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2010年09月26日(日) FC東京、残留の可能性は

FC東京は、人口1,000万人超を擁するメガシティ――首都東京をホームとするサッカークラブ。そのFC東京が降格圏にまで順位を下げ、クラブは尻に火がついたかたちで、城福監督を更迭、新監督に大熊清を迎えた。もちろんこの策は、打つべき第一手として間違っていない。その大熊新監督の初戦(第24節)の相手は、同じく降格圏ライン付近にある大宮。初陣としては、絶好の相手である。

結果はご存知のとおり、FC東京が0−1で惜敗。スポーツマスコミの中には「FC東京が光明を見出した」という希望的評価もあったようだが、果たしてどうだったのか。

なお、FC東京の評価とは関わりないが、この試合で特筆すべきは、得点に係る誤審があったこと。68分、大宮のFWラファエルがそれこそ、一生に一度、あるかどうかという「ナイスゴール」を決めたにもかかわらず、主審・飯田淳平に「ノーゴール」と判定されてしまった。TV中継のビデオでは、明らかにラファエルのシュートはゴールインである。主審のミスジャッジは明らか。更にいえば、ラインを管理する名木利幸、平野伸一の二人の副審も、このシーンに関する有益な意見を主審に具申できなかった。審判団の集中力不足の責任は謝罪ではすまされない。誤審が大宮の敗戦につながらなかったことは不幸中の幸いであったものの、ラファエルには誠に気の毒な誤審である。スポーツ選手にとって、自分のベストプレーの1つが審判の誤審で消去されてしまったという事実は、泣くに泣けないものがあろう。

さて、FC東京である。この試合の先発は、FW=大黒将志、平山相太の2トップ、攻撃的MF=石川直宏(右サイド)、リカルジーニョ(左サイド)、守備的MF=森重真人、徳永悠平、DF=椋原健太(右SB)、中村北斗(左SB)、CBに今野泰幸、キムヨングンの4−4−2。この試合の先発メンバー起用は、現有戦力の中で最善の選択だと考えられる。

リカルジーニョのサイド起用は正解。彼はサイドのチャンスメーカーとして資質があり、ゴール前の得点感覚は劣る。TV解説の某氏も指摘しているように、彼のボールキープ力がチーム全体の攻撃を遅らせるデメリットとして作用する傾向があり、それがFC東京の得点減の要因の1つとなっている。彼が局面、局面において、シュートを打つタイミングを掴むことができるようになれば、もっと破壊力、得点力のある選手になれる。

試合展開の詳細は割愛する。大雑把に言えば、前半はFC東京のペース。ところが、後半の10分過ぎころから運動量が激減し、しかも、57分、大黒を下げて、リカルジーニョをトップの位置に上げ、リカルジーニョのポジション(左サイド)に大竹洋平を入れてから、バランスが崩れ、攻撃力が弱まった。さらに、その10分後(67分)、FWにポジションを上げたリカルジーニョに代えて、FW重松健太郎を投入するという混乱ぶり。リカルジーニョはゴール前で能力を発揮するタイプではないのだから、シンプルに大黒に代えて重松を入れ、サイドのリカルジーニョのキープ力を生かしつつ、平山のポスト、重松の得点力に期待しても良かった。

FC東京のプレスが弱まったなか、73分に大宮に得点を奪われてからは、78分、右SBの椋原を下げて(3バック)、前田俊介を投入し、平山、重松、前田の3トップで局面打開を試みたが、決定機はつくれなかった。FC東京にとって、仙台に移籍したFW赤嶺真吾の不在が痛い。この日、仙台―横浜で、赤嶺が決勝点を決めたのは、皮肉というほかない。

この試合で見せたFC東京の弱点は、▽2トップで平山と絡む大黒の不調(FWの駒不足)、▽右SBの攻撃力が弱いこと(左SBの中村が良かっただけに、逆サイドの弱さが目立った)、▽後半に動きが鈍る体力不足、の3点である。

現象的にはそうなのだが、前出のとおり、リカルジーニョはゴール前で得点に絡むようなタイプではないから、平山とのコンビネーションは成立しない。そこで重要なのが大黒ということになる。その大黒だが、筆者は大黒をあまり評価していないし、彼の得点力不足が、ここまでのFC東京の不振(得点力不足)の主因の1つだとさえ考えている。

平山は、この試合に限れば、得点はあげられなかったものの、運動量、ポストプレー、シュートにおいて、それなりの仕事をしていた。FC東京にとって必要な選手は、平山(ポストプレイヤー)と絡んで豊富な運動量をもってゴール前をかき回すタイプ、もしくは、ゴール前で体をはって、シュートチャンスを狙うタイプ(自らシュートは打てなくとも、チャンスメークできるタイプ)ということになるのだが、これらの条件を満たすアタッカーがいない。チームとしては、若手の重松に期待をしているのだと思うのだが(もちろん筆者も、彼の才能を認めているものの)、現状では力不足が否めない。

当コラムで既に指摘したことだが、FC東京再生の条件は、�ヾ篤銚鯊紂↓■藤廚諒箒�、��リーダーとなれる実績のある選手の補強、の3点だった。そのうちの1つである監督交代の手を打ったのだから、課題は残り2つということになる。どちらも、残り10試合を切った段階では不可能に近い事項だけれど、海外からレンタルでもいいから輸入できる選手はいないものか。

この先、無策のままならば、首都東京から、J1チームがなくなってしまうのである。FC東京の親会社・東京ガスの資金力をいま使わずして、いつ使うというのだ。



2010年09月15日(水) Jリーガー残酷物語

Jリーグ第22節(2日目/9月12日)、東京−浦和は悲惨なものだった。前半20分、東京の羽生直剛が今野泰幸と交代、37分には同じく高橋秀人が石川直宏と交代。後半56分、今度は浦和の山田暢久が坪井慶介と交代、78分、同じくエジミウソンが堀之内聖と交代。

ここまでの4人の交代は戦術的なものではなく、選手たちの故障によるものだ。その後、東京は戦術的交代で、67分にリカルジーニョを退けて平山相太を投入したため、残り10分ころから動けなくなった鈴木達也をピッチの外に出し、10人で戦った。

つまり、この試合、羽生直剛、高橋秀人、山田暢久、エジミウソン、鈴木達也の5選手が故障のため、交代を余儀なくされたのだ。このような異常現象を選手の自己管理能力、チームの健康管理の問題にしてはならない。明らかに、常軌を逸した、Jリーグの強行日程が原因なのだから。

2010年シーズンはW杯開催年に当たるため、変則日程のうえ、8月〜9月前半にかけて、異常高温の日々が続いた中、ナビスコ杯、代表戦が重なり、Jリーグの試合が中2日、3日で組まれた。運動量の多さを持ち味とする選手が脚の筋肉等を痛め、試合途中で退場したり、欠場したりしている。選手という大切な資産を消耗品のように扱ってはいけない。

さて、話し変わるが、長友佑都が移籍したセリエA、チェゼーナ−ACミランの録画中継を観た。この試合は格下チェゼーナが、エルヨン・ボグダニ(前半31分)、エマヌエレ・ジャッケリーニ(前半44分)のゴールで、強豪ACミランに完勝した。ホームのチェゼーナの全選手が90分間エネルギッシュに動き回り、スーパースター揃いのACミランの反撃を食い止めた。チェゼーナの交替選手は、後半36分、得点したFWエルヨン・ボグダニに代わって、FWドミニク・マロンガが入っただけ。つまり、勝利したチェゼーナの交替選手はたった一人。

この試合を見る限り、イタリア・サッカーが「カテナチオ」だけというわけではないことがわかる。先制したチェゼーナは、前線の選手が守備をして相手のパスを封じ、中盤より後ろは守備ブロックをつくり、スペースを与えない。W杯南アフリカ大会でお馴染みの戦術だ。先制点は、アルバニア代表の長身選手エルヨン・ボグダニの高さを生かしたもの、2点目は完璧なカウンター。

サッカーでは、格下といえども、選手全員が共通の戦術理解に基づき、規律をもって組織力、運動量で格上の相手を上回り、さらに、幸運が重なれば、勝てるのである。

一方、2点とられたACミランは、反撃のため、当然のことながら、きわめて攻撃的だ。ポゼッションを高めたACミランの猛攻、それに耐えるチェゼーナという形はスリル満点。両軍選手のフィジカルが充実し、汚いファウルもない。組織のチェゼーナ、個人のACミラン−−見ごたえのある、いい試合だった。こういうコンテンツの高さが重要であり、そのために、リーグ事務局は、あらゆる事項を整理・調整し、観客に良質な試合を提供すべきなのだ。

強豪ACミランにはベテラン選手が多い。主力有名選手をみると、ジェナロ・ガットゥーゾ(32歳)、アンドレア・ピルロ(31歳)、マッシモ・アンブロジーニ(33歳)、ロナウジーニョ(30歳)、フィリッポ・インザーギ(37歳)。この試合には出なかったクラレンス・セードルフは34歳。若手と呼べるのは、チアゴ・シウヴァ(25歳)、パト(21歳)、ロビーニョ(26歳)のブラジル代表トリオくらい。ズラタン・イブラヒモヴィッチも28歳になった。スーパースターは自己管理能力が高い、といってしまえばそれまでだが、優良な資産をクラブが大事に取り扱っている証拠だろう。

セリエAに限らず、欧州のビッグクラブは、UEFAチャンピオンズリーグの試合があり、さらに各国代表選手はヨーロッパ選手権の予選を控えている。日程もJリーグ以上に厳しいかもしれない。重要なのは、サッカーシーズンが高温の春夏を避け、秋冬に設定され、各クラブは、選手層を厚く手当てし、ベテランスター選手を大事に扱っていることだ。その結果、白熱した、高い技術の試合内容が維持され、お客が集まる。

Jリーグの春夏シーズンと試合日程のあり方が、このままでいいはずがない。良質のサッカーを見せるにはどうしたらいいのか、Jリーグ関係者が再考を要することは明らか。試合を消化すればいい、というものではないはずだ。そういえば、西欧、日本以上に冬が厳しいはずのロシアが、ヨーロッパと同じ秋冬シーズン制度に変更するというニュースが流れた。



2010年09月08日(水) 顔見世興行でいいのか

FIFAランク32位の日本が同119位のグアテマラの挑戦を2−1で退けた。日本の2得点は、FW森本貴幸(22=カターニア)があげたもの。アタッカー不在の日本にとって、森本の活躍は明るい兆しだといえるのかどうか。

W杯南アフリカ大会終了後、パラグアイ、グアテマラが親善試合として組まれたけれど、強化目的ならば、ユーロ予選が始まった欧州に出向いて、W杯南アフリカ大会に出場できなかった欧州中堅国以上(たとえば、トルコ、アイルランド、ハンガリー等々)と試合をしたほうが効果的だろう。とはいえ、日本国民、代表ファン、同サポーターへの凱旋挨拶も重要。一戦目のパラグアイ戦は、リベンジマッチと銘打たれたお祭り的興行、二戦目のグアテマラ戦は、「かませ犬」相手に2014年に向けた、景気づけといった位置づけか。

この親善試合に間に合う形で代表監督が決定、しかも新監督の就任を祝うかのように、日本代表が2試合とも勝利して、まずは順調な船出をしたかのように見える。しかし、筆者には、日本サッカー協会が描いたシナリオが場当たり的修正によって、なんとか、ぼろを出さず上演され、結果オーライ、スポーツマスコミ及び代表サポーターから喝采を浴びたかのように見える。その理由は、以下のとおり。

その第一に、代表監督招聘のテーマ(意図)と結果の食い違いを挙げたい。次期代表監督招聘を進めた原博実日本サッカー協会技術委員長(強化担当)は、交渉について、スペインリーグ関係者に絞って、候補者をリストアップしたといっていた。ところが、決まったのは、セリエAの複数クラブ監督を経験したザッケローニだった。原技術委員長が、「スペインサッカー」から「イタリアサッカー」に乗り換えた理由がはっきりしない。日本代表の進むべき方向性が、“南アフリカ大会で構築した「守備力」を基盤としつつ「攻撃力」を加えること”、ならば、原技術委員長は、監督探しにあたって、“攻撃力強化に資する人材”というテーマを掲げなければいけなかった。そうであったならば、ザッケローニ就任にも納得できる。

筆者は、ザッケローニという選択が誤りだ、といっているのではない。代表監督候補者の選択肢は柔軟に設定すべきであり、スペインリーグ関係者というテーマ設定そのものが窮屈すぎた。また、そうでないことを祈りたいが、意図に反して、どうしようもなく、ザッケローニと契約したのであれば、ザッケローニ及び日本サッカー界の双方にとって、最大の不幸の1つとなろう。

この時期、代行もしくは暫定監督という肩書きで、原博実が親善試合の指揮をしたとしても、なんの問題もない。焦って意図に反する人材と無理矢理契約することのほうが大きな問題だ。代表監督が決まっていないのは日本と北朝鮮だけ、という報道も意味がない。世界のサッカー界においては、暫定的な意味合いで代表監督の座に着いた人が、筆者の想像では、かなり多いものと思う。

代表監督に関する考え方として、一度契約したら4年間は不変という考え方も固すぎる。就任した監督に適正がなければ、更迭をすればいい。そのとき、オズワルド・オリヴェイラ(鹿島)、レヴィー・クルピ(C大阪)、西野朗(G大阪)、ミハイロ・ペトロヴィッチ(広島)らのJリーグ監督も、かりにザッケローニ体制が挫折した場合の代表監督候補者リストに入れておくべきだ。

筆者は、4年後のブラジル大会に向けた日本代表監督候補として、まずブラジル人を考えた。なかでも、次期代表監督の最適任者の1人として、ドゥンガ(前ブラジル監督)を挙げたい。ドゥンガは南アフリカにおける失敗により、ブラジルでは評判が悪いし、守備的だという評価があるようだが、筆者はそうは思わない。4年後、彼が日本代表を率いて、ブラジルに逆上陸するというストーリーは痛快である。

第二に、グアテマラ戦を中2日で組み、しかも、召集された22名の代表選手のうち、遠藤、今野は2試合とも欠場し、さらに、グアテマラ戦では、遠藤、今野に加えて、中澤、栗原、松井の計5名がベンチから外れた。ケガだから仕方がないという見方もあるかもしれないが、2戦目欠場者のなかには、ロシアリーグに戻ることが日程上わかっていたといわれる松井が含まれていたことは驚きだった。

このたびの親善試合のレギュレーションでは、1試合の交代が6名まで認められる。だが、グアテマラ戦では、交代選手を4名しか使っていない。ベンチ入り選手の数が足りないため、新戦力のテストができなかったのだ。2試合目、ターンオーバーでいくのであっても、1試合目(パラグアイ戦)に出場した選手は、2試合目(グアテマラ戦)もベンチ入りしなければいけない。

そもそも、2試合欠場の2選手、2試合目欠場の1選手が代表に召集されたままであることが間違っている。2014年に向けた強化試合ならば、当然のことながら、出場できない選手に代わる新戦力を事前に登録すべきなのだ。ケガをすれば、代表の座は危うくなるのが道理。このたびの代表選手選考及び起用については、納得がいかない。W杯南アフリカ大会で活躍した選手を外すな、という、スポンサーからの要求に屈したのか。

キリンチャレンジ杯については、何度も当該コラムにおいて疑問を呈してきた。大会のあり方に再考を加えないと、「意味のない試合」「集客優先の試合」となりかねない。W杯南アフリカ大会における日本代表の成功にともない、代表試合が優良なコンテンツとして、復活した。そのこと自体は結構なことだけれど、無駄、無意味、無内容を重ねていると、後で大きな代償を払わなければならなくなることもある。



2010年09月05日(日) 新生・日本、順調なスタート

9月4日、日産スタジアムで行われたキリンチャレンジ杯は、日本が1−0でパラグアイに勝利した。後半19分、ゴール前中央へのMF中村憲のスルーパスに飛び込んだ香川が右足で先制ゴールを決めた。日本はこのままリードを守りきり、W杯ベスト8を賭けた試合でPK戦で敗れたパラグアイにリベンジした形となった。2014年ブラジル大会に向け、新生・日本が白星スタートを切った。

パラグアイは、W杯出場選手を含めたベストメンバー。コンディション調整も十分だといわれ、これまでキリンチャレンジ杯に来日してきた海外代表チームとは一味違った。内容をみても、親善試合としては稀な、ガチンコに近い戦いとなった。

W杯ベスト8を賭けて負けた相手に、ホームとはいえ、1−0で勝利したのだから、代表サポーターの満足度も高かったのではないか。しかも、南アフリカでは出場しなかった、森本、香川、内田、細貝らがそれなりに役割をこなし、若手の海外組、香川が決勝弾を決めたことは、新しい門出にふさわしい結果だった。

今後の課題を挙げるならば、�‘�莉王〜中澤のCBコンビをどうするか−−二人のコンビをいつ解消し、後をだれに託すのか、�∪伴紊淵錺鵐肇奪廖平綱椶發靴�は岡崎)に代わるタレント探し、�1Γ咤惰眦弔慮�極め、といったところか。�,砲弔い討蓮�栗原の高さは注目に値する。ケガ?の多い闘莉王を見切って、栗原に経験を積ませたい。また��については、今の段階では、駒野のほうが総合力で内田を上回っている。海外移籍と若さだけを指標として、内田に賭けるのはリスクが高い。難題は�△任△襦�このポジションは、ブラジル等の海外出身者の帰化に頼るしかないかもしれない。


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