昨日(24日)すみだトリフォニーで「マタイ受難曲」を聞いてきました。演奏者は以下のとおりでした。
指揮:ゲルハルト・ボッセ、 オーケストラ:新日本フィルハーモニー交響楽団 福音史家・テノール:畑儀文、イエス:多田羅迪夫、ソプラノ:平松英子、アルト:寺谷千枝子 バス:三原剛、ビオラダガンバ:パオロ・パンドルフォ、合唱:晋友会合唱団、東京少年少女合唱隊
今年の復活祭は4月15日だそうです(復活祭は春分のあとの最初の満月のあとの最初の日曜日)。バッハ没後250年の今年はバッハ関係の演奏会が多いのですが、21世紀の最初の復活祭を前に、「マタイ受難曲」が非常に聞きたくなったので土曜日の夜でしたが埼玉から出かけました。指揮のボッセさんはライプツィヒゲバントハウス管弦楽団のコンマスを勤めた人で、生まれはライプツィヒ近郊。ライプツィヒはバッハがオルガン奏者を勤めていた街ですから、音楽的に非常につながりが深いはずです。
この演奏会では日本語対訳(磯山雅訳)がついておりそれを見ながら聞いていたので細かい筋がよくわかりました。3時間を越す演奏でしたが、最後の有名な悲しみの合唱を待ち遠しいと思うよりは、もう少し遠回りしたいと思うような格調の高い感動的な演奏でした。オーケストラは曲が進むほど集中力が高まっていき引き込まれていきました。とくに第一オーケストラのフルート・オーボエ・ファゴットはいい味をだしていたと思います。フルートの音はキンキンすることなく音楽の雰囲気にあっていました。福音史家は非常に格調たかく、その他のソリストも役をうまく表現していたと思います。
晋友会合唱団はうわさとおりの実力で、とくに3回でてくる有名なコラールでフェルマータの後のアウフタクトの音をソプラノが気持ちをこめて歌ったのがとても印象的でした。また第一部で最初と最後にでてくる少年少女の歌は澄み切っていて天使の声のようでした(途中退屈そうでしたが)。
全体でいうとやはりバッハの故郷うまれのボッセさんの淡々としたテンポとキチンとした音楽つくりが、深い悲しみと大きな感動を表現していたと思います。もうすこし内容を勉強してから聞くとさらにおもしろいことがあるのでしょう。チャンスを待ちたいと思います。
|