騒ぐホビッツの様子がちゃんと出てくる。
ピピンとメリーがテーブルの上で歌う。
フロドも周りをまわりながら歌ってる?
(周りがうるさくてよく聞こえなかった。)
カウンターの向こうのロージーをおずおずと見るサム。
可愛いやつだ。

ブリーへ向かう途中で、サムが食事の支度をし、
(トマト・ベーコン・カンバーランドソーセージ。
まさか、サマセット・モームが言うように、3食イングリッシュ・
ブレックファーストなんじゃないだろうな)
フロドが木の上でパイプをふかしている所で、
フロドがWood Elfを発見。ええと、この一行は
ギルドール・イングロリオン込みということでいいのでしょうか?
その場合、ギルドールはWood Elfで良いのでしょうか?
ノルドリンのハイエルフでしたっけ?
うーん、エルフの区分は全くわからない。
サム「何故かわからないけど、彼らを見ていると哀しい」
やや、サムのエルフ好きが出ている。

ブリーから裂け谷への道程がやや長い。沼沢地帯を越えたりしていて、
丈の短いホビット達がちょっと不憫だ。
しかしメリーとフロドの会話に、原作の躍る子馬亭での会話が
アレンジされて付け加えられているが、
ストライダーに筒抜けだってば。

あれだけ、アモン・スールまで距離があると言うことは、
ストライダーがずっとホビット用の剣を持ち歩いていたのではなく、
画面に写らない所で、塚人の剣を奪ってきた感じなのだろうか?
野営で見張り番をしているらしいアラゴルンが、
ルシエンの歌を歌う。ここ周りがうるさくて聞こえなかった(怒)
アルウェンを重ね合わせていて切なげ。
基本、原作はむしろ戦闘よりも歌っているほうが多いので、(推定)
指輪物語らしいシーンだ。
「どんな女性なのです、貴男が歌っているそのひとは。」
「ルシエン、ベレンと出会い・・・」(どの程度説明してたか忘れた)
「それで、彼女はどうなったのです?」
「彼女は。亡くなった。」

アセラスを探しに行く直前、石化トロルがアップに。
泣きながらサムが、「ビルボのトロルですよー」
と慰めるようにフロドに言う。フロド、それどころじゃない。
これは言ってもらわないと、初見で気付くのは難しい。

裂け谷にて。
エルロンド会議の前日にストライダーとボロミアが挨拶している。
これは、前回のDVDの特典映像にあった部分。
「貴男は・・・エルフではないな」(そりゃそうでしょう)
「ようこそ、南からの客人」
などと無難に挨拶を交わしている割に、ストライダー
何故にそんな睨み続けてプレッシャーを与えているのでしょう。

エルロンド会議にて。
ボロミア、いきなり「It's a gift!」と興奮するのではなく、
イムラドリスの夢の話をちゃんとしている、でも、
指輪をいきなり掴もうとしている。
ガンダルフが「アッシュ・ナズグル・・・」と黒の言葉で話し出し、
彼を留める。エルロンド、しょっぱなから疲れている。
emeny →foe、use →wieldと微妙な変化か。

出立前、アラゴルンがギルラエンのお墓参りをする。
ここで、原作とのキャラクターの違いを強烈に実感。
原作の馳夫さんが大好きだったため、どうしても画面に写らない所で
野伏としての役目を果たしているような気がしていたのだが。
エルロンド:「エルフには折れたる剣を打ち直す力がある、
だが、その剣を振るえるのはそなた一人だ、血族最後の一人。」
アラゴルン:「そんな力を欲したことはなかった・・・。」
馳夫さーん!しっかり・・・っ。
TTTの予告を見ると、エルロンドが頭固い舅な感じだが、
ちょっと無理もないかも、と思ったり。
まあ、映画では成長していく英雄と言う感じなので、
それはそれでいいのだけど。ボロミアとの絡みも活きてくるし。
翌朝、エルロンドと裂け谷の皆様で、お見送り。
切ないストライダーを抑制の効いた演技で、演じるモーテンセン氏。
どことなくあさってのこと、考えていそうなアルウェン。
二人とも、噛み合ってませんよ。
アンデュリルをもっていく決意を、密かに固めているのだろうか。
ところで、貴女のお兄様方はどこですか?

クリバイン襲撃前のボロミアとホビッツの剣の稽古風景。
大好きなシーンだが、実はストライダーも参戦する。
「もう充分だ。」とか言いつつ、二人を引き離そうとして、
ひっくり返される。馳夫さん・・・以下略。
そんな貴男もいとしいですが。

さ、雪山越えです。ここで、削られてとても惜しかった一言。
元々、原作から削られて残念だった台詞TOP10にランクインしてた一言。
ボロミアが、メリー・ピピンの肩を抱いて
「山を下らなければ。このままではホビット達が死んでしまう。」
本当は、Little onesの方が良かったですが、十分満足です。
瀬田訳では「このままでは小さき人達が死んでしまいますぞ」
だったかな?小さき人たちに優しい人なのにね。

モリア入り口。開けられないガンダルフに、可愛い顔でピピンの突っ込み。
トロルとオークの襲撃では、戦闘時間が長く取られていた。
ギムリが本編よりも健闘していて嬉しい。
だって従兄弟の敵なんだから、レゴラスよりも彼に見せ場を
作って欲しい。
階段が崩れるシーンも、結構長かった。

ロスロリエン。シャイア以外では一番削られていたようだ。
ハルディアが奥方たちの元に案内する前に、ちゃんと一悶着ある。
レゴラス・スランデュイル王の息子。
アラゴルン・デュネダインの息子。
と、2人には挨拶、ギムリには喧嘩腰、その他は無視という方向で。
アラゴルンが一人、必死に説得。レゴラスはあんまり、協力してない。
その辺、原作のレゴラスの惚けた感じを彷彿とさせて嬉しいかも。
ハルディアが「The realm of Lord Celeborn and Galadriel, Lady of Light.」と言った時には、良かったですね、ケレボルン、
「The realm of Queen Galadriel and Celeborn, Prince consort
とか、言われなくって。
と思ったけれど、劇的に台詞が増えていた。
さすがに水鏡のシーンがあるため、ガラドリエル以上ということはないが。
ちゃんと、妻と一行の会話にも口を挟んでいるし。
奥方、ちゃんとギムリにも労わりの言葉をかけてます。
「カザド−デュムの大いなる虚無のことで、そなたの心を満たさぬよう。
世界は迫りくる危険に満ちている、そしてあらゆる地における愛情は、
いまや悲嘆と混ざり合っています。」
ここで、ボロミアに視線を流すんですね。
そこで、故国の危機を見せる、と。絶妙のタイミングです、奥方。
でも、ギムリへの共感と贈り物のシーンで、きちんと奥方の
両面が出てきたと思う。

水鏡の場面で、自分のネンヤを見せるシーンあり。
だから、指輪所持者が孤独なものだと知っている、と。
贈り物のシーン。マントにブローチを留める手。
ストライダーとのアルウェンに付いての会話はちょっとわからなかった。
??どういう意味なんでしょう、我が君。
ケレボルンは何故か、ボロミアにマントの説明をしている。
ボロミア、ちょっとボケています。
個々人が、自分が貰ったものを小船の上で回想。
アラゴルン、メリー、ピピンは短剣を貰い、
サムはロープ。・・・ロープだけなの?
レゴラスは白の長弓。それまでは確か黒の短弓。
回想するレゴラス、妙に嬉しそう。
ギムリが照れまくりながら、「愚かな願いですが・・・
出来ますれば・・・」と言う所で、一旦切れる。

船の上、レゴラスの前に座るギムリが
「一番美しいものを頂いた・・・」(うろ覚え)と呟くのに、
微かに微笑んでいるような柔らかい表情でレゴラスが、
「何を頂いたんだい?」
「御髪を一房お願いしたら、三房下さった。」
優しく笑うレゴラス、この人綺麗だなあと(実は始めて)思った。
このシーンかなり気に入ったかも。
本編だとギムリは、猪突猛進武骨タイプなだけなので、
彼のロマンチストな一面をちょっと出して欲しかったし、
ちゃんと二人が仲良くなってきてるのがわかったし。

あと、話は前後するが、レンバス。
色々矢とか大小の荷物を小船に積んでいるが、
レゴラスがふと、小さ目の袋の紐を緩めてレンバスを出す。
一口小さく齧って、「これはエルフの行糧、君達よりも
大きな人でもこれで十分持つ」(これも曖昧)とかピピンとメリーに
説明をし、微笑んでレンバスを戻し(それもどうかと思うが)去る。
奇妙に神妙に聞いているなあと思っていたら、
メリー:「それでピピン、何個食べた?」
ピピン:「4個」げぷー。
このピピンの神妙な顔とげっぷが可愛い。
歯を梳いてる辺り、メリーも同罪らしい。

アンデュインを下る途中、洞窟での一休み。
サムがフロドの不眠と断食を咎めて、何とか助けたいと申し出るが、
フロド、お前には助けられない、今は。と言う。二人共に、痛い。
ぼーっと、河に浮いているゴラムを見てるボロミアに、
話し掛けるストライダー。二人が言い争う。
ボロミアの死の場面に繋がる、シーン。(重要なので、一部引用)
「ミナス・ティリスは安全な路だ、貴男はわかっている筈だ。
我々はここで再編成できる。力ある土地からモルドールへと
赴くことができるのだ。」
「我々に役立つ、如何なる力もゴンドールにはない。」
「貴男は、相応に速やかにエルフたちを信用した。
何故、貴方自身の民にそれ程に信をおかないのか。
そう、確かに弱さはある。誘惑され得る弱さが。だが、勇気もまたあり、
人の中に貞潔さも見出せるだろう。
それなのに、貴男は見ようとはせぬ!怖れているが故に!
全ての貴男の人生は影の中に潜んでいた、自分が何者なのか、
何なのか、それを怖れて。」
「私は、貴男の都の100リーグ以内に、指輪を持ち込みはしない。」
この期に及んで、ミナス・ティリスを貴男の都だと言うストライダー、
ボロミアの指摘が正しすぎて、痛いです。
ここでの、人の"Strength"、肉体的、精神的な力の他に、兵力という意味も
ありますが、人の強み、と言う意味も含む。
ボロミアの今際の際の誓いで、"Strength"と言う言葉を、
アラゴルンが使うのは、ここの台詞を受けてなんだなあ。
去年のCMのアラゴルンのキャッチフレーズ、
「His strength will protect them.」も、こういう意味でか、
と思うと一年来の疑問に答えが、と言う感じ。
(一年もそんなこと考えていたのか、私。)
ほんとに、ボロミアに背中押されてんだね、映画のストライダー。
だから、戴冠するときは、彼のこと思い出してね。
あ、因みにフロドがこれを実は聞いてしまっていて、
密かに一人旅立つ決意を固めている模様。

オークに追われる、メりーとピピン。本編より奮闘中。
足手まといなんかじゃないよ、二人とも。
でも、ボロミアに矢が刺さった所で、メリーが石をぼろりと取り落とす。

アラゴルンが、流れる涙をそのままに顔を上げる所で、
「彼らは、白の塔から彼を捜し求めるだろう。
だが、彼は戻ってはこない。」
・・・ボロミアー!そして、ミナス・ティリスの皆様ー!
すみません。今日の午後に時間を捻出する為、
昨日あんまり寝てないんです。
はー、この言葉とカラズラムでのボロミアの言葉は、
短いんだから本編に要れて欲しかったな。

ああ、あと1ヶ月(約)で、二つの塔だ−!チケット取れるのかな?
それより、なんて長さの日記だよ。・・・寝よう。明日も学校だ。


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