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■ (日記) アタシの日記が店ネタ、客ネタが多い理由(ワケ)
今のアタシの店は、昔やっていたエポックを辞めてからの11年、色々なパートを転々とし、路頭に迷っていた当時から書きはじめた貧乏赤裸々日記「マキュキュのからくり日記」の各地に散らばった愛読者たちや、地元の友人たちが【もう一度マキュキュに店を持たせるプロジェクト】を立ち上げてくれ、購読料としてカンパしてくれたお金で出来た店だと言う事は、かねてからのアタシの日記読者なら耳にタコ(目に目乞食かな?)が出来るほどご承知の話だと思う。
電車男ならぬ、電車婆さんを地で行ったという感じである。
店のオープンの時、松本まではなかなか出ては来られない他県の賛同者(株主)の為に、店の雰囲気や状況をできるだけ包み隠さず正直に表せる日記を書き、少しでも店に飲みに来ているような雰囲気を味わってもらいたい……という思いで、それからの日記を書きはじめた訳だ。
客の入り具合、どんなお客たちと、どんな会話をしながら、どんなふうに店が展開されて行ってるか・・・・・・。 そんな空気を他県の友人に少しでも知らせたい。と言う思惑である。
もちろん、お客さんの事を書くにあたり、「アタシは日記にお客ネタを良く書くのだけど、書いても良い?」と聞いている。 情連などはアタシが日記に客の事を書くのなど承知のすけなので、その日に書かれたら困る人は「今日はオフレコで頼むね」とウインクをしてくれる。 本名でも良いと言う人は本名で書いてるし、HNの人もイニシャルだけの人もいる。
元々アタシは物書き志望者だったので、最初は本を出版するために皆がカンパしてくれると言う話が持ち上がったのだ。 しかし本を製作するには自費出版だったり共同出版にしても、百万以上のお金が必要な訳で・・・・・・。 そんな金額をカンパしてもらっても本が売れなければ全ての善意が無駄になってしまう。 そう思い、もう一度小さくても良いから店を持ちたいと言う事で、急きょ店を持たせるプロジェクトに変わったわけだ。 それで60万ほどのお金が集まり、今の「からくり箱」が出来た。
なので、日記の内容が8割がた、店の事になっている。
もちろんお客様の事を書くので、その本人や仲間 が読んで気を悪くしたり、凹んだりするようなことは極力書かないように気をつけてはいる。 あくたれを書いても、こきおろしても、読んだ超本人がクスリと笑えるような日記を書いているつもりだ。
でも、時々深刻な問題や悩みを抱えた人なども店には来る訳で・・・・・・。 そんな相談を受けたり、悩みを聴いたりしている内、これは日記に書いてあげたいな…と感じる事も有る。 そんな時も「今日の事、アタシの日記に書いても良い? もちろんイニシャルでだけど」と了解は得ている。
昨日も常連に連れられ一人のそんな客が来た。
家庭の崩壊から(未婚の男性で4人家族)アルコール依存になりかけ、もう世捨て人になりかけている青年だった。 何もかもに失望し、絶望し、「このまま死んでもいい」と言うほど、自暴自棄に酒を飲んでる日々を過ごしていると言う。 聞いてみれば優しくて人が善いがために両親や兄までが彼のお金を頼り切り(両親も兄も今現在無職)、このままあの家にいたのでは事件をも起こしかねないと言うような深刻な内容だった。
でもまだまだ彼は若い。 そして根津甚八似のちょっと魅力も有る青年だ。 少年時代はやんちゃで結構なワルだったらしいが、中学を卒業後、働き始め、かなりの貯金を残したらしい。 それだけ貯金が出来るほどの仕事の腕も技術も持っている青年だ。 腐った自堕落で排他的な人生を歩むには、あまりに惜し過ぎる。 なので貯金がまだまだあるようなので、家族に食いつぶされないうちに環境を変えて独り立ちするよう助言した。 最初は押し黙ったように無口で、いぶかしげな彼だったが、徐々に心を開いてきて、その内には笑顔もジョークもこぼれ始めた。
「此処のママは歌がとても上手なのよ」と連れに言われ「歌ったら?」と彼にうながしたら、彼は歌は苦手だが、聞くのは好きと言うので、彼のリクエストである尾崎豊の「I LOVE YOU]を歌ってあげたらもの凄く感動してくれた。
そしたら「マイウエイ」も歌ってくださいと言うので、それも歌ったら、やはり深く感動してくれたみたいだ。
きっと父親か何かが歌っていたのだろう……。 彼がまだまだ幸せだった時代に・・・・・・。
彼を連れてきた常連には、金子由香里の「再会」をリクエストされ、それも歌った。
なんてまとまりのないバラバラなリクエストなんだ・・・・・・・・(汗)
でも、店を出る時「又来ても良いですか?」と、ちょっとはにかんだような笑いを残して行った彼が嬉しかった。 「いいわよ、その代わり酒癖が悪かったり人に絡んだりしたら、アタシは平気でどんな客でも直ぐにツマミ出すからね」と言ったら、声を出して笑っていた。
彼には何とか人の温かさみたいなものを思い出してもらって、希望を持ってこの先の道を歩んで行って欲しいなぁ……。
2011年10月14日(金)
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