2004年03月29日(月)
品川のIMAXシアターまで「イノセンス」観に行ってしまった。
大画面で見た方がいいぐらい作り込まれてる映像と、どこかのサイトで読んで、まあ、あそこは空いてるしポップコーンもおいしいので(映画館において最も重要)。
音響がいいと違いますねー。どがががーん、という重低音が響く!スクリーンも広い。大迫力!しかも空いてて快適。いいねー、あの映画館。劇場で観るんならIMAXシアターがだんぜんおすすめだと思う。アクションシーンの迫力が違うね。特にオープニングと、犬と、あとルクス・ソルスの近くでお祭りのシーン。これは凄かった。
最もアニメーションだったのは犬。ぱちぱち爪が床に当たる音だとか、重さがある動き。なんか犬飼ってる気になった。この犬のために全編があるかのようだ。
大画面が仇になったといいますか、さすがにCGのアラが「見えて」しまう。最初の5分で予算を使い切ったのではないか疑惑も浮かんでくるし、これはぐったりしながらノートPC抱えて見た方がしっくりくるかもしれない。
他にもっと言うべきことがあるような気もするが。ああ、映画の感想だ。えーと、お人形さんがきれいでした。内容は、あのべルレーヌの人形に尽きるだろう。写真でしか見た事ないけど、丸い腹が恐ろしく魅力的な。
いろいろ前評判を読んで、いろいろ高尚なことを考えないといけないのかと身構えてしまった。んでも、「使い古された感傷」とでも呼ぶ方がぴったりくるようなメロドラマなんぢゃないかと。意味ありげな言葉の羅列はP.K.ディックの最晩期のやつ、えーと、『聖なる侵入』ともひとつの、あんな感じを連想した。「なんかそんなような感じ」の積み重ね。
テンションが低いのは、主人公がおっさんである必然性をあんまり感じなかったから。心根がおっさんであるかどうかはともかく、別にサイボーグならあの見かけにこだわる必要ないじゃん。もちょっとマシなのにしようとか思わなかったんだろうか。設定する側がぢゃなくて、本人。オリジナルに近づける細工のほうがコスト高くなりそうだし。体積が大きくなれば仕込める装置も大きくなるから体格が良くなるのは、まあ納得してもいいけど、維持費かかりそうだし。姿形はあれじゃなくてもいいんではないかと、大きく疑問を持ってしまう設定だけに、なんだかなー。となると、性別もおっさんである必然性があんまり説得力がない。肉体を容器だというなら、従前からの容器に似せた形のものに納める必然性がどこにあるのか。
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