2003年04月24日(木) |
ならぬ堪忍、するが堪忍 |
上方落語「天災」という話に、 紅羅坊奈丸(べにらぼうなまる)博士(心学)が 気の短い男に説教するくだりがあります。
「堪忍のなる堪忍は誰もする、ならぬ堪忍するが堪忍。 堪忍の袋を常に首へ掛け、破れたら縫え破れたら縫え」
ところが時代は堪忍を否定的に見ているようです。 堪忍をせず、悲鳴を上げるのがいいという風潮が あります。
確かに堪忍のし過ぎによって問題をこじらせる ことがあるかもしれませんが、 時には堪忍を貫くことも大切なのかもしれません。
そういえば、 「戦いのつらさ、痛みなら俺たちだけが知ればいい」 というストイックさを感じさせる人物は とみにこのごろ見ないような気がします。
人間社会というリヴァイアサンには 今は「肝腎」というものが不十分では ないかと感じます。
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