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■ たびにっき その2
後から考えたことなので、こじつけかもしれない。
ただ、その日の朝は頭痛と共に目が覚めた。 頭がズキズキとする。
頭痛持ちというほどではないが、こんな痛みは 久しぶりすぎて半身を起こしたものの、しばらく頭を抑えていた。
それでも朝ごはんを普通に食べ、出発。
昨日とはうって変わって良い天気で、 遠くに富士山が見える。 あれが黒部ダムで、あれが・・・・・・ と指さされるほうを見つめる。 山、山。そして山。 雲が低い位置にあり、風にゆっくりと流されていく。
息切れのペースは昨日とは比にならないほど 頻繁に訪れるが、 昨日よりも余裕があり見渡す景色は、格別だった。
山はところどころ電波は入るが、 圏外のところも少なくない。 その降り途中2通のメールを受信した。
このメールを見る前から覚悟はしていた。 メールの着信を聞いたときに、覚悟はした。
休憩中にメールを見る。
「おじいさん、緊急治療室」 「じいちゃん、亡くなったよ」
思わず空を見上げた。 一緒に来たメンバーに気付かれないように黙祷をする。
しばらくの間、祖父の思い出に浸りながら 歩いていった。
後から知ったのだが、祖父が亡くなったのは 私がちょうど頭痛に襲われた後だった。 少しタイムラグはあるが、虫の知らせのような気がしてならなかった。
怪我せず、降りることができたのも 祖父のおかげなのでは・・・と実は思っていたりもする。 祖父にかわいがられていた。 なので余計にそう思う。
その日はどうにも帰れないので、次の日に帰宅する。
通夜、そして本葬。 本葬はどうにも泣けた。 小さい頃のことや、見舞いに行ったときのこと、 何年か前に倒れたときのこと、 毎日のように遊びに行っていたときのこと。 そして、祖母の、祖父に語りかける場面や 火葬場で窓ガラスを叩いていたときのこと等々等々、 涙が後から溢れてきた。
すぐに行けなかったけれど、 地上よりは高い位置で、祖父の冥福を祈った。 だから、もし天国というものが存在しているのなら。 きっと行けるだろうと信じている。
にぎやかなのが好きだった祖父の要望に答えて(?)なのか、 通夜も本葬も笑いがでるものだった。 誰もが悲しんでいる。 それでも、皆が一堂に会し、楽しめたことは良かったのでは、 と思っている。
本葬の次の日、少し手伝った。 それでも、私は孫。できることは限られていて 手持ち無沙汰になった私は、昔の写真をひっぱりだし眺めていた。
私の小さいときの写真は親戚の中で多いほうだ。 覚えていないくらい小さいときの写真を見て、 また出てくる涙をそっとぬぐった。
2006年08月24日(木)
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