ゆれるゆれる
てんのー



 傘をさす 傘をささない、 蛇を踏んだ

 どうしてあの人たちは傘をささないんだろう。こだわりがあるのかな。
 と純粋に不思議だった。
 今、少しの雨に我慢して屋根のあるところに入ると、頭の上を叩く音の激しさにはじめて、少しの雨ではなかったことに気付く。
 いつのまにか、傘をささないほうの人種に属してしまったようだ。

 やっぱり雨は嫌いだ、と、ある人は言う。
 俺は俺で、どんどん雨が好きになっていく。
 質感を増す世界。奥行きが強調されゆく、見慣れた両手の周りの空間。

 意味ありげに見えてくる世界を、知ったような顔をして受けとめた気でいるのは、ひょっとしたら傲慢なことかもしれない。
 雨が嫌い、ときっぱり言える人は、俺と違う見方で世界をつかもうとしているんだろう。

 ・・・山登りの途中の雨でなければね。

2003年07月04日(金)
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