オモウコト。
幸希



 彼女。


 大好きだったのは。 
 彼女の凛とした目だった。
 背筋のしゃんとした姿勢。
 透き通った声。

 彼女が創り出す世界が。
 とてもとても好きだった。

 二年前。
 私は彼女の姿を見失って。
 きっと。
 ずっと。
 見ることはできないのだ、と思った。
 
 彼女の声を聞くたびに泣いた。


 時に優しい。
 時に激しい。
 
 彼女の唄。


 私は彼女の声を。
 再び聞いた。


 おかえりなさい。

 彼女は。
 大好きな唄を。
 大好きな人たちに向け。
 大好きな大地のために歌っていた。


 おかえりなさい。
 ありがとう。


2003年12月29日(月)
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