「大体」と彼女は言った。
「可笑しいのよ、あんたたちのそのヘタクソな芝居!三文芝居がいいところ、っていうか三文にもなりゃしないわ、あんなの。一銭の得にもならないの。わかる?一銭の!得にも!ならないの!!…っていうか、むしろ私達には損でしかないのよ。別に、別にいいのよ?出来たなら出来たで。ラブラブしたいってんならそうすればいいんだってば。いちゃいちゃ〜ってしてなさいよ(笑)ただね、ちょっと聞いてちょうだい。耳の中よーく掃除して、そのこうるさい口チャックで結んで、じっとして聞いてちょうだい。いい?言うわよ?一言だけ、一言だけ聞いてくれればいいの。ついでに言うと、それを心ん中刻み付けておいて欲しいの。いい?言っちゃうわよ?きちっと聞いて、きちっとしてちょうだいよ?“俺は前の責任者とは違う”ですって?そう豪語するくらいなら、しっかり対応してくれるんでしょうね?えぇ?聞いてるの?白い顔して何ぼんやりしてんのよ!聞けって言ってんの!聞きなさいよ!ちょっと、あんた聞いてるの?何度も言わせんじゃないわよ!
──…公私混合するんじゃないっつうの!!!!」
彼女の部屋の壁が最後にくらったのは、 やわらかい枕の体当たりだった。
---------------------------------------------------------- 寝酒に愚痴はつきものです。 ってお話。
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