2003年04月15日(火)

■ そこが札幌でさえなければ

最後の北海道写真
ほとんどは引越し当日、
荷物を引き渡して駅に向かう道すがらに撮ったもの。

物珍しさのあまり、土地の人に訝しがられるほど
当たり前のものまで撮ってしまった日々の終り、
ターミナル駅まで車で送ってくれるというのを断って、
ひとりで最寄り駅まで歩いたのだった。

メインストリートからはすっかり雪が消えているのに対し、
その向こう側は地図にも記されていない駅は、
ご覧の通りの残雪に覆われたままでいた。
除雪が行われない場所は、3月末でもこうなのだ。

ところで、地図にも記されていない向こう側といえば、
あのあたりの駅はどこも似たようなものだった。

東口、西口、南口、北口。
そのすべてか、あるいは少なくともふたつが
駅にはあるものだという感覚でぼくはずっといたが、
雪深い留萌本線において、それは大きなまちがいだった。

どの駅も出入り口はひとつきり、
反対側は原野。
そうとも、原野。

それは北海道第2の都市、旭川でさえ例外ではない。
……なかったような気がかなりする(気弱)。
開けているのは駅の北側だけで、
そもそも北口以外が存在するのかどうか疑問だ。

改札前でなどと杜撰な約束をしてしまったために、
それぞれが東口と西口で
ずいぶん待ちぼうけを食ってしまった過去がぼくにはあるが、
北海道ではそんなことはきっとない(たぶん)。

改札とか緑の窓口とか銀の鈴とかハチ公とか言わずとも、
駅で待つといえば話は通じるし、必ず会える。
そこが札幌でさえなければ(おそらく)。


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