2002年07月22日(月) |
あの稲穂の翻る景色の中で・・・ |
今夜もまたレポート…
バイト上がってから、そんな事を考えながら帰ってきた
もう何日も息抜きもせず、
レポ・バイト・レポ・バイト…を繰り返している気がする
一呼吸入れるかぁ…
ビデオでも借りて気分転換をしようと
レンタル店までそのまま向かう
普段からよく見るのは洋画
ただ最近、あまりピンと来るものが無い
そうなると邦画のコーナーへと足が向きだす
以前もこのパターンで『カルテット』を見つけた
今回、何となく惹かれたビデオ
『リリィ・シュシュのすべて』
パッケージに書かれていた
「地方都市の14歳〜」
に惹かれた
14歳、俺にとって、17歳と19歳と同様、
何らかの節目のある年齢
地方都市、田舎育ちの俺にとって、
なんだかすごく身近な気がした
まぁ、最終的に気に入ったモノが無ければ
コレでもいいかなぁ、という感じで手にし
結局借りることとなった
店員の無愛想な対応も他人事に感じる
神経質な隣人の玄関は
まるで保育園の教室のような飾りで埋め尽くされている
ドアポストに無残に差し込まれた花束が
妙に気になった
部屋に入り、汗を流し、ビデオをセットする
壁が極薄のウチのアパートは、
隣人宅で行われている飲み会の音をつつぬけにする
普段は耳が痛くなるのであまり利用しない
ヘッドホンをつけ、テレビに向かう
この映画、謳い文句通り?叙情詩的な構成
ただ、目に映る絵が変わるのをじっと見つめる俺
そして、最初に俺の興味をひいたのは
その風景と地名だった
そこは、俺が歩いていた橋
そこは、俺が遊んでいた広場
そこは、俺が好きだった川
そこは、俺が利用していた電車
そこは、俺の記憶の舞台となった駅
直接的な地元ではないにしろ
俺の育ったその土地が使われていた
ブラウン管に写るその景色は
確かに知っている景色なのに、
どこかリアリティが感じられなかった
そして、この映画が取り上げたテーマは
とても痛かった
俺はあの少年と同じような経験を持っていた
俺はあの少年と同じような感情を抱いた
俺はバイト先で同じように少年を追いかけた
俺は街角で同じように少女を見かけた
映画ということで、ある程度のデフォルメがされているが
確かに、あの土地の、あの世代の、子供達の
実際起こっているある一面を描いていた
以前書いた通り、涙脆い俺は、
自分が知る土地を舞台に、
俺の苦い思い出とリンクした映像を観て
ボロボロと涙を流した
俺が小6の時、その後入学することになる中学校の
1年生の女の子が、成績不振を苦に焼身自殺した
俺が中学の時、街では
恐喝・暴行など日常茶飯事だった
それと同様、イジメなど吐いて捨てるほどあった
ある時は被害者になり、ある時は傍観者になり
そして知らず知らずのうちに加担者にもなっていただろうと思う
俺はあの経験を決して忘れない
高校時代
工業地帯だった地元には外国人労働者が溢れ
同じ国籍で肌色の違う同世代の少年達が
一路踏み込んだ街角で、我が物顔で悪行を重ねていた
『むかつく』を理由に限度をわきまえないケンカ
けたたましく走り抜ける暴走族
アニメでは記されない、山道の裏側
ハクとなって横行するドラック
当たり前のように話題に上がる売春
みんな、身近に存在していた
地元で教師となった友人が言う
「今の子達は、私たちの頃とは次元が違う
あの陰湿さと暴力は理解が出来ない」
久しぶりに会った友人が言う
「俺の知り合いのヤツは
女を拉致って、犯って、裸にして、山に捨ててくるぞ」
高校時代の後輩が言う
「あいつ、先輩たちが卒業した後ですけど、
帰り道、目が合っただけで、
集団でボコボコにされたそうですよ」
あまりにも身近にありながらも
幸いにして、その火の粉を被らなかった俺
ここ最近ののんびりした時間の中で
忘却の彼方へと移行した諸々の出来事
「ああ、そう言えば、あの頃、俺は怯えていたな…」
クサってんよ、実際…
このビデオを観て、やや感傷的になりました
ここで一句
その流れ のるものらぬも 紙一重
字数合ったの初めてかも!
自分の身の幸運さに感謝しつつ
こんな無法な出来事に憤りを感じます
と、言っても、所詮、人事でしかないんだろうな
御粗末
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