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aki
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2002年07月26日(金)
崩壊への夜


ぷつんと




何かが音を立てた気がした







夢が浮き上がってしまった


僕の手の届かない所まで










全てを諦めるには強さが足りなかった

全てを軽蔑するには汚さが足りなかった

全てを拒絶するのに足りないものはなかった





僕はまず手始めに食事を拒絶した

こんな簡単なことはない

「もう食べてきたから」のひとこと

それに笑顔を添えられればもう言う事は無い






次にすることはなんだろうと冷蔵庫をのぞきこみながら考えた

食べもしない卵を手に取った

結局食べはしないから元の位置に戻した








次に手首を切った

切れるだけ切ろうと思った

生への拒絶に

カッターは僕の意思に反した

手首からはあまり血は出なかった

やっぱりバイトに使っているようなサビたカッターは駄目だと思った

わずかな傷口からサビが入って

死んでしまった例なんてのはないかな、そう下らないことを考えた








どうしても腹が立ってしまって

僕はカッターを捨てた

いい気味だ君がちゃんと僕の動脈を切らないから!!!!

そうしてネズミ君(♂)と遊びながら考えた

先代のカッター君(♂)はよく切れた

やっぱりあんな色のついたちゃちなのは駄目だ

黄色と黒の引越屋が持っているようなのじゃなきゃ

先代のカッター君のように神経まで届きそうな切れ味じゃなきゃ








悲しかったのか

悔しかったのか

恐ろしかったのか



どうして涙など。










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