土曜日生まれは腰痛持ち

2008年12月14日(日) ティーンのための強制的オススメ小説

今私の背後で、センター試験を1カ月後に控えた娘が
……ケータイ小説を読んでいます。

メディアミックスで話題の超売れ小説「赤い糸」を、
お受験教室のフラッシュカード並みの速さで
パッパカ読んでいる模様ですが、
時々「しょーもなっ」「なにこれっ」と
ツッコミの声も聞かれます。

携帯小説のよさを、私には理解できません。
ゆえに、読まないで批判することを恥とも思いません。

携帯小説を読むような層は、
私の地味な日記など洟もひっかけないでしょうが、
ああいうのを読む時間があるなら、
「ふたりの世界」シリーズ(byジョアン・リンガード)を読め!と
声を大にして言いたいのです。

10代の見目良い少年少女、皮肉な運命の恋、幼い結婚、
子育て奮闘……と並べて書くと、それこそ携帯小説のネタみたいですが、
北アイルランドはベルファストという、
世界情勢の「符号」のような町に住まう
カトリックの少年とプロテスタントの少女…と、
ハードな設定の助けもあり、
しかし、それに寄りかかり切ることもなく、
時にドラマチックに、時に淡々と、時にユーモラスに、
緩急のメリハリがあって読みやすく、
本当に、10代の頃に出会いたかった作品です。
おばちゃんは、何しろおばちゃんだから、
この本の第1集が日本で出たとき既にハタチで、
しかも存在自体を知らなかったのでした。
羨ましいことに、
今の10代の子たちは、今なら10代のままで
同年代のケヴィンやセイディーと出会えるのです。

ある程度の図書館ならきっとあるし、
古書なら手に入らないこともありません。
10代でない方にも、もちろんオススメします。


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