スタンドから眺める木漏れ日
DiaryINDEX|past|will
2001年08月07日(火) |
ずっと家族だったきみへ |
思えばきみは、頭のいいヤツだった。
ホントにイヌなのかと疑うほど言葉をよく覚えていったし、自分の立場もいつの間にかわきまえていた。
わがままな面もあったけど、きみなりに気を使っていることもわかっていた。
一人が大嫌いだったから、古い木造の一軒家での一人暮らしは寂しかっただろう。
でも、住み慣れたあの家で最期を迎えられたから幸せだったのかな。
3日前、食欲がまったくなかったんだってね。
咳もずっと止まらなかったと父から聞いた。
次の日の朝一番で病院に連れて行こうと言っていたのに、まさかそれも間に合わないなんて思ってなかった。
でも、今まで本当によく頑張ったね。
きっと、きみをずっと見てきた神様がこれ以上苦しまないようにしてくれたんだ。
だから、これでよかったのかもしれないね。
今日、父と二人できみのお墓を作った。
きみが暮らしていたあの家も、背伸びして窓から見ていた庭も、
その向こうにある私たちの家もすべて見渡せる場所に。
父も私も手にマメを作り、筋肉痛になってしまった。
ホント、最期まで世話かけてくれちゃって。
きみがベッドの柵につかまり立ちをして出迎えてくれたり、
話す相手の顔を見て小首をかしげたりする仕草がとても可愛かった。
今でも書きながら涙がこぼれそうになって仕方がない。
だけど、この悲しみはきっと笑顔の素になるはずだ。
きみに出会えて本当によかった。
一緒に過ごした楽しい時間が、今はとても愛おしい。
先にいっているおじいちゃんによろしく言っておいて。
たまには2人そろって夢に出ておいでよ。
|