すずの日記        

すず                       




 床フェチ

「ねえ、あなたどこから来たの?」
『……』
短い足にボンレスハムみたいな体の彼か彼女か知らないが、
床に転がって気持ちよさそうに背中をこすり付けている。

「ねえ、たぶん ここだと邪魔だと思うよ」
『……』
駅の改札入り口、人目を気にせず ごろごろ転がっている。
ツルツルの床は、気持ちいいらしい。

「迷ったんだったら駅員さんでも 呼んで来てあげようか?」
『……!』
赤いスカーフを巻いた犬(コーギー)は、慌てて逃げ出した。
そして 嬉しそうに隣の公園へ走っていった。

あの公園は、とっても大きいから車にはねられることもないだろう。
あたしは、無事に帰れることを祈る。





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2003年05月30日(金)
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