マキュキュのからくり日記
マキュキュ
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■ 【短編小説仕立て】 薮原祭り(1)


今回の【薮原祭り行き】は、最低なプロローグで幕開けし、途中、私の心情を訴えるモノローグを挟み、それでも、「やっぱり行っておいて本当に良かった・・・」と、心からそう思えたエピローグで幕を閉じた。
そんな、ちょっとしたドラマがあったのだ・・・・・・。
そのアクシデントについては、書こうか書くまいか散々迷ったけど、【奇麗事ばかりではない真の人間模様を書くんだ!!】と願う、私の日記(物書き)コンセプトに則り、夫の了解を得てチョット小説仕立てのように書いて見る事にした。
私達の夫婦喧嘩の陰惨さと情けなさを、じっくりとお楽しみください。(苦笑)



【薮原祭り】 (��)

 フゥーリィーの実家への里帰りは、思いも寄らぬトラブルから始まった・・・・・・。
フゥーリィーは何処かへ出掛けるとなると、気が逸るのか、気が急(せ)くのか、何故かいつも酷くナーバスになり、イラ付く癖がある。
どういう心理状態なのか私には計り知れないが、単なるせっかちなだけなのだろう・・・・・・。
私が朝の6時からあくせくしている間も、自分は暢気にゲームをし、TVを観、シャワーを浴びたりとのんびり構えていたくせに、いざ出かけるとなるといつも「行くぞ!」と慌しく、サッサと車に乗り込んでしまう。
そこでモタ付いたりしていると、ひどく機嫌を損ねるので、私は出掛けにいつも慌しくなる。【自分勝手なヤツ・・・】と溜め息を吐き、化粧も程々に家を出る羽目となるのだ。
フゥーリィー自身、慌てて出たものだから、車に乗り込むと同時に免許を忘れた事に気付き、部屋に慌てて取りに戻って行った。
「バカみたい・・・、ゆとりを持たないせいよ・・・。」私は呆れ顔で言った。

 車を1分ほど走らせたところで案の定、今度は私が肝心なエッセイの封筒を忘れてきた事に気付いた。
「ごめん・・・今度は私がエッセイ忘れた。戻ってくれる?」
そうしたらフゥーリィーは凄い剣幕で「冗談じゃネェよ! このクソ暑いのに戻ってられるかよ!!」と意味不明な文句を言い、いきなり怒鳴り付けて来たのだ。
「なによその言い方・・・。もうエアコン効き始めてるじゃないよ。第一遠くまで来ちゃったなら話は別だけど、たった2〜3分のロスでしょう? 今度いつ行けるか解らないんだから、戻ってくれれば良いじゃない」
「ふざけんなよ! テメェはいつもそうじゃネェカよ!!」
【テメェ】とか、【ネェカ】が出てくるという時は、相当苛立ってる証拠である。
それでも、私は一向にひるまない。
フゥーリィーは直情型で攻め、私は理詰め型で相手を追い込む癖がある。
私は自分が間違いじゃないと思えば、相手構わず噛み付くタイプだ。

「だいたいアンタがいつも出掛けになってきゅうに急かすからいけないのよ。私が朝から2時間半も掛けて、色々エッセイ選んで、プリントしてたの知ってるでしょう? 前回お父さんのお見舞いに行った時『今度来る時持ってくるね』って約束したのに」
と、その言葉に被せるように「今度で良いじゃネェか、今度で!」とフゥーリィーがさも鬱陶しげに言う。
「普通のダンナなら、ちょっと舌打ちしたとしても、しょうがねぇなぁ〜、って、ちゃんと戻ってくれるわよ! 何でアンタって、こんな事くらいでそこまでキレるの?」
私は、不思議な物でも見るような気持ちでフゥーリィーの顔を覗き込んだ。
「そんな大事なもん、忘れてくる方が悪いじゃねぇか!」

「何言ってんのよ、アンタだって、免許忘れてきたくせに・・・。ねぇ、お願い。頼むから戻ってよ・・・」私は極力感情を抑えて言った。
車のメーターは、フゥーリィーのイラ付き度と比例するかのように、どんどんスピードを増して行く。
【また始まった・・・・・・】
私は鼻白んだ。
「なんでそんなに底意地が悪いの? ちょっと戻るだけの事が何故そんなに孤剣に関るの? 私は昨日から竹の子煮たり、今朝だって早くから動き出し、私なりに皆に喜んでもらうため一生懸命やってたじゃないよ! エッセイだってお母さんに喜んでもらうための好意じゃない!!」
「ふざけんな! あんなもん目の悪いお袋が読むわけねぇじゃねえかよ!! もううるせぇ! 黙ってろ!!」
私はその一言が物凄くショックだった・・・・・・。

 普段、滅多にご両親の顔を見られるわけでもなし、電話で話すにしても電話代を気にしながらの会話なので、口早に近況報告するくらいが精一杯だ。ゆっくりとした会話はできない。私たちの日常やら二人の様子をせめてエッセイで読み取って欲しいと、朝から厳選し、数時間も掛けエッセイをプリントしてたのだ・・・・・・。料理を作りながら何度も何度もキッチンとパソコン部屋を往復してたのをフゥーリィーとて知っている。
私がどんなものを書き、私たちがどれ程仲良しなのか、お母さんにゆっくり読んで、理解してもらい、少しでも安心して欲しかっただけなのに・・・・・・。

 私は悔しさと悲しさですすり泣いた。
と、ソレに気付いたフゥーリィーは、「又それか!!」と喚き、なだめるどころか逆切れし、わざと100キロくらいのスピードを上げてみたり、ギザギザに運転してみたり、いきなり急ブレーキを掛けてみたりと、どんどん凶暴になって行く。
身体が振り回されるままに身を任せ、私は段々無気力になって行く。

【ああ・・・・・・、10年前のあの日と全く同じだ・・・・・・】
私は強い失望感に目を閉じた・・・・・・。



(次回に続く)



2004年07月13日(火)

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