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2003年01月06日(月) うつくしい子ども(BGM:ひこうき雲 荒井 由実)

石田 衣良の「うつくしい子ども」を読みました。
「娼年」に続き、この人の作品は二作目。
ニュータウンに住む、幸せな平凡な三村一家のお話。
出だしはちょっと、重松清風。

三人兄弟の長男幹生を中心に、少年犯罪、校内のいじめ、思春期ならではの悩みなどをからめつつ、ストーリーは展開していく。

少年Aとして家族が裁かれた際の、残された者の痛みの書き方が印象に残りました。
罪を犯したことはどうしようもない事実。
家族ならばどうしてそんなことをしてしまったのか、理由をつきとめなければならない、という信念。
どんな妨害にあっても、突き進む思いにホロリ・・ときました。


この物語の主人公の幹生ではなく、少年Aと扱われる子の親としての視点から、いつの間にか感情移入してました。
私もそんな年齢になってしまったのね、とふと苦笑。

そばで眠るすべすべ頬の我が子が、もし将来人の道を誤ってしまうような日がきてしまったら・・?
もし、被害者の立場になってしまったら・・?
子を育てることの難しさ、子を産む事の重大さをあらためて考える機会を与えてくれました。

子供世界で生きていくのは、大人の世界よりも生きにくいのかもしれません。
「早く大人になって、好きな事をしたい!」と、よく思っていたよね・・。

と、あれこれ思いめぐらせていたら、知り合いのお子さんの訃報が飛び込んできました。
お正月前には元気に走り回っていたのに・・。
子供って「生きている」ことだけでもう充分意味があるんだと、気がつきました。







 
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