すずの日記        

すず                       




 祖父の本

人の臭いがしない家。
鍵のあきっぱなしの家。

あたしは、みんなに黙って こっそりしのび込んだ。
足の裏が真っ黒になった。

本棚に並ぶ日に焼けた本。
今は亡き祖父が読んでいたらしい本。
みんな同じ作者でした。
その中から「花実のない森」という本を あたしは手にした。

お盆だというのに花のない仏壇。
「おじいちゃん、借りていきます。
おばあちゃんは、病院で元気よ」

床に足跡が転々と残った。
秋に13回忌です。

祖父に会いたい・・・。





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あたしは、同じ敷地に住みながら

風ひとつ通さない 叔父夫婦を呪ってやりたい。


あたしに もう少し力があれば・・・ごめんね。





2003年08月13日(水)
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