2003年09月15日(月) |
○阪神3−2広島 阪神甲子園球場 ☆リーグ制覇☆ |
名古屋のホテルを10時過ぎに出て、新幹線で新大阪へ。 世界柔道等のイベントも行われていたからか、コインロッカーの空きが全くない。 仕方なく、泊まりの荷物をそのまま抱えて、甲子園に入った。
球場の雰囲気は、いつもと全く違っていた。 何と表現したらいいのだろう。。 殺気立っているとも違うし、かと言って胴上げ寸前で浮かれている様子でもない。 敢えて言うならば、色んな思いが錯綜しているという状態か。。 甲子園に帰還する事を待っていた者、神宮〜名古屋の遠征に帯同した者。 色んな状況下の人が、同じ空間に居る。
スタンドの雰囲気と言えば、人口密度が異様に高いという感じがした。 中虎連合会が陣取る辺りは、特に顕著だ。 応援団員が全員集合しているのだろう。 思えばナゴヤドームでもそうだった。 いつもの中虎組に加えて、黄色ジャージの人も大勢来ていた。 中堅寄りに黄色、左中間に法被組が構えていた。
何かしら重い雰囲気でゲームが始まる。 神宮〜名古屋と同じで、重い十字架を背負っている感じがした。 そして先制される。。 フォーク(ライトからはそう見えた)に泳ぎながら、左翼席に放り込まれた。 何か嫌な形だと思った。 ガツ〜ンといかれた方が、まだ切り替えられるのではないだろうか。 重い試合で、重い点の取られ方。 晴れない気持ちは、沖原の適時打の後も続いていた。
今日は何故か酔えなかった。 嫌な雰囲気を自分の身体から一掃する為に、ビールを飲み続けたが、一向に酔えない。 疲労がピークに達した終盤、片岡の同点弾が飛び出した。 このまま負けていたら、倒れていたかもしれない。 大袈裟に思うかもしれないが、本当にそう思った。 私は神宮〜名古屋で4試合しか観ていない。 6試合全て観て、かつ甲子園で徹夜して入場している者もいる。 そんな人からすると、ホテルで寝ている私は甘い等と言われそうだが、、 疲れは肉体的にも精神的にも限界間近だったのだ。 それが、この本塁打で救われた気がした。
そしてクライマックスへ。 この辺りからムードが一変した。 ヤクルトが大逆転されているという朗報も届いていた。 サヨナラで勝利を収めた瞬間から、お祭りムードに包まれた。 横スタのゲームを観て待つ時間は、イベントのようだった。 2時間ぐらいかかったのだろうか、、、細かい事は覚えていないが、 バックスクリーン裏で、じっとその瞬間を待った。 そこからレフト自由席側に入った通路の方では、延々と寝ている人もいたが、ほとんどの人が笑顔で待っていた。
胴上げまであと数分というタイミングで、一斉に起きたウェーブは、ベンチ前の選手達との一体感を感じた。 甲子園で夢のお祭り・・・何気に歌われてる詞が、この時現実のものとなった。 私は心が狭いので、チケットを全て確保した遠征で決めて欲しい等と思っていたが、この光景を見て、甲子園で本当によかったなと感じた。
その瞬間は、、、頭が真っ白になった。 万感胸にせまるとは、この事か。。 絶対泣くと思っていたけど、不思議と涙は出なかった。 待ち望んでいた星野仙一の胴上げを、静かに見守った。 それよりも感動したのは、ペナントを持っての場内一周だ。 唯一ライトスタンドに選手が近づく瞬間。 先頭の檜山でも今岡でもなく、そのペナントをずっと見ていた。 来季はあの旗が甲子園のポールに翻るのだ。 (出来ればもうひとつのペナントの方がいいんだけど・・) そう思うとやっと感動の淵に辿り着けた。 2003年9月15日・・・この日を一生忘れない。
|