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■ おまえはなぜ、羊を飼っているのかね。
ものすごいスピードで7月が過ぎ去っていった。
「人はいつでも、変わることができる。」 どんな言葉も、テレビで聞くとそれだけでふわふわしてしまう。 同じところで足踏みしているだけのように思っても、流されているというからね。
『アルケミスト』の中で、生地屋の娘と結婚するのも悪くないなと考えて宝さがしをやめかけた少年に、王様が話しかけるところがある。
少年が座っている通りの角にパン屋がある。パン屋は子どものころ、知らない世界を旅したいという夢をもっていた。それで、まず金を貯めようと考えて、パン屋をはじめた。歳月は流れ、今ではそのパン屋の男は、年をとってから1ヶ月ほどアフリカで過ごす計画を楽しみに抱えている。
「人は、自分の夢見ていることをいつでも実行できることに、あの男は気がついていないのだよ」
俺はパン屋の男だ、と読むたびに思う。 いや、このパン屋はそう指摘されたら、その日のうちに旅立つかもしれない。 その言葉を聞いても立ち止まっている俺は、パン屋ほども気のつかない奴なんだろう。
2003年07月28日(月)
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