声の音

2002年06月04日(火) 言葉にしなければ

今日は一日中胃痛、腹痛、頭痛の
三点セットに苦しめられた。

胃痛も腹痛も頭痛も
旧知の間柄のようなもので
あぁ、またか、というくらい
頻繁だが、三つセットで来られると
やはりちょっと辛い。
それでも、食後に「鮎のさ○やき」
…神様が罰をあてそう。

昨日の夜、ずっと家の玄関で飼っていた
(半)野良猫が死んだ。
野良と言っても、
餌を食べて、庭でひなたぼっこして
仕事から帰ると、足下にすり寄ってくるような。

ずっといる母猫から
何匹も生まれて
死ぬかどこかに行くか。
この頃は母猫と死んだ子猫の二匹だった。
すごい可愛くて、可愛くて。
茶色の目が大きくて
野良だと思えないくらい可愛かった。
人なつこくて、玄関の中にまで入り込んで、
気が向くと家に上がり込んで
廊下を走ったりするような。
頭を撫でられると、気持ちよさそうに目を細める猫。

兄猫も持っていた病気だったみたい。
このところ元気がないと思ってたら、
昨日、叔母が泣いていた。
私は信じられなくて
涙が出なかった。
だって私が見たときはいつも元気だったから。

今日、仕事から帰ったら
母猫がひなたぼっこ(夕涼み?)をしていた。
門を開けて入ると鳴いて近寄ってきた。
しゃがんで頭を撫でると
気持ちよさそうに足下に座り込んだ。

「一人になっちゃったねぇ」
と言ったら、涙が出た。

もういないんだ。
一応野良なのに人懐こくて
結構大きくて、大きな茶色い目で
低くて可愛くない声で、可愛く鳴く猫は
もう帰ってこないんだ。
自転車のカゴにまん丸になって寝てたりしないんだ。

死んだ猫よりずっと細くて小さい
母猫の足を撫でながら泣いた。
言わなきゃよかった。
「一人になったね」なんて。
言わなければきっと泣かなかったのに。

母猫は、今日から一人で寝ている。


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水井ちな [MAIL]