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■ 祖父の本
人の臭いがしない家。 鍵のあきっぱなしの家。
あたしは、みんなに黙って こっそりしのび込んだ。 足の裏が真っ黒になった。
本棚に並ぶ日に焼けた本。 今は亡き祖父が読んでいたらしい本。 みんな同じ作者でした。 その中から「花実のない森」という本を あたしは手にした。
お盆だというのに花のない仏壇。 「おじいちゃん、借りていきます。 おばあちゃんは、病院で元気よ」
床に足跡が転々と残った。 秋に13回忌です。
祖父に会いたい・・・。
あたしは、同じ敷地に住みながら
風ひとつ通さない 叔父夫婦を呪ってやりたい。
あたしに もう少し力があれば・・・ごめんね。
2003年08月13日(水)
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