あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2003年01月31日(金) 接吻



あのひとの肌は
薄く石鹸の香りがするので
するりと腕から抜けていくその身体を
僕もあまり強く掴めないまま 引き止められず


横たわる
背にあるぬくもりを
夢うつつに確かめながら
まだ僕はあのひとの引出しを いくつも開けられずにいる


「鮮明な恋って何処にあるのでしょうね。」
時々思う
この恋はもどかしさで保たれている
あのひとの肌を
まさぐる この指にいつか
明らかな恋の形が
触れないかと
押し殺した息の下で考えている


まだ
鍵が 開かないのです
あのひとの手の中で握りしめられたまま
僕は閉め出されたまま 待ち続けているのです
あのひとの
肌に
触れながら僕は否応のない恋のことを考えており
あのひとはまだ いつか赦される日のことを考えている
あやふや な 恋だ


横たわりながら目を閉じた 唇に
あのひとのやわらかな皮膚が
下りてくる
この恋は
そのときにだけ
不意に 切ないほど鮮やかです




↑少しサミシイけど。
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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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