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るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子の日録【オリーブの森で語りあう】
るり子



 ここは彼と過ごす街だから

かつて

互いに恋し 求め合い

万障繰り合わせ 会おうとした

かつての恋人は、

すっかり普通の友達と化していて、

ときめきは 微塵も残っていない。







それでも、

年に数回 どちらからともなく

会おうといいだす

そのこころは、安心感や信頼感といったものだろうと思う。

相互に理解し合った過去だけが

おそらく私と 元彼を結びつけている。







心の通わない 新規の友達といるよりは

元彼 元カノと一緒にいるほうが

数段 楽しい会話が持てるのだろう。

しかし、ときめきの感じない異性と時を共に過ごす

ある種の空しさというか 徒労感は 何なのだろう。







たぶん、私に彼がいなければ

今夜の元彼とのデートも

もっと心弾むものになっているのだろうと思う。






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元彼とでかける二時間ほど前に

彼から電話が入った。

彼とは 話すべき別な話題が沢山あって、

それは 心弾む楽しい会話だった。

今夜の相手が

彼でない事が とても残念のような気すらした。






元彼は いつもと変わらぬ明るさで

夜の銀座からお台場をぬけ渋谷へと車を走らせる。










特に 渋谷に差し掛かるとき

私の胸が 小さく痛んだ。

私の中では

ここは、元彼とではなく

彼と過ごす街なのだから。



2008年12月12日(金)
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