海外から、子供向けゲームの収録が舞い込みました。 海外からは、この依頼がそこそこ多いです。 しかしゲームなので・・・セリフ数は膨大! しかもファイルを一言ずつ全部分割する必要があったりする。 今回のファイル数は多くはないですが、言葉と言葉の間は3秒空けなきゃいけない。
だるいんだよなぁこれが・・・。 すっと読めばすぐに終わるのに。 間を空ける分、ブースに籠る時間が増えるんですよね。 まあ、商権譲渡料もファイル分割料も文句も言わずに払ってくれるらしいから、いっか。
と、サンプルを収録。 すると、もっと明るくエネルギッシュに!という注文。 ただでさえ明るめの声で無理してるのに更に無理をする必要があるのか・・・! これ、最後まで持つかしら。
そんな不安を抱えた案件だったのですが。
『箱鳴りは本番では消せるよね?』 という、意味の分からないワードが来た。 え?箱鳴りって何? 突き詰めると、どうやら籠って聞こえるらしい。 え?そんなの指摘された事がなかった・・・。 クリアに聞こえないって事? マイクとの距離感で生じる事があるらしいけど・・・。 適切な位置で喋ってるはずな上、私の耳では理解できないノイズ。
マイクの位置関係をあれこれ試して、クライアントのオーケーを貰う事もできそうですが。 これをすると、出してみてはダメ、出してみてはダメの可能性がある。 だって自分の耳が理解できてないノイズだから。
これは・・・諦めよう。 『整音で消せない様なら他の人を探して下さい』 と送信。 丸二日後、返事がきました。 『整音でも消せなかったからごめんね』と。
初めてのケースだなぁ。 音質ではじかれたの。 整音する事でそこそこの音になってると思ってた〜。 まだまだ奥深いんですよねぇ。 そりゃそうだよね、簡易ブースだもん。
てかさ。 そこまでの音質を求めるなら、スタジオ案件だと思うのよ。 この価格帯の人に頼む案件じゃないと思うのよ。 安くあげたい、音質も完璧・・・は難しいんじゃないかしら。 スタジオで録る事もちょっと検討しましたが、これだけこだわる人なので細かいダメ出しが来そうで、そのたびにスタジオに行くのはしんどそうだったので、やめときました。
引き際、大事。
|