妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2003年10月29日(水) 『老人と海』(小)

今週は読書週間なんだそうです。
万年読書週間で月間で年間な人間にはどうでもいいことですな。
読みたきゃいつだって読めばいいと思いますよ。
読みたくなきゃ読まないでいいし。
私は「読書推進」というのが好きじゃないです。
「本を読むといいことあるよ」とか「ためになるよ」とかそういうのが嫌いです。
何かのために読んでいるなんて、思ってもらいたくない。そんなのはちっとも高尚じゃないし、そもそも読書はそんなに高尚な行為でもない。
だから本を読まない人を蔑む読書家も嫌いです。
だってさ、本を読んでいたって私はこんな人間ですよ。
大した行為じゃないんですよ。好きなだけでやってることなんだから。

+++++++++
【ヘミングウェイ 新潮文庫】

前置きが久しぶりに長くなりました。つまらないことを失礼。
先日、「鉄腕DASH」でカジキマグロ釣を見ていたら、これを読みたくなりました。

面白かったですね。
久しぶりに小説の面白味ってものを味わった気がします。
とてもストイックで誇りに満ちたお話。
サンチャゴと少年のやり取りがとても好きでした。

上手い感想がないので、好きな文を

まあ、太陽や月や星を殺さなくてもいいというのは、なんといってもありがたいことさ。

「けれど、人間は負けるように造られてはいないんだ」
「そりゃ、人間は殺されるかもしれない、けれど負けはしないんだぞ」


映画も有名だったと思うのですが、どうなんでしょうか。
観てみたいです。

解説もなかなか興味深く。


2003年10月28日(火) 『先生!20』『蒼天航路29』『蟲師4』(漫)

【河原和音 集英社マーガレットコミックス】

これを読むとほっとするんですよ。
自分にも少女漫画を読んでときめく部分が残っているのだ!と。
それも今回で最終巻です。
ほろりと泣かせ、いい終わりでした。
もう、先生かっこいいんだもの。
読みながら照れていたというのはここだけの話です。
結婚て、結婚って・・・・!くぅ。
切実に言われたいと思ったのも秘密です。
にしても
「俺はまたちゃんとプロポーズするから 何回でも」
すいません。もう一回で充分です。

響ちゃんもちいちゃんも美人になったなぁと思います。
よい漫画でした。

番外編の先生も素敵。現在180センチもあったんですね!
中学生の先生は可愛かったです。

+++++++++++
【王欣太 講談社モーニングコミックス】

泣いた。
今までで一番泣いたかも。
荀��がとうとう。
ああ、歴史ものの辛い所です。
けれど、曹操との関係を最後まで変わらず描いてくれてよかった。
史実がどうであれ、やはりこの二人は信頼しあっててほしいです。

涙にくれながら先を読む。
やはり簡雍を描きますか。こういうキャラ好きそうだな、と。私も好きです。
そして簡雍と劉備が話しているところへ・・・
「その大声でその話 ありえん!」
!!
ありえん!確かに!!!
鳳雛殿がありえない!!
だって、美形!?
いえいえ、この方も好きですが、でもええっ!?
いやはや。ありがとう。王欣太先生。そしてあっという間にさようなら・・・。仕方ないよね・・・。

久々に孔明登場。それも凄い話ですが。
いなきゃいないで、何をやっているのかがとても気になる蒼天孔明。
久しぶりの孔明はとても見た目普通になって戻ってきました。が、やはりどこかアヤシイ。何かとても気になる。

さて、蒼天人の死に様をこの先どう描いて行くのか。楽しみにしてます。
次は……ですかねぇ。悲しいなぁ。

++++++++++
【漆原友紀 講談社アフタヌーンコミックス】

今回は「春と嘯く」と「草を踏む音」が好きでした。
雪に閉ざされていると、まがいものの春でよいから来いと思います。
これから長い長い冬ですよ…。ああ。

おまけ漫画の昔の話もいつも大好きです。


2003年10月26日(日) 『ダレン・シャン9−夜明けの覇者−』(小)

【作:DarrenShan 訳:橋本恵 小学館】

あぁ…

あ、未読の方は以下、読まないで下さいね。

前回、誰か死ぬかもしれないなぁと書きましたが、正直バーチャ元帥あたりかと思ってました。
バーチャ元帥だったらいいとかいうわけではないですよ。
好きです。
しかし、まさかクレプスリーが死んでしまうとは。
しかもこんな最悪の形で。
どうして手を離してしまったんだい。クレプ・・・。
道連れにしてやればよかったんだ。

そして、大方の人の予想通り、バンパニーズ大王の正体がばらされました。
こいつしかいないんですけどね。
驚きはしないですが、こういう流れでばらしてくるとは。
まさに最悪のタイミングです。
Darren氏はやりますなぁ。

これから先、ずっとクレプスリーがいないのかと思うと、哀しいです。
飛び降りたくらいで足をくじくなよ、とつっこもうと思っていたのに。
落ちた瞬間のダレン少年の空想に一瞬騙されました。
このタイミングでそんなシーンを挿入してくるか。

このシリーズに出てくる女性陣は本当に強いですね。
デビーにしろアリス警部にしろ、バンパイアに引けを取りません。
デビーはこれからどうするんでしょうか。

クレプ不在のダレンの旅が今後どうなって行くのか、ますます気になっていきます。

どうでもいいことですが、児童書はどうしてこんなに高いのか。
ハードカバーにしなくともよいじゃないか、と。
子どもにとってハードカバーの方が読み易いんだろうか。
んー。自分の子どもの頃は、なんでもよかったかな。字が大きい方が取っ付き易いというのはあるけれど。
場所を取るので困るのです。

ついでに、折込の新聞みたいなもの。
ファンの子たちはもっと描写を正確に読み取った方がよいですぞ。
みんな結構酷い有様でうろついてるんだから。夢を壊して悪いですが。


2003年10月23日(木) 『巷説百物語』(小)

【京極夏彦 角川文庫】

これ、講談社じゃないのか。

みんな言ってそうなんですが、京極流の仕事人、あれ仕置き人?みたいな話です。
これもまた、京極堂シリーズと同じで妖怪が出てくるわけでも幽霊が出るわけでもない。
きわめて現実的。
怪談ではないです。

「小豆洗い」
小屋に集まった面々が雨宿りの暇つぶしに百物語を始める、って古典的なシュチュエーションがよいです。
最初の話だから何がどうなるのか最後までわからず、上手く仕込まれたことだと知る段になって、鮮やかさを感じます。

「白主蔵」
おぎん姉さんが素敵なのです。
京極夏彦の書く女性の話し言葉が好きです。
前回巻き込まれた、百介が今回もお手伝いに借り出されてます。この後、全部に出てくるんですがね。
この話が一番すきかな。

「舞首」
全く事情がわからない百介に毎回ほっとします。私もだよ、と。
理解力が乏しいのかしら…

「芝右衛門狸」
おじいちゃんと狸の話、嘘だとはわかっているのですが好きでした。
なんだかいいですね。このおじいちゃん。
京極氏の書く、じい様も好きです。

「塩の長司」
いまいちな感じでした。
からくりが簡単すぎたのかな。

「柳女」
だんだん話しがシンプルになっていっているように思いますが。
全体的にあの男は狂ってしまっていたんだよ、というネタが多すぎるような気がしますよ。

「帷子辻」
死んだ女が徐々に朽ちる様を描いた絵巻って、私はどこか別の小説でも見たのですがどこだっただろう。
それがひたすら気になって気になって…。
おぎん姉さんが出てませんでした。少し寂しい。
又一ってのは、京極堂の憑き物落としの反対のことをするわけですが、その手法は落としと同じなのが面白いです。

解説大塚英志は相変わらず理屈っぽい。どうにかならんかね。


2003年10月22日(水) 『ぱじ7』『ゴッド・チャイルド7』『花ざかりの君たちへ21』(漫)

【村上たかし 集英社ヤングジャンプ】

ももちゃんが、小学生になりました!
なんでこんなに成長が嬉しいのか。
そして嬉しい反面悲しかったり切なかったり。
ぱじ、長生きしてー。

今回も泣いて泣いて笑って、という感じでした。
少しずつぱじの手を離れていくももちゃん。
ぱじと一緒に寂しくなってしまいました。

ももちゃんの小学校も良いところでよかった。
ガンコ親父の作る給食、「妖精達のポテトパーティ」が食べてみたい。

ぱじと伊達さんの修理屋にうちのパソコンを持っていきたいです。

成長するにつれノリくんが少しだけ心配になってきました・・・。こういう子いたけれどな。最近はいないみたいだ。

++++++++
【由貴香織里 白泉社花とゆめコミックス】

次で最終巻だそうで。
ついにここまで。
リフとカインはどうなるんかねーと思いつつ、最終巻を待ちます。

終わっちまうのかぁ…。

+++++++++
【中条比紗也 白泉社花とゆめコミックス】

終われって!
ついに二人がくっつきました。
どうとでもなりやがれ!

この頃、萱島君が好きです。


2003年10月20日(月) 『姑獲鳥の夏』(小)

【京極夏彦 講談社】

再読です。
ハードカバー版を買う気は無かったのですが、応募者全員サービスで豆本が当たると言うので買いました。
中身は加筆修正された文庫版と同じようなので、まあいいかと思いまして。
私が読んだのはノベルス版です。
豆本はまだ届いてませんが届いた人はいるのかしら?

京極夏彦の職人仕事、ということで中身は読みやすいフォントです。
外側は黒。そして黄色いタイトル。
そして背の反対側、ページの部分に子どもを抱いた姑獲鳥が印刷されてなんともおどろおどろしいです。
古くなったら見えなくなるような気がして心配です。

初めて一段組みの京極堂を読みましたが、二段よりも読みやすいかも。

どこがどう加筆されたのかはさっぱりわかりません。なにしろ大分前に読んだので。
むしろ減っている・・・ような気がするのですが気のせいですか。

このシリーズの原点はやっぱりこれなんだなぁと思います。
脳の話は今後のシリーズでも基盤となっている、のではないでしょうか。
名前を付ける、という行為の重要性。
京極堂の憑き物落としはそこに名前を付けるところから始まるんだな、と改めて実感。

最初の頃の京極堂は結構口が悪い。
そういや恐山出身だったということを思い出し、妙に可笑しかった。
「僕は高いよ」のセリフに、あんたは高級娼婦か、と思ったり。思った後に、うへぇっとなりました。さすがに気持ち悪い想像だ。
鳥口君はまだ出てなかったっけ。そうか。
榎さんは案外おとなしい。もっと暴れたような記憶が。記憶は曖昧だねぇ。

全部分った上でもう一度読むと、いろいろな伏線が見えて面白いです。

この後もハードカバーになって、豆本がついたらどうしよう、というのが目下の不安です。もうやめて。
それにこの厚さがハードカバーの限界っぽいですぞ。

関係ないですがこのシリーズを漫画化するなら今市子さんの絵で見たい。
セリフが長いので小説以外の媒体では無理、でしょうが。


2003年10月19日(日) 『百鬼夜行抄11』(漫)

【今市子 朝日ソノラマ】

サウンドトラックが出るそうな。
ドラマCDは聞くとむず痒いような、面映いような気がしてしまうが、音楽だけなら聴きたいかな。

「二つの箱」
律ちゃんは司ちゃんが好きなようで。
律は浮世離れしてるからそういうところが描かれていると、ほっとします。

「とぎれた蔓」
おじいちゃんの小説の話って、思えば出てこなかったですね。
あのおじいちゃんが書いたものなら、こんなことも起こるかもしれません。
学生な律をたまに見るのが好きです。
ちゃんと学校に行って、人間と話してるんだなぁ、と。

「小さい虫」
虫嫌いとしては怖いです。
『呪怨』を思い出しました。まだ見てないんですけれど。
尾黒尾白が珍しく役に立ってました。

「鬼の嫁取り」
じいちゃんの若かりし頃の話好きです。
だって、かっこいいから。
青嵐もなんだかかっこいいです。
赤間とのやり取りも毎度好きです。
こうして嫁と出会ったのか。
この二人のお話はまた読みたいです。

このシリーズのお化けや妖怪は確かに怖いのだけれど、なんとも親しみめいたものを感じます。
突き放す怖さも残酷さもない、時々温かみすら感じるホラー。
とても好きです。


2003年10月13日(月) 『花影彼方』(小)

【真堂樹 集英社コバルト文庫】

マクシミリアン、嫉妬に身を焦がす、編。
全然焦げてませんけれど。
マクシミリアンは嫉妬という感情すら楽しんでますね。波風立っていないときは死にそうに退屈しているだけあります。
町を納める気ゼロの主を頂いているわりに、白龍市は今日も平和。
飛の苦労が忍ばれます。

このシリーズ最大の疑問なのですが、クレイ・ハーパーはなんのためにいるのか?
ほんっとーに何もしない。何の役にも立たない、というならまだしも、なんの役目もない。
マクシミリアンの友人、というだけ。
なのに、いまだに屋敷に同居中。
これほど存在意義がわからないキャラははじめてかも。
正妻に対する愛人ですか?マクシミリアン。
その場合、愛人の方が同居していると言う不思議。
クレイのことは好きですよ。でもね、いっつもなんでいるのかが気になって気になって。

いやしかし、マクシミリアンの友人と言うだけで凄いのかもしれない。

身を固める前に未練たらたらの昔の女に会いに来た、みたいな雷英。どうしてもお前が忘れられない、てな感じで。
ラストのマクシミリアンと雷英の立会いは、『HERO』ばりのアクションを想像して読んでいたら可笑しくてなりませんでした。
でもBGMは「喧嘩を〜やめて〜♪」ですかね。
飛も苦労しますな。
そんな飛もついに諦めて、マクシミリアンと同居を決意したみたいです。そうかそうか〜。

私、千雲と李夫婦が好きなので、きびしーい千雲が素敵でした。
今度はこの二人メインの番外編を…。
もしくは、老冬眠と草朗ご夫婦でも。こちらは胡散臭くてよいです。

しかしですね、この島、美男ぞろいはよいですが、子孫絶えるぞ?
嫁をもらえよ、おまえたち、と思わずにはいられません。乙女の夢を壊して悪いですけれど。
龍たちも嫁をもらえって。
この島の人口が激減したりしないかが心配です。

このシリーズの限りなくボーイズラブよりでありながら、素知らぬ振りでノーマルを装っているバランス感覚が好きです。
また、上手いこと書いて〜真堂さんったら〜って感じで。
他のシリーズは向こう側に行っちゃってますからなぁ。
今の新シリーズはタイトルが弾けすぎじゃないかと、読んでないから何とも言いませんが。


2003年10月12日(日) 『東亰異聞3・4』(漫)

【原作:小野不由美 漫画:梶原にき 幻冬舎コミックス】

いやぁ、美しくてよかったです。
梶原さんの絵でよかった。
梶原にきと言うと、私は『キル・ゾーン』シリーズの挿絵しか知らないのですが、和風の絵もきれい。
私が読んでないだけで河童の話も描いているのですけれど。

小説で読んだ時もそうでしたが、回向の場面からラストまでは、驚きっぱなしで、その上桜闇が美しく好きです。
ミステリーとしても面白いと思います。まあ、反則だと言われるかもしれませんけれど、許容範囲かなと。

しかし改めて、常さんと直さん、見たことも無いようなブラコンだったな、と。
何か他に方法はなかったのか、と呆れるように思いますが、好きだからいいや。

あ、でもラストシーンの余韻は小説のほうがあったように思います。
この話が「東京」ではなく「東亰」であることの意味を知るラスト。

梶原にきの次のお仕事も楽しみにしてます(漫画読んでないけれど)


2003年10月11日(土) 『氷の魔物の物語外伝』(漫)

【杉浦志保 冬水社】

主人公皆無の外伝が出ました。
外伝とは言えイシュカがどこにもいないのにびっくり。

「カーイールの魔女」
若いじいちゃんが・・・!
いやいや、これじゃなんだかわからない。若かりし頃の僧正じいちゃんの話。
見事に面影無く。
かっこよいけれど、今のじいちゃんが好きです。

「百年舞台、人形劇」
まあ、そんなものだよね。ネイだから。
ブラッドもある意味、今の面影無く。こちらはどっちの方が良いとも言えず。

「死人ら、森にて」
まあ、そんなものだよね。ヴィルトだから。
ヴィルトとラプンテツェルの話は前にもありましたし。

最初の頃は侮ってましたが、杉浦さんは案外心理描写に説得力があります。
しかし次回作を読むかと言われると、ここでさようなら、ということになりますな。
お疲れ様でした。
また坊主を描かれる日が来るのを期待してます(次回作に坊主がいないから読まないわけではない)


2003年10月09日(木) 『<魔界刑事>凍らせ屋1』(小)

【菊地秀行 光文社文庫】

どうしたわけか読まないでいた「凍らせ屋」。
表紙が気に食わなかったのかもしれない。
だって、こんなの屍さんじゃない。
ドレッドじゃないし、花を散らしていると言っているのに花びらだし。
未弥氏の絵もそれほど好きではないが、イメージとしては正確だ。

タイトルの割に屍さん少なめ。
主人公だとばかり思ったけれど、主役は区外から赴任してきた鬼顔刑事。
こんな名前だけれど童顔。でも名前どおり凶暴。
なんだか鬱陶しいので、さっさと<新宿>と屍さんに慣れて、余計なことを聞かないでもらいたい。

そういや、絶世の美貌が出てこない菊地作品とはまた珍しい。

魔震って、マグニチュード8.5以上だったか。忘れてた。
この間の北海道の地震で、8。
魔震の凄さよりも前に、しみじみとこの間の地震が凄かったのだと実感します。怖い怖い。

舞台は魔界都市ですが、白い医師や黒い人捜し屋は出てきません。物足りないです。
代わりに、懐かしのガーレン・ヌーレンブルクが出てきてます。ちょっとだけ。
かの魔法使いが死んでから、高田馬場の登場率がぐっと下がった一連の魔界都市シリーズ。
妹では力不足なのか。

外谷さんは健在です。菊地氏としてははずせないのでしょう。

鬼顔刑事が慣れていないせいか、まだ<新宿>らしい描写が少ないように思います。
2巻は屍さんの活躍を楽しみにして・・・2巻見つかるかなぁ。
でも、魔界都市ブルースやら、メフィストに出てきている時と、ちょっとキャラが違うような…。
メフィストやせつらが超人すぎて、普通に見えてしまうのかも。それも凄い。

今回妙に目から鱗だった描写
まさか、十万ボルトの直撃を受けた公務員が、寝たまま拳銃をポイントしていようとは。

そうだよな。新宿と言えども、屍さんは刑事だから公務員なんだよな。
この人、筆記ちゃんと通ったんだろうか・・・。
公務員ほど新宿に馴染まない職業はないように思います。


2003年10月06日(月) 『卍』(小)

【谷崎潤一郎 新潮社文庫】

この話の題材は女性の同性愛なのですが、ほもばっかり読んでいる身としては、大した違和感も無く。
こうやって異常性(失礼を承知で)に慣れていくと、同性愛に対するタブー感も薄れ、さほど魅力的な題材じゃなくなるんじゃないかしら、と思う今日この頃。
だいたい、昨今のボーイズラブとやらは(お前はいくつだ)、タブー感ゼロですからなぁ。男同士じゃなくてもいいじゃないか、みたいな内容。
まあ、そんなのと谷崎を並べて話したら怒られるのでこの辺でやめておきまして・・・

悪女と言うと、谷崎には『痴人の愛』のナオミがいますが、この話の光子も相当なものです。
谷崎の小説に出てくる、こういった妖婦はどこまで本当のことを言っていて、どこまで嘘なのか、結局最後までわからない。
おそらく言っている本人にもわかっていないような演技をする。
情の深さが魅力と言う女性はさっぱり出てこないです。
奔放さと自己愛と美しさと嗜虐性。女の目から見るとなんだかなぁ、な女性が谷崎はお好きなようで。
しかし、谷崎の小説を読んでいると、本当に女好きなんだな、と思います。
好色と言う意味ではなく、崇拝に近い。

そういえば、今回足フェチな描写は見られず。園子の語りだからでしょうか。

谷崎の小説は推理小説めいた構成がまた好きです。
今回も、最初の方で夫と光子が故人であることが明かされます。
どうしてこの二人が死んで、園子が生きているのか。
私は夫と光子が実は出来ていて、二人で心中したのかと思ったのですが、半分当たり、ですね。
それにしても当時はこんなことが事件として新聞に載るんですか。今なら週刊誌ネタくらいでしょう。

最後の方の、園子、光子、夫の関係が怖くていいです。
凄い展開だぁ。
ところで綿貫は結局どうなったんでしょ。
谷崎の小説に出てくる男は本当にどいつもこいつも、駄目男です。愛せません。

『細雪』をもう一度真面目に読もうかな、と思い始めました。
授業用のテキストだったんですけど、流し読みでちゃんと読まなかったんですよ。


2003年10月05日(日) 『201号室の災厄』『天使な小生意気20』『BRONZE13』(漫)

【原作:有栖川有栖 漫画:麻々原絵里依 角川アスカコミックスDX】

今回は出るの早かったですねー。
火村先生単独の表紙。素敵です。ちょっと次の巻と対になっているのでは?と思わせるような表紙絵ですが、続いていないから無理かな。
手前のアリス(勝手に決定)は想像力でカバーしますか。

さて、帯「容疑者に監禁された火村!」ってなかなかときめくフレーズでしたが、あの事件のことですか。
監禁か?
ま、順を追って・・・

「わらう月」
私、この話しの希美がとても嫌いでして、話も好きになれなかったのですが、漫画だと小説より一人称が気になりませんね。
火村先生の「あなたの顔は左側がよりきれい」発言は、カット、ですか。残念。

「201号室の災厄」
これは今までで一番、漫画化に向いた話だったかもしれません。
先生のアクションも拝めますし。
しかし、小説の時よりもより、え、それで解決?と思っちゃいます。拍子抜けの解答。

「ブラジル蝶の謎」
正統なミステリーという話、トリックで私は好きです。
ひねりが無いと言えば無いんですが、ひねり過ぎられるとこれはこれで納得し難い。
も少し、幻想的な演出が欲しかったですが、それを麻々原絵里依に望んでも仕方ないですね(そういう作風ではない、という意味です)

おまけめいた漫画が、このシリーズの漫画化の楽しみです。火村とアリスの日常、おいしいです。
ところで、麻々原絵里依はこのシリーズの時、いつもより絵柄の線が太いと思うのですが。合わせているのかな。
次は何を漫画化してくれるのか楽しみです。ダリの繭希望、なのですが短編の方がやはりいいですね。

+++++++++
【西森博之 小学館サンデーコミックス】

完結しましたねー。
いいんじゃないですか。私は好きですよ。めぐちゃんは元々女の子なんじゃないかなーとは、薄々気がついてましたが、意表をついていていいと思います。
源蔵の唇、「奪っちゃった」なめぐちゃんがらしくてよいです。可愛いです。
小林クンと美木ちゃんはこの後、どうにかなるんでしょうか。少し気になります。

+++++++++
【尾崎南 集英社マーガレットコミックス】

終わりなのか?

続くかもしれないし続かないかもしれない。
こういう風にしか締めようがない、とは思います。
完結しないと思っていたので、終わりらしきものを提示されただけでも驚きですよ。
そして、続きが出ても驚きませんよ。

この漫画とは長いお付き合いで、思い入れもあるのでなんとも感慨ひとしおです。
ですから良いも悪いもありません。


2003年10月03日(金) 『<魔震>戦線 魔界都市ブルース』(小)

この頃、間が空いてます。今年の残りは本屋に行かず積読を片付けたいと、思うだけ思ってます・・・。

【菊地秀行 祥伝社文庫】

菊地はいいよー。なかなか大っぴらに言えないんですが。
今回なんとなんと、あの「魔震」の謎を扱うと言う内容。
正直、魔震がなんで起こったのかなんてことは、けっこうどうでもよくこのシリーズ読んでます。
もうね、起こるべくして起こったんだとしか思えませんもの。それ以上の理由なんて無い。

で、やはり菊地です。
全く何もわかりはしないのに、分った気にさせ、その上納得させてしまうこの文章。
そうか、そうよね。だってこここは、魔界都市新宿なんだもの。
全ての解はこれでいいんじゃないでしょうか。
それが駄目なら、だってせつらにメフィストなんだもの。
これで充分でしょう。

菊地作品って、読んだら片っ端から忘れていくんですが、大好きです。
暴力的なものは好みませんが、菊地はバイオレンス小説であってもエログロであっても好きです。
陰湿さはない、と思います。
そして、紙の如く命が軽く扱われているかと思えば、今回。

<新宿>においても、生命は尊いと、観念ではなく、その身体で知っている医師たちは、生命の安易なやりとりをけっして許そうとしない。

なんて一文があったりする。だから安心できる。
さらに今回、ドクターかっこよいです。

「私の恐れるものは唯一――患者の死のみだ」

患者以外の人間はどうでもいいドクター。でも患者には限りない愛を。
それにしても折角かっこいいわ、と思ったらその後、某所で全裸で発見されるせつら。
それを運んできた医師と隊員たちを後日、記憶喪失手術にかけるメフィスト…。意外と狭量か?
こと、せっちゃんのことになると、とことんお茶目なドクターもまた好きです。

そんなせつらとメフィストの会話は相変わらず素敵です。

「ところで、前から聴きたいと思っていたことがあるんだけどな」
「何かね?」
「おまえ、ゲイ・バーをどう考えているんだ?」
「さて」
 メフィストは少し考え込んだ。
「考える話かな」
 とせつら。
「報われることを知らぬ、可憐な精神(こころ)の持ち主が集う場所だ」


ドクター、本気ですかーっ!?
ドクターは真顔で冗談言うからなぁ。でもほぼ本気かもしれません。
久しぶりにドクターの女嫌いを見た気がします。最近なかなか無かったような。

「見せかけの美しい皮の中に血と肉と汚物と、醜い精神だけを詰めた汚物。いずれは、抹殺しなければなるまいな。―――患者を除いて」

とんでもない呟き。でもドクターに言われてしまうのなら仕方ないような気がしてしまいます。だって美しすぎるから!(理由なのか?)

おっとメフィストの話ばかりになりました。
魔界都市ブルースの主人公はせつらです。
今回、せつらの高校の同級生と言うものが登場。最近、せつらの高校生時代の小説が出ていましたが、実際にキャラが出ても、せつらの高校生時代が想像できません!
というか、魔界都市にいないせつらが想像できません!
ん?高校生の頃はまだ魔震来てないですよね?どうなんだろう。
せつらの学ラン、さぞドクターも見たかったことでしょうなぁ。
『青春鬼』が文庫化する日を待ってます。

せつらと、元同級生の奈々子さんのやり取りが、良い感じの哀愁を漂わせてます。
そういう雰囲気こそ「魔界都市ブルース」だわ、と思うのです。魔界医師〜の方ではこうはいかない。

菊地氏がヒーローらしいヒーローを、と送り出してきたゼン。
あの、せつらが好意を寄せ、そしてメフィストの嫉妬を受けるゼン。
確かに当たり前にかっこよかったです。いったいどこへ消えたのか…(そういや消えたんだな)
次回作へひっぱているみたいですが、一連のシリーズはだいたいこういう感じだからなぁ。

今回はラストが、ずっとシリーズを読んできた者にとっては、おっと思う感じです。

 足の下で、無数の患者と手術とが自分を待っているのはわかっていたが、メフィストは、しばらく動かないでいることに決めた。
 同じ夜明けを明日も迎えられるという保証がないことに、ようやく気がついたからだった。


今回のドクターはかなり人間的だったと思います。
何しろ、せつらにしろメフィストにしろ、魔界都市の住人というよりは、むしろ化身という扱いでしたから。
そんな彼らも住人だったのだなぁ、と思うお話でした。

ところでところで、せつらの「私」が出てくるタイミングというのが今もって分りません。
全くピンチじゃないときに出てきたかと思えば、絶体絶命でも出てこない時がある。
あまり危機とは関係なさそうです。オートで出てくるんでしょうかね。



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