常連のお客さんが家族で来てて、中学生ぐらいの子供が親に言った。
「ねぇ、なんで勉強しなくちゃいけないの? こんなの社会に出たって絶対必要ないし、テストでいい点とることがそんなにいいことなの?」
すかさず親が、 「とにかく大事なんだよ。お前も大人になったらわかるよ。 そ、そうだ、兄ちゃんもなんか言ってやってくれよ。」
丁度料理を置いていた俺に話し掛けた。
「…」
言葉に詰まった。
やっぱりもう俺の見る目線は中学生とは違い、「そうだよやる必要はないよ」なんて言うことが出来なくなっていた。
彼の納得のいくような言葉も浮かばなければ、素直に賛成することも出来なくて、 ただただ言葉に詰まっていた。
そうだね。 何でだろう?
将来自分に子供が出来て、同じことを聞かれた時、 一体俺はなんて答えるだろう?
『なんで勉強する必要があるの?』
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