気分刊日記

2007年02月17日(土) それはどうよ?

今日もはよから新宿武蔵野館で『僕は妹に恋をする』の朝一の回を観た。容姿の不自由なマネージャーは遅番担当らしくさすがいなかったけど、案の定映画の客層は松潤目当ての中高生位の娘さんばかり。予告編で「さくらん」とか流せば結構効果有りそうだけど、劇場も同じでジャニーズつながりの「しゃべれども」が流れた程度かな。

で、昼頃終わって途中で靴屋とか見つつ、先週、新宿東映跡地にオープンした丸井CITY2の上に出来た“バルト9”にて、『どろろ』を鑑賞。劇場自体は普通だと思うんだけど、客動線とか機能性はある程度こういう所に来慣れている、OLやサラリーマン向けかな。あまりファミリー層を意識しているとは思えない造り。(シネコンとしてちょっと致命的?)

あと、売りは隣に建つ都立新宿高校が教室から何から一望できてしまう所。距離といい高さといい絶妙の間隔で、教室の中も幾分見えるし(実際今日も授業が有ったようで家庭科の授業らしきものが見えた。)、狭い都心高校らしい屋上プールも丸見え。もちろん都立なので共学ですから、夏場には女子高生の水着姿が丸見えな訳ですよ。これ問題になるんじゃない・・・?

 僕は妹に恋をする
 試写会に当たったのだが、祖母の葬式が有ったので行けなかったんだよね。まあ小松彩夏観に行った様なもんなのだけど、金出しても観たいレベルだったかっていうとそうでも無かったなぁ。コマッちゃんの出血大サービスはあったけど・・・。

だいたいさぁ、開始30分で禁断も何も無くなっちゃってるんだけど絡みがその程度かよ!?まあ、未成年相手じゃしょうがなけど「東京タワー」位はやっておくれよ!せっかく美男美女使ってるんだから。それに学園ドラマシーンも有るのに主要キャスト4人以外全編通して殆ど他の人が見えてこない。で、後半1時間半くらいは「禁を犯した二人の秘密の関係が何時バレるか!?」ってな緊張はほぼなく、普通の恋愛四角関係ですよ。

ってかコマッちゃんの体を張ったかませ犬も劇場の腐女子にはあまり効果も無く、平岡君に至っては実は松潤の事が好きって、ホモかよ!キラキラと輝くフェロモン全快のエロい高校生松潤が、全くセックスアピール無い中“途半端なメルモちゃん”榮倉と関係は兄妹でこそあれ、双子には見えないしましてや男と女に見えない、現実感の無い小芝居をタラタラと続けていると言う殆どイメージビデオですよ。

観ている途中で、松潤がどうしても高校生には見えなくて、屋上でまどろんでいる所なんか昼休みのサラリーマンに見えたりしたのも致命的かも、親友役の平岡君も同じ。あと浅野ゆう子って何やっても同じ演技だよな。あと、榮倉奈々がどこなく山崎邦正の素の顔に似ていると思ったのは私だけかな。

監督のインタビューを読んだら、彼自身がやろうとしていた事[大切なのは、兄弟の関係ではなく感情と感情の関係 ふたりの「好きだ」と言う感情を「裸のまま」見せていきたかった](パンフ引用)は十分に理解できるし納得できる。画の雰囲気も「blue」観たいなドライな感じと淡い恋愛映画のファンタジーな感じは出ていたと思う。でも、必ずしも監督の思い通り客が観てくれるとは限らないし、原作ものと言う事ではなおさらなんだと言うのが、作品を観てからパンフを見た実感かな。(後から考えると宣伝は原作の知名度で売ると言う柱は有れども、監督の意をいくらかくんでいた様にも思う。)

あと、"禁断の愛”と言う原作の縛りは外してみたけど“ジャニーズの看板俳優をキャスティング”という縛りはなかなかキツかったのかもしれな。まぁ、原作が原作であり役者が役者なので根本的にはCXの深夜にやっていた「演技者」のレベルをフィルムで撮りましたって程度になってしまうのは仕方ないか。

 どろろ
商業映画監督としての塩田明彦の手腕はやはり悪くはないと思う。今回は「害虫」「カナリヤ」なんかの塩田監督ではなく、「黄泉がえり」でも見せた雇われ商業監督の塩田監督。メッセージ性や自分のエゴは極力捨てて、与えられた素材(キャスト)と選択肢を使い予算の規模・時間・会社の指定するジャンルに合わせた娯楽映画を仕上げている(うぉ!それってスピルバーグに近いじゃん)。つまり、あくまで原作の設定だけもらって、テイストやメッセージやポリシーはいただいてませんと言う映画を作ったんだろうな。そして脚本がVシネ中心に腕を磨き三池との仕事が多かったりするNAKA雅MURAだったりするんで短時間で落ちを付けるってことでは問題無し。様は別ものの“東映”特撮映画としてみれば良い(本当は東宝&TBS)。

そう割り切れれば、個人的に、「デビルマン」や永井豪、「キャシャーン」ほど、手塚作品に思い入れは無いので、忸怩たる想いを抱く対象は無い。ジャパニーズ妖怪特撮アクションの新作だと思ってみれば良い。それでも、特撮のレベルは低いし、妻夫木君の演技はどの映画でも一本調子だと気付いた(「涙そうそう」と変わらんと思う)。

そんな中で、やたらと(説明)台詞が多く(婚前旅行に来て)テンションが高い柴咲コウだけはがんばってるなぁって思った。この域まで来ているのであれば、本人どう思っているか知らんが舞台とかやってみれば役者としてのステップをもう一つ上がれるのではないだろうか。BUT、彼女の事務所バーニングや水野美紀がいたスターダストなんかは収益性低い舞台に自分とこのタレントを出すのはいやがるっぽいんだよね。

あと、アクションはさすが程小東だなぁとは思ったけど、いつかどこかで使った様な型が多すぎじゃないかなぁと思ったり、雨の中で声が戻るシーン観て、これは「ヘレンケラー」ですか?(「ウぉ、ウォ、ウォーター」)と、「鋼の錬金術師」なんだとか、多分意図的にやっている所が多く有ったのはある意味“潔い”=“真面目に手塚作品の映像かですとは言わない”造りだと思う。


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