ぼくと由香は、天王洲アイルのモスに入った。「お隣の大井競馬場にもモスあるんだよ」 由香はそう云うとオレンジジュースを飲みながら、お茶目にウインクしてみせた。 ぼくは、そのウインクの意味を計りかねて暫し沈黙。 店内には、薄く環境音楽がかかっている。 イーノとロバート・フリップの『ノー・プッシー・フッティング』をなぜか思い出していた。