それが無意識なのなら君は罪深い罪人だ。 「オイ千石」 「なぁに?」 「邪魔」 「わ・!」 ソファーに寝転がっていた千石は、バスタオルで頭をガシガシと拭きながらリビングにやってきた亜久津にドサリと音を立てて床に蹴り落とされた。 両親とも出張で留守の千石の家に泊まりこんで三日目。もうすっかり家の間取りもわかり、亜久津は自宅のように生活している。 「いったいなぁ…もー何すんのさ」 「邪魔だっての」 「どいてって言えばいいじゃん」 「うるせぇよ」 亜久津はソファーにもたれかかり、そのまま座った。 「………まぁ、いいけどね、うん」 そう言いながら、千石は亜久津の隣に座った。亜久津はバスタオルを肩にかけ、ソファーにもたれかかると目を閉じた。 「……疲れた」 「じゃあマッサージしてあげよっか?」 「お前のマッサージはマッサージじゃねぇよ」 「何、かってに感じるくせに」 「ッ!それはテメェが…」 「なぁに?」 千石はニヤリと笑い、上目遣いで覗き込むように亜久津を見る。 「………ッ…もう寝る!」 「なに言ってんのさ、まだまだ夜はこれからvお楽しみもこれからー、でしょ?」 「知らねぇよ」 パシ、と千石の頭を軽く叩き、ソファーから立ち上がろうとした亜久津の腕を千石が掴んだ。 「言う事聞かない子はお仕置き」 そしてそのままぐい、と思いきり腕をひっぱり、倒れ込んできた亜久津の体を抱きしめ、耳もとに唇を寄せる。 「俺の家に来ておいて覚悟してないわけじゃないでしょ?そういうコト、はさ」 亜久津がびくり、と反応するのを見て千石はくっくっと笑い、さらに耳もとで息を潜めて囁く。 「イイコトしよう、ね?」 首元を舐めあげると、亜久津が声をあげる。 「俺だって三日もしてないんだし、そろそろいいでしょ?おあずけって辛いんだよー?」 「ぁ、やめ、ろって…の!」 「イ・ヤ」 服の上から亜久津の腹部から首筋にかけてそっと触る。 びくびくと怯えるように肩をすくめる亜久津の額に、千石はキスをする。 「そういう反応って誘ってるようにしか見えないんだけど?」 「ちがう、!」 「違くないでしょ」 それが無意識なのなら君は罪深い罪人だ。 まったく狡い。 無意識のうちに人を誘うなんて。 視覚でも、嗅覚でも、聴覚でも、全部全部君に反応してしまう。 「…俺さぁ、ちょっとした事でもドキドキしちゃうわけよ、亜久津の事なら」 無意識なのだから君は罪深い。 「………」 黙り込んで顔赤くして俯いて泣きそうな顔するのがわざとじゃないのなら。 「…ずるい、よ亜久津は」 無意識は罪だ。 -- 近頃消化不良物ばかり。 あれだ、台詞だけで書きそうになってしまう…。そんな、私がそんなの書いても私以外通じないよ、雰囲気とか場所とかわからないよ…きっと究極の自己満足だよ…! なんかそんなこんなでちょっとやきもきしてる。 でもそれを褒めていただけるとやっぱり嬉しい。 うん、嬉しいけど、少しだけ、切ない。 複雑ていうか欲張りだけども。 -- ドニー・ダーコ面白そう…見たいなぁ… なんかこういうの前になかったっけ…漫画で…アフタヌーン四季賞かなんか…あー…でもよく思い出すと結構違うか…。 妄想(空想)と現実がごっちゃになってる感じがすごく好みっぽくてな…。 ていうかフランクが好みでな…(エ) …友達とはバイオハザードかインソムニア見たいねーとか言っとるけども。 ……いやしかし金あるかな…ひぃ;
没ったからのせる。うーー… *20020831 -- それは真夜中の出来事だった。 「亜久津、回転寿司食べに行こう。」 もう深夜二時を過ぎたところで携帯に着信が入り、亜久津は起こされた。そして携帯を見れば新着メールが一件。本文は『今、玄関前。』、とたった一言。亜久津は眉間に皺を寄せて起き上がり、ベッドから降りて玄関へと行き、扉を開けた。開けた途端冷たい空気が入り込んできて、亜久津は肌寒く感じた。そしてそこに立っていたのは制服姿の千石。 「…真夜中に人の家に来たとおもったら開口一番『回転寿司を食べに行こう』だぁ?ふざけんのも大概にしろ、バカ、死ね。」 「えーしょうがないじゃん、どうにか合宿切り上げさせてもらって家にも帰らずに速攻で大好きな亜久津のために亜久津の家に来たんだよ?そりゃ夜中だよ。つうかさ、親の顔もまだ見てないのに、わざわざタクシーで亜久津の家まできたんだよ?」 「誰も頼んでねぇよ、つうか迷惑だから帰れ、金持ちめ」 「えーやだよー回転寿司食べようよー!なにさー自分だって金持ちのくせにー!」 「……大体なんで回転寿司なんだよ…わけわかんねぇし」 「や、合宿中に食べたくなったんだよ」 「…大体やってんのか?今何時だと思ってんだバカ、深夜二時。深夜二時にやってる寿司屋なんかねぇだろ」 「…………絶対?」 「は?」 「絶対ない?誓える?もしもあったら何かしてくれる?」 「………あーはいはいはいはい、……わかった、行く。ちょっとまってろ、財布持ってくるから」 「うん、…あ、ごめん、ちょっと荷物置かせて欲しい…と言うかなんというか…」 「…お前泊まる気か?」 「うん、家には連絡済み」 千石の締まりのない笑みを見て亜久津は軽く舌打ちをしたが、すぐに千石に背を向けて手で来いと合図をした。千石は靴を脱いでその後に続いた。 真夜中の冷えた空気の中、千石は亜久津を後ろにのせてゆっくりと自転車を漕ぐ。亜久津は千石にしがみつく事無く、自転車に手をひっかけるようにおいている。 てっきり亜久津は自分に抱きついたりしながら乗ってくれるのかと思っていた千石は、内心がっかりしていたが、それでも自分の漕ぐ自転車に亜久津を乗せているだけでもいいか、と思いながら2人分の重さをもろともせずに足を動かす。最初はもしかしたら少し重いのでは、と千石も思ったが、思うよりも亜久津が軽かったので余計な心配だった。 楽しそうに歌を歌いながら千石は自転車を漕いでいる。暇に耐えかねて亜久津が煙草を吸い始めたので、紫煙が2人の後にかすかに残っていく。 「つーきのーさばくをー♪」 「…お前さっきからなに上機嫌で歌ってんの」 「んー月が綺麗だからさ、歌いたくなっちゃって。」 「…あー…」 言われてみれば、月が綺麗に出ていると思って亜久津は月を見上げた。 雲一つない、しかし都会だからか周りには一つも星が見えやしなかった。 しばらくして亜久津達は回転寿司の看板がついた建物に着いた。 「はい、到着ー♪」 「…………ホントにやってるし…」 「だから言ったじゃんかー朝方までやってるんだよ、ほら行こ。」 すこし驚いたように店を眺める亜久津の腕を、千石はぐいぐい引っ張っていく。 自動ドアが開くと、店員が出てきた。中は思ったよりも広く、まばらだが、人もいた。 「いらっしゃいませ、お客様何名様ですか?」 「あ、二名です」 「ではこちらへどうぞ」 店員に案内されるままに、2人は席へとついた。 「亜久津って寿司何好きなの?」 「………鮪」 「まぐろ?俺てっきり海胆とか言うかと思ったヨ」 「別に、…海胆も嫌いじゃねぇケド…」 「ふーん…あ、来た来たv」 千石は嬉しそうに流れてくる皿を取り、寿司を醤油につけ、亜久津に差し出す。 「はい、あーんv」 「な…誰がンな事…てめぇで食えよ!」 「何照れてんの、別にいいじゃんかー…誰も見てないって!」 「そういう問題じゃねぇよ!バカ!」 亜久津はそう言って千石をキッと睨み付けると、千石は残念そうにうなだれながら寿司を口に運んだ。 「…あーあー…残念、なんの為に来たんだか…」 「そんな事の為に俺を叩き起こしたのか…?」 「イヤイヤ、それとこれとは別だよ。」 千石は真面目な顔で亜久津に向き直った。滅多に見ない顔に、亜久津はほんのすこし後ろに退いた。 「ただ亜久津に会いたくてしょうがなくなったから、合宿も切り上げてきたんだよ。」 「……………バッカじゃねぇの…」 「んー?…ぁー言って良かったなァ…亜久津、そんな顔してくれるなんてさv」 「どんな顔だよ!」 「そんな顔、」 ずい、と亜久津の傍に近付く。亜久津の心音は高まるばかりで、千石の心理はわからなくなる一方だ。 「そんな顔してるとキスしちゃうよ」 「……ッ帰る!」 「えー全然食べてないじゃん」 「いらねぇ」 「……じゃあファミレスね、ファミレス」 「は?誰がンな事いったよ!俺は帰るんだよ」 「何言ってんの、サービスサービス!ホラッ!」 「…………あーもーわかった、わかったから騒ぐな……」 -- うー…こんなのでも勿体ねぇなぁとか思っちゃうよ…貧乏性。
「あくつー俺のズボンどこー?」 「は?」 「昨日着てた赤いやつ」 「………あー……洗濯機の中…」 「洗っちゃったの?」 「悪ィかよ」 「あー……何か服貸して…」 「は?テメェに貸す服なんざねぇよ」 「ズボンの替え持って来忘れたんだから、しょうがないじゃん」 「…自業自得じゃねぇか…」 「なんで!亜久津が勝手に洗ったんじゃん!」 「しょうがねぇだろ!邪魔なとこに置いてあってもう着たってのがわかってるもんを放置するわけねぇだろーが!」 「何さ潔癖性!」 「うるせぇよ!文句あるなら出てけ!」 「出て行けるわけないでしょ!裸で帰れっての?!」 「ぁあそうだな!猥褻物陳列罪で捕まっちまえ!」 「何それ、最低!」 「てめェにだけは言われたくねぇよ!昨日なんか服着たまましやがって!お陰で服一着ダメになっただろーが!」 「はっそんなの洗濯すれば着れるでしょ!」 「染みになってんだよバカが!ンなもん着られるか!」 「だって亜久津があんなかっこでアイスなんか食べるから!」 「おまえが買ってきたんだろ!」 「あんな顔して食べる方が悪い!」 「黙れ万年発情期!」 「…ッしょうがないじゃん亜久津が好きなんだから!」 「……………………」 「……………………」 「………ッ…最低……」 「……ごめんね……」 -- くだらないネタで…。 しかもあんまりすじっていうかなんていうかがとおらない…。 あ、前回言ってた歌なんですが、平井堅のアオイトリでした…ありがとうございます歪男さん…!(勝手に名前出してるけども) 私なんぞ声もわかりませんでしたよ…(つかもう曲調と男性が歌ってたぐらいしかはっきりわからなかったんよ…) 3rdアルバム……探してみようかな…。 -- あ、25日に言ってたオロロン話の続きなんですが、別にオロロンと千秋って設定じゃなくてもいいのか、と思ってオセロ×三つ目でどうよ、とか考えて、ちくしょうじゃあ原作がホモだとでも言いたいようじゃねぇか…!と自分でショックをうけてみた。(阿呆だ) ちなみにその場合「俺がお前に理由をやるよ」が決め台詞ですか。(どうなのソレ…) …やめた、そんなのやめやめ。 あれはオロロンと千秋だから好きなんだってことにしとこう、事実だし。
歌を歌う。 誰かのために、 君のために、 僕のために。 聞きなれないフレーズが耳に微かに残る。 歌を歌ったのは亜久津。 歌は微かで歌詞もよく聞き取れはしなかったのだが。 「なぁに、その歌」 「…は?」 「いや、だから今の歌、よ」 「………あー……忘れた」 「何それ」 「……どうでもいいだろ、」 「………うーん……じゃあ何で歌ったの?」 「…………なんでも、ねぇよ…」 気温はもう暑くなりはじめている。 …夏が来る頃。 彼は屋上のフェンスによりかかってグラウンドを見ていた。 彼の指に挟まっている煙草の煙が微かに空へのぼり、消えて行っていた。 僕は彼の隣に座り込んで彼を見てた。 見上げて見た彼の顔はどことなく、寂しいとでも言いたそうな顔をしていたが、なぜか訳は聞けなかった。 声が出なかった。 暑苦しかった。 肌がべたつく感じがした。 夏が来たと思った。 その日で一学期は終りだった。 いつものように放課後も近くなって勝手に入った屋上は静かだった。 君と僕の声しか聞こえなかった。 ねぇ、誰のために歌ったの、君は、その歌を。 覚えているのはたったワンフレーズ。 「…君が口ずさむ、僕が聞いてる 聞き覚えのないメロディー…」 ここに彼はもう居ない。 それが何の曲だったかなんて僕にはきっと永遠にわかりはしない。 彼が思い出さない限り、そして彼にあわないかぎり。 彼はあの歌を歌っていた次の日、居なくなった。 テニス留学、を。 行かないと行っていたテニス留学へと、旅立ってしまった。 僕一人残して。 お互いに、さよならも何も言える事無く。 おかげで僕はこうして彼の居なくなった屋上で、彼のようにフェンスによりかかり、空をみて、彼を思い出している。 この空のように、この歌が彼に届く事は無いのだ。 この声が、彼に聞かれる事は無いのだ。 多分、永遠に。 あの日君が誰のために歌を歌ったのかも、僕は、知ることも無く。 -- 亜久津が歌ったのは誰のためかは御想像に任せる。 それは誰のためでもないかもしれないし、誰かのためかも知れないのだし。 書いてる私はどれだっていい。とりかた一つで話が変わればいいと思う。 ちなみに歌はスガシカオの。…タイトル忘れちゃったけど。 あの、「ブギーポップは笑わない」のオープニングだったやつ。 好きなんだ。 そういえば、タイトルも歌手もわかんないんだけど(たしか青い鳥だった気がするんだけど)、かなり途中の部分(しかもうろ覚え)なんですが 「彷徨う2人残して 空に消えた青い鳥 ちぎれたままでいい 壊れたままでいい 君といられるなら 永遠に 乾いた夢 愛する事の痛み 全て此処に埋めて君と眠り続けよう」とかいうのが入ってる曲。 すっごい好きなんだけど、もー何年も前に一度聞いたきりなんだ…ふ、と適当につけたラジオ番組で聞いたんでメジャーじゃないかもしれない。 気になる……知ってる人いませんかね………。うーCD出てるなら欲しいよー欲しいよー! どうでもいいけど文章の書き方をすっかり忘れている気がする。
こんばんは。 この世で一番のくどき文句は 「別に君に勝ちたい訳じゃ無い」 「君を泣かせたい訳じゃ無いんだ」 「じゃあずっとそばにいる。」 だと思う今日この頃(一番っておまえ三つ書いてるよ…)です。 オロロン最高!(しかもオロロンから引用ですか) *結構ネタバレを含みます(オロロンに関しては今更ですか) つうかオロロンでゴクアクが書きたいなぁ、とか思ってたりするんです。 しかしその場合どちらをオロロンに、千秋にするかで迷っている。 ・オロロンは美人で色男だと自覚してて親に愛されなかった子で、自分が他人に疎まれるだけの存在だって認めるのが嫌で、強い悪魔のふりをしてていつのまにか作り笑いを覚えちゃって、他人嫌いで、千秋が好きで好きでどうしようもなくて、123歳。家族は嫌い、仕事はしてない(ぼんくら魔王)、千秋は可愛い、だからずっと一緒にいてもいいとか言っちゃう。シーラ(オロロンママ)が好きだったけど、オズ(暴君で大魔王なパパ)に似てるので愛されなかった。オズは大嫌い。他人を信じられない。彼にとって千秋は光そのもの。 ・千秋は天使と人間の混血で神。極度の良い人。人殺しはダメだと言う、オロロンを人殺しだと罵って毛虫を見るようなシーラと同じ軽蔑の目で見て、それを後悔しても言い過ぎた言葉に訂正もできなかった子。雨の月曜日にオロロンを拾った。結構途中までオロロンが過保護すぎるため男としてではなく父親のような感じだと思っていた。(※オロロンはどうにも出会った時から自分は千秋の男だと信じている)最後の方で死んでもいいから一緒にいようとオロロンに言う。最初から最後までオロロンのほうが美人。後半から急激に女の子らしく可愛くなる。家族が居ない。叔父と叔母には嫌われている。 なんつうかさ……オロ千なのよ。 そうなると自動的にオロロン=千石かなっておもうじゃん。 でもさ、意地っ張りで妙な所で素直に言えないのはオロロンなの…。 美人なのもオロロンなの。自分からも孤立しちゃうのはオロロンなの。 私の理想的にはオロロン=亜久津でもいいかな、とか思うの。でも千石が千秋だとアクゴクなんだ。 だって…千オロありえない……あの2人に置いてはありえない……後半ではありえるかもしれないけど最初は明らかにオロロンが千秋が好きで好きでしょうがないんだもん、千秋は好きなのかどうかわかってないんだもん。 …つうか、私が書きたいのはただゴクアクで「君を泣かせたいわけじゃないんだ」の辺りの話が描きたいだけなんです。 …あと「本当だよ…誰もいない、あたしに傍にいろって言う人なんて君以外誰も居ない!ねぇ、一人でどこに行くの、」とかのあたり。 ……無理かなー…。 ……これ…後で消すかもな。
うわむかつく題やね。(自分でつけたくせに!) *てか普通にまだ23日ですが。 えっと、…なんつうか…普通にあたし以外はつまんない…だろうなぁ…コレ(笑) -- 「…ッ…や、だ!」 暇だったから亜久津を無理矢理押し倒して犯した。 レイプみたいな、感じで。 亜久津は泣いてて、喘ぎ声としゃくり声をあげていた。 でもそのうち亜久津はすがるように俺の背中に手を回して、必至で声をあげたり俺の名前を呼んだりしはじめて、それがたまらなく嬉しくて仕方がなくて、何度も犯した。亜久津の中は そのうち亜久津の涙は渇いて、でもできるかぎり声を押し殺して喘いでた。 だんだんとつまらなくなったので、近くにあったボールペンでも入れてみようと思いついて、亜久津の中に入れた。さすがにペン先はまずいか、と思ってノックする方を。 何度も抜き差ししていたお陰か、亜久津の体はあっさりとボールペンを受け入れたが、亜久津は酷く嫌がって「抜いて」と何度も言ってきた。 それが可愛くて仕方なくて、でももっとその声が聞きたくてもう一本入れた。 ゆっくりと奥に押し込んで行く度、びくびくと亜久津の足の筋肉が突っ張る。亜久津が「ひ、」とか「や…ッ」とか声をあげる。 何本か入れたら、亜久津はまたぼろぼろと涙を流して、「お願いだから抜いて」と繰り返し言い始めた。いつもの亜久津との変わりぶりに驚きながらも、楽しくて仕方が無かった。でもやっぱり可哀想になってごめん、と言いながらゆっくり抜いてあげた。亜久津は腕で目を隠すように泣いていたが、その腕をどかして彼の額にキスして、瞼に、鼻に、唇に、鎖骨にキスをした。最初は俺が触れる度にびくついてたけど、何回か繰り返す度に亜久津の腕が絡み付いてきて、そのうち彼は俺にしがみついてきた。 「……ごめんね」 五度目のキスのあと、亜久津はようやくゆっくりと目を閉じた。涙が一筋流れたから、俺はその涙を舐めとった。 そしてまた抑えがきかなくてイカレたみたいに亜久津を犯した。 眠る時、先にシャワーを浴びた亜久津は俺に背を向けて寝ていた。 その姿を見て不意にその背中に触れたくなったが、何故だか触れてはいけない気がして、やめた。そして寂しさを覚えたから俺も亜久津に背を向けて寝た。 翌朝、寝返りを打つと、亜久津がこちらを向いて寝ていた。 無防備に寝ている。色素の薄い髪の毛がさらさらと流れるように落ちた。 日の光に透けるようで綺麗だ、と思ってみとれていると、起きた亜久津と目が合った。すこし戸惑いながらもお早う、と言ったら亜久津はぁあ、と答えた。寝起きだからか、掠れている。 そして亜久津の腕が俺の背中に伸びる。そしてそのままその腕は俺の背中で交差されて、俺を抱きしめた。俺が戸惑っていると、「眠い」と一言だけ言って、首元に頭を置いて彼は寝てしまった。 俺はどうしたらいいかと暫く戸惑っていたが、亜久津の体温につつまれているのが幸せに思えて目を閉じ、亜久津の背中に腕を回した。 きっと次に目覚めた時、彼は自分でしがみついた事なんて覚えていないのだろうなぁ、可愛いなぁ、とか思って少しだけ笑った。 -- ゴクアクエロにチャレンジ。(中途半端すぎます) ついでに千石一人称にチャレンジ。(やっぱり中途半端すぎだよ) もっとちゃんと書けるようになりたいなー…。 つうかもう久しぶりすぎるチャレンジでどう書くか忘れちまったYO…。
どこまで逃げられるかなんて考えたことは無い。 「どこ行くんだよ」 「どっかとおく。」 「……金は」 「あるよ」 「…あっそ…」 ガタンゴトン、と電車は走って行く。 乗客の気持ちを知らず、乗客の行く先も知らず、決められた線路を決められた時間に走る。 ここは酷く静かだ。 人が居ないというだけではない。 ここは確かに街の中なのに、どこかの駅に止まってしまうまで、まるで別世界だ。 千石は亜久津の肩に頭をのせ、ぼんやりと前をみながら言った。向の窓の外の景色は早くも無く遅くも無く過ぎ去って行く。 亜久津は眠っているかのように目を閉じて黙っている。 だが不思議とこの沈黙は心地良い。 お互い、深い干渉をせずに少しの接点だけでつながっているようだ、と千石は思った。 「………どこ行きたい……?」 「…別に…ねぇよ」 「……じゃあとりあえず終点まで行こう」 「…あぁ、」 基本的に亜久津の返事は曖昧で、答では無い。 時々、まるで相手に次の言葉を催促するような喋り方をする。 それがなんだか甘えられているような錯角を生み出し、亜久津の意図する所では無いが、その感覚が千石は好きだった。 終点は、寂れた街だった。 都会の外れ、とても静かだ。 「…日、暮れかけれんじゃねぇか」 「どっか泊まる所探そうか」 君の手を引いて歩く。 「…泊まんの?」 「帰る頃には電車無くなるよ」 「…………適当に安い所な」 「ビジネスホテル?」 「あーわかんねぇ」 「ラブホ?」 「死ね」 「なにさー…しょうがない、このキヨたんが全部奢ってあげるから安心しなさい」 「何様だ」 まるで逃避行みたいに。 「清純様v」 「ばっかじゃねぇの」 「…その言い方可愛い……」 「ッ!死ね!」 知らない街を2人で手を繋いで。 「………………………ここでいいや」 「…高いんじゃねぇ?」 「だいじょぶ、金ならある」 「ケッ…金持ちが」 「亜久津だってそうじゃない」 「そうでもねぇよ」 「そうだよ」 「………まぁいいけど……」 「すいませーん、一泊したいんですけどー」 少しだけ、逃げるように。 「ふぃー予約制じゃなくてよかったーv」 「全くだな」 「…あ、お風呂はねー温泉あるってサ」 「あっそ」 「一緒に入ろうねvあっくん」 「は?テメェ一人で入って来い」 「やだよ、つまんない。それにねー夜は貸しきりみたいなもんだって、今日団体客とか丁度帰ったところで俺等となんか一家族しか居ないんだって」 「……お前さぁ」 「何」 「…疲れねぇの?」 「……疲れないよ」 「…疲れたから俺はもう寝る…」 「何言ってんの!夜はこれから!!」 「一人で言ってろ…」 「……寝ないでって、亜久津」 -- 電車にのって行ける所まで行く旅をしたい。一人でもいい、誰かとでもいい。 むしろ旅に出たい。 つうかいつもいつも中途半端なもんですいませんねー…私の思いつくままに書くので。基本は一発勝負だ!(ドン★/遊戯王…?)
なんていうか…駄文。 もっと妙な話が書きたかったんだけどもう時間切れ!さー暑中御見舞いかこー。社長萌えしている場合では無い。 -- 小さな子に知り合いなんかいないのに、何故かどこかで見た事があるような気がして、声をかけた。 彼は拳の包帯を巻取りながら、公園のベンチに座っていた。 「何してんの」 「……誰だテメェ」 「……………あ…」 こちらを向いた、さらさらした赤みかかった茶色の髪と、鋭い目。男の子にしては白いような気がするし、細いな、と思った。 「……ンだよ…喧嘩でもうってんのか?」 「へっ?違う違う!知り合いに似てるなーって…思って」 「………あっそ」 彼はふい、と視線を反らして空をあおぐ。 「…隣、いい?」 「……誰もいねぇだろ」 「…じゃあお隣失礼しまっす」 笑顔で千石は彼の隣に座った。 そしてじっと、その横顔を見つめる。見れば見る程似ている。 亜久津に。 他人の空似、かとも思うがそれにしては似ている。 違うのは髪の毛の色と髪の毛を逆立てていない事だけだ。 「………………」 「…………ンだよさっきからジロジロと……」 「…いや、似てるなーって………」 「………俺はお前なんかしらねぇ、失せろ」 「…やっぱり似てる…」 「…………ッうぜェっつってんだろうが!」 「そういうところそっくり。可愛いね」 「………………ッ…可愛いっつわれて嬉しい男はいねえよ!」 「うん、それはわかるんだけど、そういうところがさ、」 ずい、と顔を近づけ、にっこりと笑った。 「好きなんだよ」 ++ 文字化けしたうえに半分ぐらい切れててびっくり。もう奈いよ宇忘れちまったよ!(笑/22日)
実は前から思っていたのだが、亜久津は病院が似合う。 いや、真っ白過ぎるこの空間のなかに、君は違和感なく溶け込んでしまえるのだ。 一点の汚れも無い白い空間に。 正確には灰色がかっているが、それでも白いという表現が一番あてはまる病院という空間に、君は、とけこんでしまうのだ。 ベットの上で身じろぐ度、色素の薄い髪が、さらさらと落ちる。見なれた光景、違うのはこの場所と、君が、怪我をしているという事だけ。 本当はベッドの上で髪をおろして眠る姿を見た時に、病人のようだと思った事があった。実際そんな無茶な喧嘩ばかりしている彼に生傷は絶えなかったし、いつ病院にお世話になってしまうんだろう、と心配していた。 でもそれは絶対ありえない事を前提とした心配だった。 「……あくつ……」 ぎゅ、っと手を握りしめる。反応は返ってこない。脈は弱い。常人よりも、低い体温が恐くなる。確かに血は通っているし、呼吸もしているけれど、まるで、まるで眠ったまま死んでしまったかのようにみえて、恐い。 パタン、と後ろで音がして、振り返ると亜久津の母親の優紀ちゃんが青ざめた表情で病室に入ってきた。ここは個室で、他の患者はいない。これは重症とか、隔離とかではなくて、ただ病院側の配慮だ。下手なトラブルを招かないように、と。 「キヨくん……仁、まだ目、覚めない?」 「…うん…まだ、」 「………そう……」 優紀は、亜久津の寝ているベッドを挟んで千石の向い側に立ち、そっとやさしくわが子の前髪を梳いた。 「………ありがとね、キヨくんが救急車呼んでくれたんでしょ?」 「…うん……あんなに出血してる人なんか始めてみたから…」 「……ありがとう」 冷たい空気が流れている。 ああ、そういえば外はまだ雨が降っているんだった、と千石は窓を見た。窓には絶え間なく雨が伝い流れている。 「…じゃあ、私帰るね、キヨくんも気をつけてかえってね」 「はい」 また、この個室は亜久津と千石の2人きりになった。 亜久津に繋いである、血液チューブは、最初よりいくらか減った気がする。 「………………」 両手で亜久津の左手を握ったまま、千石は頭を下げた。 ふ、と指が動いた気がして亜久津の顔を見ると、亜久津はゆっくりと眩しそうに目を開けた。暫く視線を天上に彷徨わせる。 「……………ぁ…?」 「…おそよう、亜久津」 千石が声をかけると、ゆっくりと千石に顔を向けた。状況が整理出来ない、どうしてここに、いや、それよりここはどこなのか、そんな顔をしていた。千石は、困ったような顔をして、微笑んだ。 「………………千石………?」 「病院だよ、……刺されちゃったんだよ、亜久津」 「……あー………そういや…」 言いかけて、刺された箇所に、右手を触れる。 「…………ッ…」 「大丈夫?」 「…別に、何ともねぇよ」 「そんなわけないじゃん…すごい血ィ出てて…すごい……俺……心配して…!」 「……………せんごく…」 軽く横に首を振って下を向く千石の頬にに、ゆっくりと、亜久津は上体を起こして、左手で触れた。 千石は亜久津を見た。目がかちあう、お互いに視線をそらせなくなる。 「………死ぬのかと思ったんだよ。」 「……………悪ィ…」 「……………二度と、」 言葉を遮るように、亜久津の腕が千石の背中に回り、顔が近付いて、ゆっくりと唇が重なる。 「死なねぇよ、……死んでたまるか…」 「………………うん…………」 千石も亜久津の背中に手を伸ばす。傷口に触れないように、そっと手を伸ばし、ぎゅ、っとその背中にしがみつく。 「…………………死なねぇ、から」 「………俺の事離さないと、傷、開いちゃうよ……」 「…うるさい」 「……もっと、体大事にしなよ…」 「………人の事強姦するような人間の台詞じゃねぇよ………」 「…うん、ごめん………でも亜久津が好きだから」 「……ぁあ」 喉ににっかかったような、掠れた声が、とてもとても愛おしくて少しだけ腕の力を強くした。 まだ外の雨は止まない。 外は冷たい。 君の体温もまだ少し冷たい。 -- この間の続き。まだ続く。多分次で終り。 やっぱりなんか精神的にはアクゴクっぽい気がしてならないんだが…。
忍足がシャワーを浴びて部屋に戻ると、ちょうど見計らったかのように携帯が鳴った。(否、正確にはバイブレーションにしていた携帯が、机の上で震えて音をたてたのだが) 「…何やろ」 髪を拭きつつも手を伸ばして携帯を取り、受信したメールを読む。 『明日暇?』 内容はたった一言。差出人は向日。忍足は一瞬考えたが、すぐに返事を送る。 最初はメールを打つ事も頻繁ではなかったので、別に早くなかったのだが、向日とのメール交換を繰り返すうちに、自然と忍足もメールを打つのが早くなっていった。お陰で通信料で親に怒られた事もあるようになるぐらい、頻繁なメールのやりとりは増していった。 同じ学校にいても、会えない授業中や中休み、休日には会ったりもするがやはり会わない時のやりとり。そして分かれ道から帰宅するまでのやり取り、さらにその後での寝るまでのメールのやりとり。 はっきりいって異常な量だ。しかし内容は大したものではない、一言づつの、取り留めのない会話。会って話せば五分もかからないような短い会話だ。 しかしそれをわざわざメールでやりとりする事が、2人とも楽しくてしかたなかった。 メールが届くまで待つ時間も、相手が返事を打っているのを待つ時間も、どちらも歯痒く感じる事がないとは言い切れないが、その感覚すら楽しかった。 『暇やで』 返事はすぐに返ってくる。 『じゃあ遊ぼうぜ、何時がいい?』 『何時でも』 『なら二時に"セブン"な』 『ええよ、待っとるで』 セブンというのは2人の家からの中間点にある、紅茶が美味しい喫茶店だ。 向日が好きで、よく行くので一緒に行く忍足もなじみである。 『じゃあ、明日』 直接顔が見えないのは寂しい。 直接声が聞こえないのも寂しい。 それでも電話でなくてメールなのは、声を潜めるようなやりとりが楽しいからだ。 声を潜める、何かを誰かから隠すように、身を隠すように声を出さない会話は面白い。 いや、やはり直接会える事よりも嬉しい事などないのだけれど。 -- なんかイマイチなんで没。 イイ設定かと思ったが私携帯もってないから説明とか書きづらいだけだった。
ゲームをしようと言い出したのはやはり千石だったのだが。 耐えられない、と先に思ったのもやはり千石だった。 「みーなみーーーーーー」 「…………何だ千石」 「………しんどい、なァ……」 「…まだ二日目なんだろ…」 「だってさー……」 「大体お前自分で言い出したんだろ?『一週間会話もせずに何もせずに全くの他人になりきってみよっか』って」 「…………うー……でもこんな辛いと思わなかったんだもん……やばいなー…亜久津なんて普通にケロっとしてそうだもんなー…」 「……それ負けた方は、」 「俺が負けたら今後一切関係しない、亜久津が負けたら俺に御褒美。」 「………お前さ、自分で自分の首絞めるの好きだよな」 「…だってこんなさ、」 「何」 「………こんなに俺亜久津に依存してたんだなー…、って始めて思った」 「…前からそんなじゃねぇの」 「…本人の意図する所ではないのだよ、南ちゃん」 「………あっそ」 「冷たいなー…暇つぶしにつきあってよ!」 「俺も忙しいんだよ!見て判んねェのかよ!」 「キヨたんは暇なの、遊んでよ」 「嫌だ」 「………つまんないなー…何して遊ぼ…」 「部活中なんだから試合しろ千石ッ!」 「怒んないでってばv」 はっきりいってここまで自分にダメージを与える事になるとは思ってもみなかった。 しかし同じ学校内、すれ違ったり姿を見かけたりする事は多々有るもので。(しかもそういう時に限ってそんな回数が増えるのだ) 「…死にそ…」 -- なんかこれはあんまり書く気がない。ただこういったネタがあったなーと自分とのうろ覚え大会。 本当は元々ルサン用のネタだった気がする。
公園のベンチに座っている亜久津を見かけて、越前は立ち止まった。 「…なにしてんの」 「……テメェに関係あんのか?」 「別に、ないけど」 顔は見えない、後ろ姿だけ。だがお互いに相手が誰だかはわかっている。越前はそれがなんだか変な感覚だ、と思った。 亜久津は煙草の煙に日をつけた。煙が空へと登っていく。 「…………お前、俺の視界からさっさと失せろ、邪魔だ」 「…何そんな怒ってンの、アンタ」 「うるさい」 「………いつものあの人はどうしたの?」 「誰だ」 「…ラッキー千石」 「……知らねぇよ……」 「…じゃあアンタ今一人なんだ?」 四問目の質問に、痺れを切らしたように亜久津は振り返って越前を睨んだ。 「………お前なんなんだ、さっきから」 「……理由が欲しいの?」 「は?」 越前が距離を縮めて亜久津の傍に来たので、位置的に、亜久津が越前を見上げる形になった。 「………あんたの事気に入ったんだよね、俺」 「…………俺はお前なんざツラも見たくねぇ」 視線がかち合い、亜久津は越前をさらに睨み付けると、そう言って前を向いた。越前は軽い溜め息をついた。 「…ふーん……別に、いいけどね…俺は、」 「越前君」 越前の言葉を遮って、横から千石の声が聞こえた。千石は走ってきたのか、息を切らしている。 「………何ですか」 「俺のモンに手ェ出さないでくんない?遊び相手なら他の子あげるから、さ」 「…テメェ、何言ってんだコラ、千石…」 「亜久津も、………越前君に近付かないでよ」 「…嫌ですよ、オレ。指図されんの嫌いですし」 「……亜久津みたいな事言わないで…帰って」 「………しょうがないっスね、帰ればいいんでしょ、千石さん」 「ばいばい、越前君、さて……亜久津」 「…………50分」 亜久津は真正面にある公園の時計を見て言った。 「へ?」 「あと一分遅かったらテメェ一人で映画観賞だったな、……行くぞ」 「……うん、遅くなってごめんね」 「反省してねぇくせに」 「だって亜久津は許してくれるでしょ?」 「…………ばーか」 -- いや、ちょっとデートの約束を。 しかしリョーマさんってリョーマと書くべきなのか、それとも越前と書くべきなのかで迷う。
えーと、あれです、以前描いたBR in 山吹(ものすごく描き直したい)。 小説に、しようと思いたったわけです。 微妙な部分ばっかかなーとか思うけど。 もうさ、絵のほうにネタバレ書いてあるからどうしようかなーとか思うけど、とりあえず、とりあえず微妙に。 ていうか今気づいたけどここに室町っておかしいよね、彼奴二年生だよ。(大笑) 気づくのおっそー!!アッ しかも私、壇も書く気だった!(爆笑) …………………………あ、なんでか解った、これ山吹でっていうかテニス部内でっていう設定だったんだ…(しかしそれって人数少なそうだね…) 暗い話。ていうか誰も幸せにはなれない話。 なんつうか弱(?)パラレル。 -- 『残ってるのは―…亜久津君…と、千石君ですね。残り時間はあと二時間です、2人とも頑張ってくださいね、』 ブツッと乱暴に放送が途切れた。伴田の声を聞いて相変わらず嫌な声をしている、と思いながら千石は、立ち上がった。 先程まで弱く降っていた雨が止んだ。 その雨水が、地面の凹凸にたまっていて歩く度にパシャパシャと水滴が跳ねる。すこし、赤い血が混じったその水滴が、白い制服のズボンにかかる。 赤い血の流れ出る先―…室町の腹の辺りは大量の血で染まり(どうやら切腹したようだった)、左胸には彼に支給された武器であるサバイバルナイフが深々と突き刺さっていた。彼自身の両手にしっかりと握りしめられたまま。 それは彼自身が、彼がとても尊敬している千石清純を生き残らせる為に、彼自身が自害した証拠だった。 彼のトレードマークのサングラスには雨のおかげで水滴がまばらについていたが、最後までサングラスの中の彼の表情はわからなかった。 「………ばいばい、室町君」 千石は室町に背を向け、そのまま森を進んで行った。足取りはふらついているが、楽しそうだ。無闇やたらに振っている左肩からはマシンガンをぶら下げ、右腕には一丁のピストルを。今にも落としそうな持ちかたで持っていた。 そして一度も振り向く事は無かったが、その坂道の、千石の足下にはしばらく赤い雨水が流れていった。 -- ガサガサと音をたてて亜久津は草をかき分けた。 とにかく、森は出た。あとは… ふと、亜久津はそこで思考を一旦停止させた。 あとは…何だ。 残っているのは、自分と、室町(しかしどうして彼もこのゲームに参加しているのかが亜久津にはわからなかった、何故なら彼はこんな馬鹿げたゲームなんて放棄するのでは、と思っていたからだ)、そして…千石。 もう他は誰もいない、実は意外と生き残るかと思っていた南(いや、だがやはりあいつは優しすぎた。こんな馬鹿げたゲームには向いていなかった、可哀想だが、本当に、こんなイカレたゲームは向いていなかった。)だって死んだ。 あとは、自分と千石と室町だけ、どちらも殺せば俺の勝ち、逆にどちらかに殺されたら俺の負け、と亜久津はそこまで考えて、目を閉じた。そして深呼吸。落ち着け、落ち着けばやられる事は無い。 俺は誰だ?俺は―………人殺しだ、そうだ、人殺しだ、イカレたゲームにつきあったイカレた人殺しだ。 亜久津自身、自責の念などあるとは思わなかったがどこかで悔やんでいるような罪悪感に似た感情にずっと抱きかかえられているような感じだった。 -- パララララ、とタイプライターのような音を立てて(どこかで見かけた表現だが、本当に似ている音なのだな、と悠長に亜久津は思った)千石のマシンガンが火を吹いた。 亜久津はとっさに右の大木の影に走った。 が、足に二発程あたり、大木の影に入ると倒れこんだ。 ―…健のあたりだ、クソ、やられた! 影にはいった亜久津には姿こそみえないものの、千石が微かに笑い声をあげながら近付いてくるのがわかった。 「亜久津ー?どーしたの、隠れてないで出ておいでぇー?」 ザクザクと、土を踏み締める音が近付く。亜久津の心音は高まるばかりだし、出血も止まらない。傷口が熱を帯びてきて熱く感じる。 「…亜久津、ほら、…出ておいで、」 大木の、ちょうど亜久津がいる裏あたりで足音がとまった。 しばしの沈黙。 沈黙に不信感を覚えた亜久津がそっと気の影から顔をだすと、瞬間、前方から千石にとびかかられた。 衝撃でそのまま千石に押し倒されるような形になった。亜久津は元から鋭い目をより鋭くさせて、自分の体に乗るようにすわりこんだ千石を睨んだ。 「やっとみつけた、久しぶり、亜久津」 千石はいつものような締まりのない笑顔をうかべると、亜久津の額にキスをし、次に瞼、そして唇にキスをおとした。 「……探したよ」 「………何で、」 「……………………会いたかったんだ、すごい、会いたかった」 そしてそのまま亜久津の体に擦り寄るように体を寝かせると、腕を回して亜久津の体を抱き締める。 「……何のマネだよ……」 「………………一回、だけ…だめ?」 「…嫌だ」 「…じゃあこのままちょっとだけ、それもだめ?」 「……………………」 「…………………………亜久津が、俺今でも好き、ていうか、愛してるよ」 「……お前何人殺した?」 「………俺はあんまり殺して無いよ、室町君が殺してくれたし」 「………室町…そういやあいつは…」 「自殺しちゃった」 「………自殺、だと?こんな土壇場で」 「こんな時だから、だよ。だって自分がいたら俺が生き残れないでしょ、って腹かっ捌いて、心臓指して、さ」 「何も感じねぇの?」 「…だってしょうがないじゃん、室町君の選んだ終わりに俺は文句なんか言う権利ないし」 「……最低」 「…別に、最低でいいよ、亜久津、ねぇ、大丈夫だよ。他のやつとは違って一発だから、すぐに楽になるから、ね? ごめんね。」 「は、」 亜久津が言い終わる前にドンッ、と鈍い音と共に亜久津の体は震えた。千石の手の中にある拳銃の、熱くなった銃口は亜久津の生暖かい血液に浸り、かすかにジュ、という音を立てた。 少しだけ跳ねた血が千石の制服と顔についた。千石はその血を指で拭い、舐めた。 「……………ごめんね、亜久津、でもさ、俺おまえの事一等大好きよ?」 ―…だってさ、亜久津、こんなのは死んだほうが楽だろ? 現実に絶望したりするより、俺の事を殺すより、俺が殺した方が、死ぬ方が楽だろう? 千石は亜久津の制服から、彼の煙草の箱から煙草を一本取り出して一緒に入っていたライターで火を付けて吸った。紫煙が立ち上る。 溜め息をつくように煙を吐き出し、また吸い込む、その作業を繰り返しながらも、千石はパタパタと無意識の内に流れ落ちる涙を拭う事も無く、目をふせて上を向いた。 もう日は傾いている、夕焼けも終わりかけだ。 -- 書きたいと思ったのは最後のほうだけなのであとは書かずに。
君を愛しているんだよなんて、冗談なら言えるけど、本気でなんて照れくさくて恥ずかしくててんでダメで。 そういう事を君に言うと君は「嘘くせぇ」って言うけど本当だよ。 あんまりにも君が好きすぎて本気で愛してるなんて言えないよ。 「………あっくーん、ヤニないー?」 「…テメェなんかにやるヤニなんかねぇよ」 「じゃあいただきー」 素早く彼のくわえていた煙草を取り、口をつける。 「…亜久津味」 「わけわかんねェ事いってんじゃねェヨ」 「んー…煙草の味もするし、亜久津と間接キスだし…これは亜久津味と表現しても何の差し支えもないとおもうがね?」 「…テメェは誰なんだよ…ったく、返せ」 「ん、煙草は体に悪いよー?そんな事よりこのキヨちゃんと遊んでよ、ね?」 こういう事は冗談だから、余裕があるからできる訳で。 だからいつもセックスは途中から俺は無口になるんだよ、と彼に言ったら殴られた。 -- 可愛い話が書きたかった。(どうして私の話って可愛げがないのか/お前がひねくれとるからじゃ!) 全然関係ないけど、亜久津を「あくつ(平仮名)」って言うのすごい可愛く思うんですがどうですか。(これ違かったら可愛いのなんて私一生書けないネ!/笑) どうにもよろんさんに送りつけたいゴクアクネタをな、書きたいなーと思っったんだが、こう…文章に変えると全部いっきに書いちゃうんですよね。(だめじゃん) ネタだけなのに!ネタだけなのに! こう、頭のなかで、あたしにしかわかんないような感じで存在しているから、なかなか人のために書くとなるとむずかしいと知った日。
僕はいつからこんなに不器用になってしまったんだろうとか、思うよりも早く行動に出てしまう事がなんだか忌々しい。 行動に移れる事は誇れる事かも知れないが、僕にとっては忌々しい事だ。 何もかも理屈をつけてしまいたい。屁理屈でもかまわない。 そりゃあ好きになるのに理由なんかいらないのはわかっているけれど。 逃げ道が欲しい訳では無いのだけれど。 不器用な僕達は不器用に愛を紡ぐしか無くて。 お互いに傷を増やしては舐めあって慰めあって抱き寄せあって依存していく。 色々な足りない所をつなぎ合わせてどうにか一人になれるんだ。 きっと、きっとそうなんだ。 足りない所を埋めてあげるからずっとずっと一緒にいよう、そうすればきっとバラバラになんてならないはずだから。 -- 最初、「知れないが」を「知れんが」と打って『誰だよ!』とつっこんでしまった(阿呆だ)あ、そういえば得にタイトルに何か書いて無ければ大概ゴクアクですよ。ここの文章。
「亜久津ー?」 玄関の扉は開いていたのでてっきり彼がいるものだと思って、千石は亜久津の家へと入った。靴がないのが気になったが、とりあえずそのまま彼の部屋へと向かう。 「亜久津?」 千石は彼の名前を呼びながら扉を開けた。 しかし、部屋の中には誰もおらず、乱れたベッドの上で開け放たれた窓のカーテンがひらひらと舞っている。 「……まったく、…不用心だなァ…」 溜め息を尽きながら、そのベッドに腰掛けて千石は呟いた。そのまま後ろの壁にもたれかかる。ちょうど首元に開け放たれた窓から入る風があたって心地良い。 「…………つうかこのベッド日当たりいいなー…うらやまし…」 そしてぐしゃぐしゃにされた毛布をとり、顔を埋めた。 ―…亜久津の、匂いがする。 体温を感じない毛布からする鼻を掠めるその匂いと、日向の匂いの、千石が堪らなく好きな匂い。 「……早く帰って来い、あくつ。」 この毛布が少しでも暖かければ、と思いながらも千石は眼を閉じた。 そして少しでも早く亜久津が帰ってくるように、と祈るように微かに呟いた。 -- 亜久津は煙草を買いに行ったんだけど出かけ先で喧嘩売られちゃって帰りが遅いの。 ++ つうか昨日すっかり忘れてこっちじゃなくて普通の日記に書いちゃったんだよね。(バカ)
ドラマ「ロングラブレター 漂流教室」のミサキさんとアサミ君のカップルが私は大好きだった。 -- こんな時にでも、時間はゆったりと流れるのだ、というのを感じるとなんだか無性に悲しさを覚える。 懐中電灯をたよりに、図書室の本を2人で読みふける。こんな事をしても自体の解決策にならないのはわかっていても、それでも微かな希望にでも縋ってしまうのが人間なのか、などと思いながら三崎は家庭栽培の参考書を読んでいた。 もう一冊を読破する所で、突然浅海が口を開いた。 「三崎さん、あの時、さぁ」 「…どの時よ」 三崎は隣の浅海に視線を向ける。 「……妬いてるって言ったらどうするつもりだったの?」 「それ何時の話?」 「…『ココ』に、来る前に…あの……男に会いに行くって言って学校から出ようとしてた時、」 言われて思い出したのは、藤沢との約束。 彼奴は、彼奴の事なんかとっくに許してるのに、がんばって、アタシに許して欲しいと思って頑張ってきたのに、待ってるのに、行けなかった、果たせなかった約束。 落ち込む気分と同じように、自然と視線が下に落ちた。 「……………それでも、……会いに、行ってたよ。 だって、大事な約束だもん。」 少し間をおいて、 「……………そっか、」 「………あーもう!余計な事思い出させないでよ、悔しいじゃん。」 「…………ゴメンナサイ…」 「…………あやまんないでよ、」 「だって怒ったじゃん」 「ッ…………それは…!」 ガタン、と音をたてて席を立つ。 涙が瞳から零れ落ちた。 そして三崎は浅海の真直ぐな視線が痛く感じてすぐに眼をそらして出ていこうとした、が浅海は三崎の腕を掴みながら自分も席を立った。 「…泣かないでよ」 「……………うるさい、よ」 突き放すように、手で浅海の体を押す、しかし浅海はそのまま三崎の事を抱きしめた。 「…………………もすこし、このまま……いい?」 そしてそう言うと、浅海はそのまま眼を閉じた。 ―…滑り抜けてしまった。 曖昧すぎる時間の流れを、滑り抜けてしまった僕らはもうあの時間に戻る事はできないのに、それでも、それでも、諦められずに、 傷を舐めあうようにこの時間の中でただ慰めあって、お互いに温もりを求めながら、 不確かな明日、いや、不確かな昨日を取り戻したがっているのだ。 -- 漢字とか忘れてて適当。(死) ドラマとかは二次創作する気ないんだけど、なんか思いついたから。 結構ウロ覚えだから色々とつっこまれると痛いですが。 走り書きなんで色々ボロがでるのも承知だけど描きたかったんだ!(*ちなみに今日は本当は20020808)
雨音が激しくなってきた。雷の音も酷く響く。そしてその雷の音に間髪入れずに走る光の筋がまぶしい。 雨の日は好きだ。 …そういえば彼は雨の日を忌々しく思うと言っていた。 音も、匂いも、目に見えるその光景も、全てが忌々しいと彼は言った。 こんなにも、こんなにも、自分にとっては心地よくても彼にとっては心地悪い物なのだ。 大きな雷の音が体に響く。まるで打ち上げ花火をすぐ隣で打ち上げているような、いや、言い過ぎた、そこまでではないが、まぁ、そんな感じ。 響く響く響く音。 ギクリ、としないと言ったら嘘になる。だがそれすらも楽しく思えるのだ。 雷も音も匂いも雨も全部。 だから雨の日は嫌いになれない。 「あ」 千石が雨宿りを兼ねて入った喫茶店の窓の外をぼんやりと眺めていると、視界に見なれた姿が見えた。二階から見える景色だが、何故かその姿だけはとても鮮明に見えた。 どうやらずいぶんとそのまま雨に打たれてきたらしく、ずぶ濡れで歩くその白い姿。いつも立てている髪の毛はもうすっかり落ちている。 だが何よりも気になったのは、そのはっきりとしない足取り。 そして彼は足を絡ませたように、近くの電信柱に軽く寄り掛かり、そのまま、その場にうずくまった。 どうしてもその姿から目が離せなくて、千石は代金を飲みかけのコーヒーソーサーの下に置いて慌てて店を出た。 店を出てすぐに、雷はもちろんだが、バシャバシャという雨音が煩い、と思った。 だがそのまますぐ下の電信柱にうずくまる彼に千石は駆け寄った。水たまりの水が跳ねて白い制服を汚すのも気にせず、水が靴下にしみる気がしたのも無視し、もうつい先程まで煩く感じた雨音も耳に入らなくなった。 「亜久津?!」 出た言葉は疑問系だったが、彼が誰なのか、は確固たる自信があった。 自分が彼を間違える事なんてありえない、と思ったからだ。 「……………ぁあ?……………千石、か」 亜久津の体を自分の方に引き寄せると、亜久津は閉じていた目をうっすらと開いた。 千石はいつもよりも暖かく感じる亜久津の体を軽く抱き締めて言う。 「うん、ね、どした…」 千石は言いかけ、しかし言葉を失なった。 彼の背中に回した自分の手に、ドロリとした赤い液体がべっとりとついているのに気づいたからだ。そしてちゃんと見れば、それは千石と同じ、彼の白い制服の腰のあたりを赤く染めていた。そしてそれはポタポタと雨が降り注ぐ道路に雨のように、雨と混じり零れ落ちている。その流れを目で追えば、それが雨で薄まって排水溝へと流れていくのが見えた。なんだか全てがスローモーションに見え、また、全ての音が消えた。 亜久津の、赤い、赤い、真っ赤な血液が彼の体から抜けていくように、彼は元から少ししかない赤みを失い一段と青白くなっていく。 「………………………………な…あく、つ…?」 千石に嫌な予感が走った。 亜久津はずいぶんと雨に打たれていたようだし、雨の中で怪我をしたにしては血が制服の繊維に染み込み過ぎている。 つまり、これは雨の中では無く、雨が降り始める前か、雨が降っている中を逃げるように、傷を負いながらも歩いてきた可能性が高い。 「……何が、あった訳……?」 千石の問いかけに返事がない。体もぴくりとも動かない。反応が、消えた。 「…………亜久津…?」 それに気づいた瞬間、聞こえなかった周りの音がいっきに耳にながれこんできた。 「 」 耳もとで、亜久津が何かいったような気がしたが、雨音が煩くて声が聞こえない。ノイズがかかったかのように何かのフィルターでもかけられたかのように聞こえない、声。 千石はどうにかその言葉を聞こうとして彼の口元に耳を寄せたが、その途端、彼の体がずしりと重くなった。完全に亜久津の体の力が抜けたのだ。 「………………聞こえない、よ、亜久津…ッ!!」 千石は悲鳴のような声をあげた。 +++ 最初から一時間後ぐらいに書き足しましタ。 ちなみにこの後病院の話に続きます。(それはまた後日ココに書きますヨ) シリーズみたいにここで書いて、後で加筆して繋げてみようかと思ったりそのまま放置しようと思ったり。 そのまま放置かなー…つなげにくそう。
台詞だけ。 「………もうやんねぇの?テニス」 「…………やんねぇよ、もう、飽きたし。」 「…………そっか、残念」 「…辞めて、」 「え・何?」 「……お前は俺に辞めて欲しくなかったのか?」 「…ああ、そうだよ」 「………どうして」 「……………テニスしてる亜久津、好きだったから」 「…モラルもマナーも何も良い所なんかなかったのに?」 「……あったよ、上手かった」 「……ンなもん、程度がしれてる」 「…でも、綺麗だったよ、亜久津のテニス」 「………………………似たような事いうのな」 「…誰と」 「………………………千石」 「…………そっか、まぁ、でも、」 「…何」 「……………おれたち以外もきっと綺麗だと思ったと思うよ」 「………どうだろうな」 「…思ったよ、絶対」 「………………勝手に言ってろ」 「…うん、言ってるよ」 「……………亜久津、」 「………何だよ」 「……俺、今でも好きだよ」 「…もうテニスはやんねぇよ」 「………わかってる」 +++ わかっていてもどこかで期待してしまう。期待させられてしまう。
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