スタンドから眺める木漏れ日
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悲しみという感情は、不意をついて突然やってくるものらしい。 食事の合間、勉強の合間、仕事の合間・・・いつもと変わらぬ日常の隙間に いつもとちょっとだけ違う気持ちが入り込んでは覆い尽くしてしまう。 顔を合わせたこともない彼を失うということに、これほどの痛みをともなうとは 思っていなかった。いや、失うということ自体を想定していなかった。 人が生きていく事は、決して当たり前のことではないはずだったのに。
この前の日記タイトルには「翼が生えた」という言葉を使ったが、 明日という未来に向かって羽ばたいていたはずだったのが 突然ポッキリ折れてしまったと考えられなくもない。 本当なら、これからなのに。最善を尽くしたとは言い難い状況の中で 彼は生命を輝かせることができなくなってしまった。 そんな無念な思いの中、仕事を終えて帰る途中で空を見上げた。
今日は星が少なかった。私が見つけられたのは、目の前のたった一つだけ。 でも、何だか胸を張り、誇りをもっているように強く輝いているように感じた。 ・・・そうか、この星がそうなのか。 地上で輝くことができなくても、空から光を放つことはできるんだ。 この空は、何処までも続いている。あの星も国境を越えて見えるはずだ。
まだまだ、心に残る痛みは消え去っていない。 しかし、その痛みを感じている今だからこそ取り組めることがある。 彼のために折ることのできなかった千羽鶴。 その代わりに、小さな小さな風船を1つ1つ折り始めた。
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