「空の上にはワタアメが浮かんでいて、その上では天使が昼寝をしている。」
そんな一節を叩きつけられたような嫌悪感
それを鼻で笑ったような倦怠感
現実は汚いが妄想はもっと汚いというのでしょう
ならどこに逃げましょう
ならここはどこでしょう
あの笑顔すら嘘だったなんて。
ベッドの上には天使のような娼婦がいて、艶かしい寝息を立てている。
そんな風景を思い描く焦燥感
それを実行した四畳半
彼女は美しいがその操はもっと美しいものなのでしょう
なら汚さずに交わりましょう
なら傷付けずに分け合いましょう
その髪すら汚れているなんて。
恋とは甘美なものでしょう
美しく麻痺していくのでしょう
いつか見た雪のように?
いつか聞いた自鳴琴のように?
ああ。ああ。
こいごころは、かねとともにきえた。
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