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■ (日記) 店をやってて本当に良かった…と、思える瞬間。
きのう、とても気がかりでいた常連がようやくきてくれた。 その人はからくり箱をとても気に入って通ってくれていたのだが、ある日を境にプッツリと来なくなり、電話をしてもメールをしても連絡が途絶えていたままで、何か重い病気にでもかかってしまったのかと、とても気になっていたのだ。
やはりその方の職業柄、もえつき症候群とでもいうか、ぽっかり穴が開いた状態になり、精神的にすごく凹んでいたらしく、一切の知人との連絡を閉ざし、しばらく引きこもり状態でいたらしい。 アタシも徹底的に凹めば、たとえ親友たりとも連絡をする気にもなれず、一切を遮断してとことん凹み切るという荒療治で自分を治療してきたので、気持ちは痛いほど解るのだ。
幸いにも他に客が居なく、しばらくは二人だけだったので、いろいろな話を真剣にした。 彼の言う事に耳を傾け、アタシの思いをはなし、語り合った。 そうしたら、ほんの一杯だけ飲みに顔を出しただけだったその人が、3倍も4杯も飲んでくれ、シミジミとした声でこう言ってくれたのだ。
「いやぁ…、本当にこの店は良い店だなぁ〜と、つくずく思うよ……。他の店だったら話せないような話をママは真剣に聴いてくれるし、上っ面だけでなく親身になって苦言的な意見もちゃんと言ってくれる……。それに、ここに集まってくる人たちもみんな善い人間ばかりで、俺はホントに、この店を知って良かったって思うんだよね」と……。
経営者冥利に尽きる言葉ではないですか……。
やはりアタシは脱がせ屋であり、吐かせ屋であり、愚痴聴き屋が合っているんだろうなと思う。 人間が元気な時はアタシなんかの存在を忘れて他で楽しめばいいと思う。 元気な時ばかりではなく、その人が弱った時や痛んだ時にこそ寄り添える人間でありたいと思うのだ。 人の弱った姿を興味本位で探るのではなく、安心して吐きだせるような空間を作り、共感し、時にはアタシなりの意見をきいてもらい、その瞬間だけでも、気を楽にしてもらいたい。
やがてからくりマジックが解け、事務長がきて、その後じょーじんちゃんがきて、又その後に(Y)っちがきて、昨日は店を終えた。
人間が落ち込むと、這い上がるにはけっこうな時間が要るものだ。 しょせん、はいあがるには、自分が自分を納得し切れない限り、人が何を言おうが、どんなに思いを寄せようが無理なんだと思う。 だって人が落ち込む最大の原因や要因は自己嫌悪が最も多いからだ……。
ただ、張りつめた気持ちをいつまでも一人で持ち続ける事も辛すぎる……。 そんな時に、ふとドアを開けてくれ、アタシに訴えかけてくれたら嬉しいし、もしもその場が賑わっていたら、まざって少し一緒に楽しんで、それはそれで仕方ないと又の機会を狙ってほしい。
辛い時って、あまりに幸せそうな極楽トンボな人には何も話したくないものだと思う。 ありとあらゆる挫折や苦難を経験した人にしか、アタシだって本当の心の内は明かしたくないもの。 なのでアタシはけっこうな艱難辛苦を味わって来たつもりなので、そんな時こそ利用してほしいのだ。
2011年04月29日(金)
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