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2002年02月23日(土) Baby
もう忘れちゃうくらい昔、半同棲してた男の部屋で、わざとらしく置いてあるノートを見た。
そこには、別れた人への思いと、一番愛してる女を"baby"と呼ぶというような詩が綴ってあった。
彼はずっと、あたしに好きとは言わなかった。あたしを相棒と呼んだ。一緒にはなりたくないと言った。
たいして幸せじゃないと言った。カギはくれなかった。何度ももう止めようと言った。あたしは聞かなかった。
そして4年位経ち、あたしの中で何かが変わり、あたしは離れる事を告げた。
彼は泣いた。あたしも泣いた。彼の口からはじめて"愛してる"が放たれた。"入籍"まで飛び出した。
なのにあたしの心は動かなかった。たいして嬉しくもなかった。
その言葉が欲しかったんじゃないのか。自分でも分からなかった。

離ればなれになりしばらく経ち、彼からの長く優しい手紙が届く。
その手紙の最後は、"最愛なるbabyへ"で結ばれている。
涙が止まらない。達成感のような、脱力感のような、虚無感のような、なんとも言えない気持ちがあたしを襲う。
"baby"それが欲しかったんだよ。それが聞きたくてあたしは、4年間そこにいたんだ。
あと少し、もう少し早く聞けてたら、あたしの名字は違っただろう。
幸せになった人よ、きっと最後までタイミングが合わないように、あたし達の縁は決まってたんだね。


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