・堀江敏幸『回送電車』『おぱらばん』 今、「好きな作家は?」と聞かれたらこの人の名前を答えるのが一番しっくり来るかもしれません。今年も、マイ・ブームは継続中。きっと来年も続きます。 隅々まで整った文章は、いつ読んでも心が満たされます。それぞれの章タイトルも詩的で美しい。 ・中村弦『天使の歩廊』 住む者を心を狂わせるほどの建築物、というのがどのようなものなのか、想像力を掻き立てられるとともに、自分のイマジネーションの限界もある意味で感じた一冊。この方の作品は、ぜひまた読んでみたいです。 ・パトリック・ジュースキント『香水』 この生々しく濃密で、おぞましくも美しくもある世界が映像化されるとどうなるのか、映画版を見てみたいような、見てみたくないような。「匂い」は「食」と同じくらい、人間の根源的な欲望と結びついているのかもしれません。 ・森見登美彦『きつねのはなし』 これを選ぶかどうかで迷ったのですが、インパクトという点では他を押しのける勢いがありました。途中で一度読むのを投げ出してしまったほど、体を奥深くをぞわぞわ這いまわるような気味の悪さを持つ小説です。でも、取り込まれるとどっぷり浸ってしまいます。 ・エイミー・ベンダー『燃えるスカートの少女』 奇想と幻想の短編集。冒頭の「思い出す人」(逆進化を始めた恋人を見守る語り手の話)に、軽い衝撃を受けました。長編も翻訳されているようですが、ぜひ短編をもっと読んでみたいものです。 *** 図書館を活用することを覚えた今年は、単行本の積読本を順調に消化できた年でもありました。来年も、素敵な本との出会いがありますように。 それでは皆様、良いお年をお迎え下さいませ!
・「ハリーとトント」 おじいさん(ハリー)と一緒に旅をする猫(トント)可愛い、のは言うまでもないこと。最後のクレジットで、出演俳優名に混ざって「TONTO」という名前が大きく流れるのが非常にツボでした。 ・「ブレードランナー」 ハリソン・フォードが若い……! だけではなくて、とにかく夜を背景にした映像が美しいことに驚嘆します。三十年近く前の映画とは思えないほどヅタイリッシュ。ストーリーを把握した上で、もう一度じっくりと映像美を堪能したい気もします。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』もいつかは読んでみたいところです。 ・「イン・アメリカ―三つの小さな願いごと」 主人公の姉妹がとにかく健気で可愛らしいこと。決して幸せなばかりではないけれども、寄り添って生きる家族が温かいこと。学芸会の場面で、お姉さん役の女の子が披露する歌声もまた素晴らしい。 ・「おくりびと」 何度涙しそうになったことか。自分の近しいひとが逝ってしまった時のことを思い出してしまって、胸が締め付けられるような思いをしました。「死」を真正面から見つめることは、同じくらい真摯に「生」を愛しむこと。そして、「生きる」とは「食べる」ことでもあり。 ・「マリー・アントワネット」 実はまだ最後まで観終わっていない、のでフライング気味である、にも拘らずランクイン。歴史上、彼女の最期がどんな形で訪れるかは分かっている、けれども、そんな影を感じさせない華やかでスウィートなドレスとお菓子が乱舞する世界に、うっとりします。女の子気分が否応なく盛り上がります。 *** 明日は、今年度ベスト5(読書編)をお送りします。
一足早いお正月ムードを味わうため、町にお買い物へ。 蒲鉾やら伊達巻やら鏡餅やら数の子やら、食料品売り場がきらびやかに賑やかです。 Saleの広告に混ざって、福袋の予告も。もうすっかり、新年を迎えたような気分です。 今年もあと二日、思い残すことが少しでも減るように、全力で駆け抜けたい所存です。
去年はうかうかしていて買いそびれてしまった紅茶の福袋を、今年は無事に入手したので、うきうきと中身を品定めしています。 紅茶・緑茶・中国茶のフレーバードティーが詰め合わされたものを選択したのですが、私の好きなミルクティー向きの茶葉が豊富(バニラとチョコレート!)なのが嬉しいところです。ミニチュア缶のマグネットも愛らしいです。 これで、2010年のおうちでティータイムはひとまず安泰であります。 *** 本日は仕事納めということで、仕事机周りを簡単に掃除してきたのですが、年賀状用に住所を交換したり、「良いお年を」と挨拶を交わしたりしていると、あまり実感のなかった年末気分がいよよ高まります。 さて、いい加減に大掃除に取りかからねばなりません。
部屋の掃除が一向に進まない、どころか余計に混迷の度を増している、ように思えるのは一体どうしたことでしょうか。2009年もカウントダウンが始まっているというのに、困ったことであります。 年賀状の宛名印刷はなんとか終了したので、明日の内に忘れず投函しなければなりません。毎度のごとく、一日には間に合いませんが、新年を祝う気持ちだけは空を超えて届きますように。
滑り込みで、京都伊勢丹にて開催中の「エロール・ル・カイン展」へ。会期が明日までなので、大入り満員であります。クリスマス関連の絵本原画も多く、これは25日より前に観に来ていればもっとタイムリーに気分が盛り上がっただろうに、と多少後悔しつつ。 あくまでも愛くるしい画風から、デザイン画のようにシャープな造形から、どこかコミックチックにデフォルメされた絵まで、印象はくるくる変わります。まさに、「イメージの魔術師」とは良く名付けられたものよと思う多彩さ・多才さ。 ごくごく個人的に興味深かったのは、魔法使いの娘の衣装が十二単のように見えたことと、イソップ童話を元にした絵本についての(かの有名な「ウサギとカメ」にて、なんとウサギを勝たせてしまうという大胆な試みに対する)「一度くらいはウサギが勝ってもいいだろうと思って」という一節でした。
引き続き、メリー・クリスマス! 本当は、そろそろクリスマスの飾り付けを片付けて年末態勢に入るべきなのではないかと思いつつ、まだもうしばしイベント気分を味わいたい……というよりも、大掃除モードにスイッチが入らない、というただそれだけなのかもしれません。 至って非カラフルな(そして残業付きの)週末だった今年のクリスマスですが、素敵なカードを送っていただいたので、もう充分に、いえ十二分に幸せでありました。ありがとうございました……とここで感謝の念を送っていても、こんな電波も届かない圏外のように辺鄙な場所からでは詮無いことではありますが、ひとまずは胸の内で御礼まで。
メリー・クリスマス! サンタさんが来る人も来ない人も、一緒に過ごす人がいる人もいない人も、どうか心躍る一日をお過ごし下さいませ。 ちなみに私は、いつもの木曜日と変わらず通常業務に勤しんで参ります。帰ってきたら待ち構えているはずのローストチキン(二羽分!)を楽しみに。
ようやく自分用の年賀状を作成しました。寅はネコ科だ→だから私にとって寅年は猫年だ→いいじゃないか、だって縞模様の猫だし、という強引極まりないな理由付けにより、素材は黄金週間の江の島で撮影した猫(トラ猫)の写真です。 もとはカラーだったものをモノクロに加工し、あけましておめでとうの文字と日付を入れれば完成、作成所用時間は一時間弱とお手軽ですが、もともとの被写体が良いため(今振り返っても美人な猫でありました)、なかなかの出来栄えだ、と自画自賛しています。うっかり、ご希望があればお送りしますよ、と調子に乗って口走ってしまいそうであります。 しかし、ひとつ難があるとすれば、手書きでコメントを入れる余白を考慮に入れていなかった、ということ。従って、年始に伝えたいことがある相手には(例:今年はディズニーシーに連れて行って下さい)、別便で用件を伝達する、という二段構えになる予定です。あしからず。
桑原弘明氏のScope展が、12月26日まで東京・銀座のギャラリーで開かれているとは……! 残念ながら、日程的にどう考えても行くことは不可能なので、もし早々に気付いていたとしても結果は変わらなかったとはいえ、情報収集を怠ったのは不覚であります。 せめて、作品集けは手に入れたいものだ、と来年の予算計画にリスト追記です(鬼が苦笑する)。
今日は、寒かったですね……! 夜、用事のため二時間ほど外に出たのですが、その間に雨やら雪やら霰やらがフルコースで降ってきて、すんでのところで遭難するところでした。 骨身に沁みる寒さとは、正にこのこと。ホッカイロの有難さをしみじみと感じたのでした。 お鍋料理とお風呂が恋しい季節です。
年忘れ旅行二日目は、南紀白浜アドベンチャーワールドへ。なにはなくともパンダです。 ・朝も早いのに、風も冷たいのに、けっこうな人出です。噴水の傍らをごく普通に泳ぐペンギンや、生クラレ……もといアルパカや、シロクマの赤ちゃんに足止めを食いつつ、まずは双子パンダのもとへ。あんな活発に動くパンダは初めて見ました、というのが正直な感想です。パンダというと、休日のお父さんみたくのんべんだらりと寝そべっている勝手なイメージが……。 ・そうこうしている内に、イルカショーの時間です。華麗なジャンプに切れの良い泳ぎ、無駄のない流線型のフォルムには、いつ見ても惚れ惚れいたします。しかし、最も注目したのは、ショーの最中にも拘らず小道具で遊び出してしまった無邪気な姿だったのでした。そりゃあ、気が乗らない日だって、ありますよね。 ・続いて、電気バスに乗ってサファリツアーへ。闊歩するトラにカメラを向けつつ、「ほら、年賀状!」と囁く声がちらほら聞かれたのが微笑ましく。ホワイトタイガーの模様は、チョコレートの層が入ったバニラアイスみたいですね……などということを考え出すのは、おなかが空いてきた証拠であります。 ・お昼ご飯は海産物の並ぶお土産センターにて。瓶が可愛いお酒(手の平サイズで果物の形をしています)や、一粒200円の梅干し(一個ずつ丁寧に包装されています。もったいなくてどうやって食べたらいいのかきっと途方に暮れてします)、回転して光るボールペン(妙に重いと思ったら、ボタン電池が大量に使われていました。贅沢というのか無駄というのか)に心惹かれつつ、結局は干物の香りを堪能しただけで満足したのでした。お土産の調達が無事完了したら、そろそろ帰路に付きます。お疲れ様でした。
仕事場の仲間たちと、年忘れ旅行へ行って参りました。目的地は、大阪・新世界と和歌山・白浜です。朝の内に積もっていた雪は、大阪方面を目指すにつれ嘘のように消えてなくなり、ひとまずお天気の心配はせずに済みました。以下、見どころ(?)をダイジェスト版にて。 ・人生初の新世界へ。通天閣だ! づぼらやだ! 串カツだ! とりあえず、目に入るものすべてが、否応なくテンションを上げやすい造りをしているように見えます。妙な立体看板とか、極彩色とか。町中がテーマパークのようです。 ・なにはともあれ串カツです。空きっ腹に揚げ物は辛いかしら、と危惧していたのですが、店員さんが揚げたてを運んでくれるので、案外と軽くすいすい食べられてしまいます。どれも美味しかったですが、やっぱりスタンダードな串カツが一番、だったように思います。 ・そして、通天閣へ。なんというか、お土産売り場にビリケンさんとたこ焼きと吉本新喜劇が乱舞しています。展望台から見下ろす大阪は、大都会の一言でした。動物園のキリンが小さく見えたことよ。あと、ビリケンさんの足裏が撫でられ過ぎてすっかり抉れてしまっているのが感慨深かったのでした。数多の願いが託され続けてきたこの土踏まず。 ・その後、なぜかスマートボールのお店へ。当然のごとく初挑戦で、まあ順当に持ち球を使い尽くして、同行者の遊びっぷりを眺めておりました。どうやら台選びがとても重要らしい、ということには後から気付いたのでした。なんとも言えない昭和の香りに、まるでどこか古い温泉街にでも来ているような気分になります。 ・お宿は白浜にて。大宴会を潜り抜けたら、明日に待つパンダとの邂逅に備えて、お休みなさい。
自転車には厳しい季節になりました……ということを、ペダルを漕ぎ始めてから実感した、午後6時の帰り道でした。自転車で移動しようと考えた自分を、非常に後悔しました。 毎年、寒風に耳を引き千切られそうになりながら、もふもふしたイヤーマフが欲しい、と切実に(年に数度は)思います。 明日から一泊二日で小旅行(兼忘年会)に出掛けてきます。串カツとパンダが待っています。しかし、荷作りが一歩たりとも進んでおりません……!
今月中に欲しいものリストに一品追加、白い手袋を。 去年まで愛用していたふわふわと柔らかい逸品を、穴が開いてしまったので寂しく処分したことを、すっかり失念していたのでした。どこかで、頼りになる二代目を探さねば。 拍手御礼。16日にメッセージを下さった方へ。 ニョロニョロは、そんなにも、危険な生き物だったのですか! 原作を知らない私には、驚愕の事実でありました。お店で売られているグッズに「可愛い〜」なんて黄色い声を上げている場合ではない、ましてやスープの具にして食べるなんてもっての外……! と、言いつつも、結局は美味しくいただいてしまうのですけど、ね。 しかし、いつかはきちんと読んでみようと思っていたムーミン谷シリーズに、これでますます興味が湧いてきてしまったので、近い内に手に取ってみようと思います。ありがとうございました!
クリスマス読書が思うように捗らず、軽やかに・楽しく読めるコージーミステリを選んだのにどうしてだろうと首を傾げていたのですが、どうやら甘いもの(それもこってりと甘いもの)の描写に、おなかがいっぱいになっていただけのようです。ならば、お煎餅かなにかを傍らに置いて読めば、すいすい進むのでしょうか。 食べ物が美味しそうな本は、それだけで幸せですが、巻末のレシピを見る限りでは、どれもこれも恐ろしくカロリーの高そうな……。 そして、あまりこれまで縁のなかったコージーミステリの定義について軽く調べてみようとウィキペディアを覗いてみたら、ミス・マープルがこのジャンルに分類されていて少し意外でした。なるほど、かの老婦人は確かに良くお茶を召し上がってはいるけれども。
友人より、少し早目のクリスマスプレゼントが届きました。 ムーミン谷の仲間たち(スナフキンとミィとニョロニョロとムーミン)をかたどったパスタと、ニョロニョロのミニトング(挟む部分がニョロニョロ)、であります。いずれ近い内、晩御飯に登場する予定なので、機会が巡ってきたら御礼がてら写メールで調理結果を報告する予定です。 ところで、ニョロニョロとは何者であるのか、ということが唐突に気になってしまったので、軽く検索してみました(by wikipedia)。 いわく、「光沢のある白い種から夏祭りの前日に発芽する」だとか、「何かを思うことも感じることもなく、ただひたすら水平線を目指し続ける“永遠の放浪者”である」だとか、「物の焦げたような臭いや硫黄の臭いがすることが多く、不用意に近づくと感電ずる」だとか、「ムーミンたちの間ではニョロニョロの話をするのは上品なことではないとされている」だとか……。 思いの外、ミステリアスかつデンジャラスな存在であるようです。
某衣料品量販店で、冬用の普段着を物色してきました。 むくむくした毛並みのパーカー(着ると毛刈り前の羊的な見た目)と、靴下とスリッパを足して2で割ったような形の履き物(滑り止めがついているので安心)、夢と魔法の国に住むネズミ氏とコラボレーションしたらしい部屋着のセット(おまけで付いてくるシュシュが可愛らしい……が、切ったばかりの私の髪ではどうにも使いようがない)を購入し、サンタクロースのように膨れた買い物袋を抱えて帰ってきた今は、なんとも満ち足りた気分であります。 某ネズミ氏の、フレキシブルな造形には、いつものことながら感心いたします。先日は、イヤホンになっているのを見かけて、ついつい買ってしまいそうになりました。
母娘揃って新聞広告に惹かれ、ドルチェグストを注文してみました。 コーヒーフレッシュの親分のような形のカプセルをセットしてスイッチを入れると、カプチーノやエスプレッソやココアなどを作ることのできる、簡単でしかも味は本格的な優れものです。 今なら特別価格な上にカップも付いてくるというお得なキャンペーン中(販促のようですが)。おうちカフェのバリエーションが広がりそうで、とての楽しみです。 余談ですが、買ったばかりの携帯電話で「ドルチェ」と入力したところ、予測変換で出てきたのはドルチェ&ガッバーナでした。なんと、まあ。
もろもろのキャンペーンに釣られて、携帯電話を買い替えました。カメラがちゃんと起動するということの、有難さよ。 以前のものと較べると、厚さがほぼ半分の非常にスリムなフォルムです。 色は目の覚めるような赤で、そこが購入を迷う一番大きな点だったのですが(私は赤が似合わないのです)、これだけ薄型だと鞄の中や部屋で行方不明になりやすいだろう、ならば目立つ色の方が良いのではないか、という実用的な理由により、自分を納得させたのでした。 むかし読んだエッセイに、街を走るスポーツカーに赤が多いのは何も格好を付けているわけではなく、車高が低いと他の車の死角に入りやすく危険なので、自分の身を守るためあんな派手な色を選んでいるのだ、という説明があって妙に説得力があったのですが、それと同じだ……と料金プランの説明を半分聞き流しつつ思っていました(……が、ちょっと違うかもしれません)。
家に帰り着いたらば、ポン・デ・リングをかぶったキューピーがやって来ておりました。それも、二体も。フレンチクルーラーがはまったヒツジバージョンもラブリーでしたが、ポン・デ・ライオンタイプもSo Cute!であります。眺めていると、ドーナッツが食べたくなります。 協力してくれた我が伯父上に感謝です。 明日は、年末の買い出し第一弾に行ってきます。ターゲットは、水筒とセーターと……あ、あと来週末のプレゼント交換会に向けて、クリスマスの贈り物を選ばねば。
雑誌の付録やら、お買い物のおまけやらにカレンダーが目立つこの月、これはリビングに、これは母上に……と用途に応じて選り分けています。 自室用には既に準備済み(うさぎを象ったカード式のもの)なので、あとは職場で使いやすいものが運良く巡ってくれば、来年のカレンダー事情は解決です。卓上型で、さほどスペースを取らず、一日分の書き込み欄ができるだけ広いものがあれば、良いのですが。
一日こってりと睡眠を摂ったおかげで、熱はほぼ平常まで戻った模様。良かったことである。咳は止まらないため、マスク装備で出勤する。仕事場に着くと、案の定インフルエンザにかかったことになっていた。否定するのに、しばし奮闘する。 体調は普段通りに近いというのに、ただ声だけは出ないので、電話には苦労する。思うように喋れない、ということがどれほど不便なものであるのかを実感する。言葉は偉大である。電話の向こうの相手にも、こちらの苦戦は伝わったらしく、通話を切り際に「どうぞお大事に」と渋味のある良い声で言われる。御心配ありがとうございます。 *** 今回の風邪では、熱と咳には悩まされたものの食欲は一切落ちませんでした。だから回復が早かったのもしれませんが、少し損をしたような気分にもなったりならなかったり……。
不穏な気配に恐る恐る体温計を引っ張り出してみれば、案の定発熱している。38度5分。 足元が、こんにゃくの上を歩いているようにふらつくので、仕方なく仕事場へ一日休みの連絡を入れる。しかし、声が掠れて出ない。どうにかこうにか用件を汲み取ってくれた、電話口の先輩に感謝である。これできっと、仮病ではないことは充分伝わっただろうけれど。 掛かり付けの診療所が開くのを待って、薬をもらいに行く。念のため、某流行りのアレではないことを確認しなければならない。 診察するのは、いつもの老先生(私が幼い頃から既におじいさんだった)で、昔から思えば多少小さくなったような気はするものの、頬がつやつやしていかにも健康そうである。 これまた毎度お馴染の注射(非常に痛いけれども劇的に効く)を打って、処方された飲み薬をもらって帰る。ところで、インフルではないんですか? との問いには、「そうかもしれませんねえ。でも、まあ大丈夫でしょう(ホッホッホ)」との答えが返ってきた。まあ、大丈夫なのだろう。 風邪薬を呑んで、あとはひたすら眠る。熱のせいか、とりとめもなく長い夢を見る。残念ながら、内容は全く覚えていない。
久々に風邪らしい風邪をひいたので、記念に(という言い方も妙なものですが)記録を付けてみます。本日より三日間の風邪日記。面白くも可笑しくもないので、聞き流して(読み流して)いただいて一向に構いません。 *** 金曜日のかぎりなく早朝に近い深夜というべきか、土曜日の限りなく深夜に近い早朝というべきか、とにかくまだ外も暗い内に、喉が痛くて目が覚めた。思えばあれがそもそも発端だったのだろうけれども、休む訳にはいかない所用のため寒空の下に数時間、これが決定打だった、らしい。 とにかく喋ると咳込むので、煩わしいことこの上ない。幾分声も掠れてきたように思う。喉が弱いので毎度お馴染の症状とはいえ、全く商売あがったりである。 とりあえず、ひとに勧められた葛根湯のお世話になる。食間もしくは食前服用の指定を無視して(というよりも、気付かずに)食後に飲んでしまったのが、些か気に掛かる。そして、食間とは食事の途中という意味ではない、ということを知ったのは、恥ずかしながら割合に最近のことである。
待ちに待っていたスカートが、ようやく手元に届きました。深い青の地にパンジー模様が散った、程よくふんわり広がるシルエットです。受注生産品なので、生地の取り寄せからお願いし、一月余りをわくわくと待ち侘びていたのでした。よくぞ、海を越えて無事にやって来てくれたものです。 注文先は、京都にある本屋さん(かつ雑貨屋さん)の恵文社なのですが、同封されていた栞によれば、今月は古本市が開かれているとか。これはぜひとも久々に行ってみなければ、と思っています。バスと叡電を乗り継ぐ道程も、また楽し。
午前中は、駆り出されて近所の川沿いのゴミ拾いへ……参加するはずが、開始早々に降り出した雨のおかげで、予定時間の半分にも満たずに解散と相成りました。似合わない「ジャージ的なもの」を引っ張り出して参戦したことを思えば多少拍子抜けしたような、しかし寒い中なので早く退散できて良かったような。 冷たい雨には閉口したものの、普段決して歩くことのない道は新鮮でありました。とんでもない(もしくはあり得ない)ものが捨てて(もしくは落ちて)いる様には、多少ならず驚かされましたが。 帰る道すがらにお裾分けしてもらった温かいココアが非常に幸せでした。そして、クリスマスプレゼント交換会に提出する品は、「お菓子系」か「おもちゃ系」のどちらか系統でお茶を濁そうと思います(届く宛も無く、私信)。
急遽、旅行の予定が入り、今月のスケジュールが大きく変更されそうです。友人の誘いもあって、東京行きを計画しつつあったのですが、どうやら来年に繰り延べとなりました。また暖かな季節になってから、ゆっくりと……。 飛び入り参加となる今回の旅行では、幹事さんがあれこれ企画を(計画書を見る限りではまるで小さい頃のクリスマス会のようです。時期的にも)考えて下さっているようです。すっかり準備が出遅れているので、これから急いで用意を始めねばなりません。着て行く服も考えておかねば。こうして、師走は徐々に忙しくなります。
日の暮れるのが早く、日の上るのが遅いこの頃は、暖かいお布団から出るのが切なくて仕方ありません。その上、いくらでも眠れそうな気がします。できることなら一日毛布に包まっていたい、でもそれでは翌日から真っ当な人間として機能できない確信がある……という辺りでようやく自分を奮い立たせては、なんとかお仕事に出かける毎日です。 ところで、今年の24日は残業が確定した模様です。まあ大勢に影響はない、しかし釈然としない、とカレンダーを眺めつつ唸っています。
来年は文房具周りを充実させよう、筆箱やペンやメモ帳やなにやらを、ひとつずつ丁寧に選んで……と、壊れかけた愛用のシャープペンシルを悲しく眺めながら考えています。
あと一ヶ月、と思うか、まだ一ヶ月、と思うかで、幾分か心の急き様が穏やかになるならば、できるだけ鷹揚に構えていたいと願う、師走です。 新年の目標を立てる準備期間として、この一月の私的スローガンは、「反省・整頓・精算」の三語に尽きます。さて、どれだけ身軽になることができるやら。 *** 今月中に片を付けたいもろもろ。 ・一年の会計を振り返る ・読み終えた本を(少しは)整理する ・そして読み終えた本を片付ける場所を確保するために、本棚の精鋭化を図る ・録り貯めた映画も(心持)消化する ・そして見終えた映画のリストアップ作業に取り掛かる ・添削課題は提出してしまうこと ・新年は綺麗な部屋で迎えましょう ・今年の日記、今年の内に ・そろそろ何か書き始めても悪くないのではないか ・あれ、年賀状は……? ・あれあれ、大掃除は……? |