みちる草紙

2001年11月07日(水) 歌の風景 その1

『突然だけど、杏里を聴いて先ず何を思い浮かべる?』

車の中で出し抜けにこう訊かれ、へっ…('◇')?
『いやさ、杏里を聴いた時に、こう脳裏に浮かぶ風景っていうか
 状況、場所… 思い出みたいなものって、ない?』
その時はちょうどカーステレオから杏里の“キャッツアイ”が流れていた。
「ああ。えーと…自分ち(実家)の居間かな(^◇^;)」
『何だよそれ('◇')?』
「中学生の頃、居間のテレビでキャッツアイ観てたから…」
『……(-。-;)違うだろ。杏里と言ったら江ノ島、湘南だよ、俺は』
「あそ。あの頃はもっといい女を乗せてたもんだと自慢したいのね(¬。¬)」
この男、かつてのサーファーだったんだろうか、えなりフェイスでも。
「そうだ!そう言えば体育祭に、この曲でダンス踊ったの!(*^o^*)」
『もういいよ、訊いた俺がバカだったよ(`◇´)』

遠い情景と共に心に甦る歌というのは、確かに幾つもある。
例えば
♪新しい朝がきた 希望の朝だ 喜びに胸を開き 大空仰げ♪
タイトルは忘れたが↑ラジオ体操の歌。涼しい夏の黎明、薄日の輝き。
あの頃の悩みと言えば、給食が食べられないことと、いやな水泳の授業や
ピアノに珠算のお稽古、友達と仲直りが出来ないこと… くらいだった。
将来なりたいものは、画家だったり小説家だったり女優(!)だったり
夏の、目も眩むような太陽の光線に象徴される、輝かしい子供時代。
夢は何でも見放題で、恐れも不安も実感のない時代があった。

それが…いつからだろう、暗雲が垂れ込め出したのは(-_-;)
高校生の頃ゴダイゴが好きで(笑うな)、受験勉強もそっちのけで
朝から晩までゴダイゴばっかり浴びるように聴いていた。
英語の歌が多かったので、よし翻訳家になろう!なんて安直に決心し
試験会場では、開始間際までウォークマンでゴダイゴシャワー。
それが災いしたのかどうか、名だたる外国語系は皆落ちたのである。
今でも、タケカワの歌声を聴くと、言い知れぬ懐かしさとあいまって
灰色の受験期(というほど勉強しなかったけど)がフラッシュバックする。
(つづく)


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