東京のそらは星がすくないね
また、荷物をかかえて暗くなった上をみあげて いまさらながら思う、ほしがすくない。 見えないだけと言われても、でも 毎日みているひかりが急に乏しいのは、なんだか さみしかった
花の手入れをする 萎れてきた花の手入れ。 鋏で落としていく枯れた葉や花のカケラ。 うなだれたガーベラを集めて挿しかえて。
お線香の匂い。 たくさんな、こんもりの、白菊です。
…それくらいであたしはおしまいなんだな
風船の糸が手放されたように あっさりと、「あたしのところ」がなくなって 居候、になっていた。一週間うちに戻っていたあいだの 一緒でなかったこと、はこんなふうに大きくて重い。 しらなかった。 淡い幕が、ここにも下りていった。
もともと地面にはついていなかったのだからしかたないやねと 一人で納得しようとしている。
ばかなこいつになにか言ってやりたいが 今は、よく台詞が思い付けないんだ。
あのひとに会いたいね 電話もしないけど 会いたいね。
…おかあさんの自転車のパンクを直した雛祭り。
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