すずの日記        

すず                       




 銀行嬢

あたしは、よく銀行へ おつかいに行く。
だから、窓口の彼女の機嫌がいいことは、スグわかった。

ニコニコ ニコニコ 
彼女は、目をキラキラさせていた。
少なくとも そう見えた。

『今日、冷房が入ったんです! 快適でしょ! 涼しいでしょ! 今日なんて暑いですよね!』
「…確かに、涼しいですね」
いつも、無口の彼女が やけに早口だった。

そしてそれよりも、あたしは 嬉しそうに話す彼女の手元に不安を覚えた。
バンバンと勢いよくハンコを押す。
振り込み用紙にハンコを逆に押し、押しなおし、さらに オマケだろうか また2度も押した。

だ、だいじょうぶ…だろうか。 

でも、よっぽど、嬉しかったんだろう。
あたしは、銀行嬢が暑いのが苦手だと推察する。





↑エンピツ投票ボタン!
(文字変わりますが期待しないように! よく考えましょう)


My追加





2003年06月27日(金)
初日 最新 目次 MAIL HOME
    読ンデクレテ アリガトウ                   My追加