あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年04月09日(土) うつくしいひと



もうこの憎しみを捨てようかと思う。
指先が冷たいので。
悪寒がまたぶり返したかな、と警戒する。
少し咳が多くなった。
早く眠らなきゃ。

もうこの憎しみを捨てようかと思う。

嫉妬深い朝に
降り積もる雪のごとく


映画を見たの と話をしている。
こわかった
ぼろぼろ泣いたよ、
隣に寝るひとはやわらかく笑む。
左手が
そのひとの右手と 手首で
赤い紐で縛められているのを見る。
あぁ 結局
逃げられなかったんだ と
納得する。
外は朝だろうと 思う。
障子を透かし入る白い光の中で ただ
そのひとの瞳を見つめている。


 **

眠れぬ夜。
結局朝まで机のスタンドを付けたままうとうととまどろんで過ごした。
もうこの憎しみを殺そうかと思う。
明け方、鳥の声に
明るくなってきたカーテンの外に
机の灯りを消してベッドに戻った。
昏々と眠る。
恐ろしさとか、そんなものじゃないと思う。ただの、心臓の動悸。
秒針の音が不意に大きくなる、それは、僕の錯覚じゃないと分かっているけれど。


にくしみがいきをとめるのはどんなにうつくしかろう




↑詩人の。

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限りない憧れをもって見つめるガラスの目。


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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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