散った
花が散った
まるで椿のようだった。
美しく気高く薔薇の様にはなれない
年増の女郎のような
儚く言葉を綴ることの出来ない
馬鹿なオトコのような
卑屈で
不出来で
愚鈍。
ああいっそ芽など枯れるがいい
希望の数だけ絶望があって
舞い上がるほどに
叩きつけられた時、
痛い。
これ以上の快楽を貪ると言うのか
搾り出す声はひび割れているのに
空の煙草のフィルムを焦がして
トリップ、トリップ。
トリップ。
ぐちゃぐちゃだよ、踏みつけられた
花。
終わるならば始まらなければイイなんて。
約束はしないと決めたのに。
破れた約束はいっそ惨めで。
枯れる前にいっそ燃やしてしまいたい。
思い出ばかりが美しい。
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