Kyoto Sanga Sketch Book
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2004年02月21日(土) 鹿児島国分キャンプ〜地方との接点

もう白っぽくなった南国の日差しの中。
まだ大人の背の半分しかない大勢の小さい子供達が、サンガ選手の足元のボールに群がっていた。
意地悪に足で地面に押し付けて止めた球を、よって集って小さな足で突付きまくる。






Jリーグチームのある地域でのサッカー文化の普及、選手育成の状況の変化。
しかし、Jチームのない地域でのサッカーの在り方、育成も年々変わって来ている。
プロを育てる高校の多様化、そしてその高校らの実質的下部組織の存在、地域の小さなクラブ等。
そんな地域と、Jリーグクラブとの接点の1つがキャンプかも。

双方のいい関係が、どちらにとっても益になれば。

京都と鹿児島に関しては親会社関連がすぐ頭に浮かぶけど、
京都サンガが数年前に入れた血、
九州を実質フランチャイズ、鴨池を準ホームとしていたフリューゲルスから培って来た人脈も大きいみたい。
もともと鹿児島は、Jリーグや代表戦もかなり”郷土で育った選手”中心の記事で報道するお国柄。
(例えばプレシーズンマッチのFC東京戦。送ってもらった新聞に大きく載っていたが、田原・中山・藤山の名前しかなかった)
全くのJリーグのクラブ中心の地域から見たら少しカルチャーショックでした。


なんて、難しい事は置いといて。
練習に参加している地元中学生を見れたらいいな、ぐらいに思ってキャンプを覗いてみた。

この日の目撃は楽しいキャンプ地の人との交流(特に子ども達)と、象徴的な幾つかの出来事。




■「と国分のオジサンが言ったと」■


2月中旬ながら20度を超える陽気の中。
今ついてもどうせ練習は終了間際だが、国分競技場に向かった。
「京都から誰を追いかけてきたの。」ハンドルを握ったタクシーの運転手が聞く。
”いえ、誰ということもないんです。帰省ついでというか。”

彼は大きな声で話続けた。
「パープルサンガはやっせん!正月は優勝したのに。J2は油断してなまけた結果」
"いや〜よくご存知で(アハハハハ)。”
「毎日、新聞を10は読んでるからよーく知ってる。そういうのは好かん。」

このあと延々と説教…

「…と国分のオジサンが言っていたと説教してきなさい。絶対一年で戻れって。」
”はい(汗)。”

第三者のサッカーファンは厳しいわ…。
だから国分市”歓迎の会”が今年は一部で”激励の会”と告知されてたのかしらん(笑)

”残ってくれてありがとう。来てくれてありがとう。”
私のそんな気持ちなんて吹っ飛んでしまった訳で。

(でもオジサン、スポーツ新聞って10もあったっけ??)




国分の競技場に到着。練習は最後の10分ぐらいを残していた。もう日差しは高い。
目の前のFW達のシュート練習は、噂に聞く以上に快調。

いろんなチームのキャンプを見ている地元の友人の感想。
他チームに比べ京都は監督やコーチが指示して矯正し、
選手たちがそれを一所懸命聞いている場面が多くみられたらしい。
(監督の指導方針のせいか、まだチームがその段階なのかは不明)


遅れて練習をあがった重い足取りのGK達に、
上のグラウンドで始まると張り紙がしてあった「ふれあいサッカー教室」のことを聞いてみる。
「でも、子供だけみたいですよ」

なら、地元のお父さんお母さんに交じってちょっと見学してみよ。



■地元200人の子ども達と■


地元国分市と隼人町の園児・低学年児童程度のサッカークラブの子たち200人。
幼い子10人対選手5人のミニゲームが一斉に行われている。
(選手達は一応それぞれポジションががぶらないように散らばっていた)

特に小さな子たちは、なぜかボールより選手達に可愛くまとわりつく!
また、それが嬉しくて可愛くてたまらない、と顔をほころばせる選手。

特に冨田君なんて、ボールをもっている時もいない時も大人気。
4人がかりで笑顔のまま後ろから前から抱きつかれ、削られてた(笑)。
スパイクを二人がかりでつかまれ引っ張られ、仕方なく脱いでシャツの中に隠すトミー。
飛んできたハイボールに腹を突き出し、シャツの中のスパイクでボールを弾き返し大きくクリア。
しかしその瞬間、子ども達は嬉しそうに冨田の両足に抱きついていた。


小さな子は大きな人が一定内の距離に入ると、嬉しくて抱きついてくるものとか。
今日の光景。なるほど。


黄や青の小さなユニフォームを着てヒヨコ達。
ポーンと大きくサイドチェンジ。わーっと追いかける。
ぽとっ、と落ちた球。奪った子がスルーパスもどきを。今度はサンガ選手たちが慌てる番。


目の前のチェ・ヨンス達のコートでは、子供達がゴール前の攻防で絡まって転ぶ。
一緒に転んで大きな体で子供達を潰してしまったヨンス兄さん。
一人べそをかいて泣き止まない小さな子供をあやそうと、お尻をポンポンたたく。
元軍人さんのクールなお顔のまま、部下を励ますかのよう(兄さん、笑顔笑顔!)。

隣のコートのFWは黒部。
前線に張っている彼は、なんと元教師志望者にあるまじき行為!
悪戯っぽい表情でコーンを動かしゴールを広げる。
(でも数秒後、それをみた子にゴールは半分に狭められていましたが(笑))
いじけてコーンを頭にかぶり、おどけて座り込む黒部(笑)。その目の先には冨田達。

その隣のコートは田原たち。ここのメンバー全員かなりおとなげない(笑)。
拍手と歓声が聞こえた。選手みんな手を上げて大喜びで万歳!
サンガチームが得点できるたびにこれ。
(忠さんまで〜!まったくどっちが遊んでもらっているか分からないような感じ(笑))。


と、こんな風に5つの小さなコートは小さな子供と”大きな子供”の歓声で、
ギャラリーの私達も十分満足。

ただ最後まで、幸せな(不幸な?)冨田君は試合に参加させてもらえなかった。
あまりのマンマークぶりに、コートの隅で途方に暮れへたり込む。
子供はそのあぐらの中に入り込み、嬉しそうに顔に抱きついて…(トミー、もうその子連れて帰れよ(笑))



ミニゲームが無事終わると、選手全員のサイン入りの色紙2枚をめぐってのじゃんけん大会。
欲しい人!に芝に座った200人全員が「はーーーーい!!」と歓声をあげる。
(どんな選手がいるか、わかっているんだかね(不安)。)
地元の先輩、田原と中山(実は二人ともこの近郊出身)が代表して子供たちとじゃんけん。
照れ笑いの田原に続き、ポーカーフェイスだった中山にも笑みがこぼれた。




■練習生を探して■


グランドから引きあげバスに乗り込む選手たち。
バス待ちではグラウンドからバスの待つ階段にかけて、子供達が大勢つめかけた。

前日に報道された「中学生の練習生の存在」が気になって地元の人に聞いてみた。
「○○君は普通に選手とホテルに帰るよ」
彼は中学三年生の身で本当にプロの「キャンプに参加」しているらしい。
しかもあの好調なシュート練習の中にいたとは。

あー、だったら今のうちサインもらいたかった。残念!
「カクカクした字で三年何組○○としか書いてもらえないよ」と笑われた。

彼はトレセンでは名前はあがっていないものの、「九州では有名」な選手で
「黒部のよう」「どこからでもガンガンシュートを撃つ」FWということ。
中山を見に来たサンガのスカウトの目に止まり、この若さで今回たっての参加となったらしい。
中山と同じ道、某高校に進学予定。

それを羨ましそうにスタンドで見ていた、彼のサッカークラブの後輩達の目もあった。
中学1、2年生の彼らもプロ志望らしい。
”えっレフティ!丁度抜けたところ。今すぐにも来てもらいたいー”
に父兄が”まだ早すぎますよ”と笑った。

(早過ぎって事は、いつか来てくれるって事か。。)


練習見学後、彼らはバンに乗って帰っていった。

今日の練習生が数年後、本当に京都に来るかはわからないけど。
しかしその存在はプロチームのない地元の少年たち、
そして場合によっては選手にも刺激になってくれるかもしれない。

















選手が子供達に淡々とサインをしてバスに続々と乗りこむ。
バスがやっと選手達を集め、ホテルに向かって発とうとしていた。

しかし黒部だけは残り、
大勢の幼い子供達の憧れの渦に巻かれて、いつまでもサインを続けていた。

子ども達はちゃんとわかっていた。
そこで見られたのは京都と同じ光景。




この後、京セラホテルで私は友達とランチ。

友人に「大切な試合を地方開催で準ホームにとられるのは痛い」と話した。
しかしその悩みは協会が全チームに課している以上、多かれ少なかれどのチームにもあるよう。
数少ない試合を取ってしまうのは悪いから、と、
「リーグを1クール増やして、その分全て地方開催に」なんて提案も受けた。
地方ではいつも楽しみに待っているから、と。

今全国の地方で、地域リーグ等のクラブが育っている。
しかしその一方で、プロ選手のプレーを見たい、という欲求も
子供達を始めとするサッカーファンにあるのも当然。
また今年も「クラブサポーター」と「地方のサッカーファン」間の綱引きがあるんだろう。。








その日の夕方。
ただ一人キャンプに参加していない松井は、ブラウン管の中にいた。
関西、長居競技場が彼のプレーに沸いている。


背後から華麗に球を放つ�癸隠葦β�の踵。
左斜め前に出された球は伸びやかに白く輝きながら、
左サイドのチームメイトの前のスペースに正確に飛び出し、疾走始めた。
数秒後、倒れながらゴールに球を押し込める彼の右足

代表の旗や割れんばかりの歓声が包む中、
五輪の新しいディフェンダー闘利王に父親のようにオデコをぶつけられ祝福されていた。

松井の五輪での活躍も、ここ鹿児島でみるとなぜか懐かしい。
鹿実の珠の1つを京都に返した時の両者の期待に、彼は答えつつある。




幼い子供達、少年達、サンガ選手たち。
練習は見れなかったけど、今日は善き一日。






〜2004年 京都パープルサンガ国分キャンプ(2月16日〜2月28日)〜

2月19日歓迎の夕べ

<テストマッチ>
vs柏レイソル 3-3(1-0/1-0/0-1/1-2)
vsサンフレッチェ広島 3-0(前半0-0)3-1(前半2-1)
vs湘南ベルマーレ 2-3(1-1/0-0/1-2)
vs鹿児島実業高校 9-0(前半3-0)
vs鹿児島城西高校) 5-1(前半2-0)

<プレシーズンマッチ>
vsFC東京2-2(前半0-2)
得点者 田原・黒部

GK 西村
DF 萩村、手島、鈴木悟
MF 冨田、ビジュ、石丸(斉藤)、中払(熱田)、中山(森)
FW チェ・ヨンス(田原)、黒部
SUB 橋田、鈴木和裕、中村

悟・萩村を加えたレギュラー組の新DFラインは基本的に安定(控えはまだまだ)。
チェと黒部の共存の目処がたちつつあるよう。
しかし、松井長期離脱予定のトップ下を始め中盤は流動的かつ不安。


2月28日 キャンプ打ち上げ


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