それは、俺が生まれてこの方見たことがないほどの荘厳な眺めだった。凄すぎて腰が抜けちゃうほどだった。涙は、上に向かって流れていく。どこまでも堕ちてゆく、その刹那をおれは永遠に感じていた。いままで謎だったこと。理解できなかったこと。許せなかったこと。そのすべてが、そのときはっきりとわかった。そして、すべてを許せた。コンクリートにぶち当たる直前、俺はツバサを広げて天に向かって舞い上がった。