青の階

2004年07月14日(水) 静かな轟音(昨日みた夢)

電気の消えた高層ビルの黒い壁面に映るのは
空に向かって噴きあがる、橙色の太く深い炎。
ごおごおと火の粉を巻き上げながら勢いよく燃え上がっていた。
熱を受けて頬が熱く熱くなり、
あまりの温度で目の表面が乾いて見つめているのも辛かった。
痛くて涙が出そうだ。

立ちすくむわたしの足をかすめて空き缶が飛んでいった。
ゆるゆると熱風に髪が揺れる。
踏ん張っていないと強い力に体をどこかに持っていかれそうで
両足に力を入れなおさなきゃいけないと思うのに
根が張ったように動けない。
アスファルトの黒とビルの黒と夜空の黒とが混ざり合って
虹色に光っているように見えた。
きっと、黒の中には全部の色があるからだ。
ゆらゆらゆれる炎を見ていると
忘れそうになる。

とても静かだ。耳が痛い。

あの炎を作ったのは、そうだった。
わたしの汚れた右手だった。


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