2003年03月28日(金)

■ ぼくが馬鹿で至らずダメだから

朝から散らついていた小雪が、
午後にはみぞれ混じりの雨に変わった。
雨など見るのは5ヶ月ぶりだ。

春の訪れとともに、
9ヶ月間親しんだこの町を、
ぼくは後にする。

実をいうと不安。ちょっと憂鬱。
すっかり自堕落が身についてしまったぼくが
再び家庭生活になじむためには、
相当の困難が待ち構えているはずなのだ。

そうなのだ。そうだったのだ。
うちのおかあさんは怒りんぼだったのだ。
家にいるとき、ぼくは叱られてばかりいたのだった。

いつまでも起きてごそごそしていると言っては怒られ、
洗濯物のたたみ方がおかしいと言っては怒られ、
ぐずぐずと風呂に入ろうとしないと言っては怒られ、
パソコンにばかり向かって生返事をするんじゃないと言っては怒られる。

これが結婚生活の真実だ。
今度生まれ変わってきたら、
男らしいさっぱりした性格の持ち主と結婚したいぞ、ぼくは。
見てくれとかでは絶対選ばん。

暗にウチの妻はきれいな人だと言ってますが。

そうとも。わかってるんだ、本当は。
彼女は可愛く、気立てのよいしっかり者で、
怒りんぼなんかでは全然ないのだ。
ただ、ぼくが馬鹿で至らずダメだから、
彼女をイライラさせてしまうのだ。

などとわかった風なことをいって気を取り直そうとしてみても、
ちょっぴり憂鬱であるのに変わりはない。
ブルー入ってるというやつ。

マリッジ・ブルー。
……ちょっとちがうな。
マタニティ・ブルー。
……全然ちがうし。

ま、とにかく、そんなブルー。


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