耳鳴りおやじの日記
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3月に入った..
毎年なのだが、3月にはいると授業が近づくせいか、なんとなくプレッシャーがかかってくる..
今日は、セミナー担当だ..新テーマの説明をしなくてはいけない..
実験データは一部出ているので、ここからスタートをしていきたい..
新テーマは、その研究室ではかなり異質である..しかし、解析手法は類似しているので、わかってもらえると思う..
重要なのは、批判的な視点で議論して欲しいことだ..これが意味ないとか、この実験は必要ないとか..
その批判的な議論で、新しく気づいたり、新しい方向性が確認できる..
その人が好きとか嫌いとかはおいといて、純粋に議論できる環境に自分を置いておきたいと思うなあ..
久しぶりに研修会というものに参加した..
大変、有意義だった..いろんな意味で..
研修会参加者に、以前、うちにおられたN先生も来られていた..
懇親会にも出た..そしてその中にNT大学出身の先生がおられた..
ウチの大学には以前からNT大学の出身の先生が多いので、うちにおられる先生の印象をお聞きした..すると..
K先生:封建的な人 U先生:自分を高く見せたい人、嫌いなタイプ T先生:研究らしきことをしている人
はっきり言って..笑えた..外部の評価は概ねあたっているのだ..
そして同じ大学出身でも、いろんな先生がおられるなと感じた.. その先生は、今から30年以上も前に国立大学の医学部で学位を取得している..当然、論博だったにちがいない..
その先生はK大学で、教授をされているが、ほんとにまともだ..うちの大学は..そして今の研究室は30年遅れている..
我々の分野には最近、優秀な人が参入しつつある..我が母校のT大学出身学部のセンター得点率はなんと、80%、医学部の次だ..W大学に至っては、87%だ..一方で、NT大学の偏差値は著しく低い..二極化している..
大学の競争は激化しているが、これに勝ち残るには、良い人材採用としっかりとした仕事をしていくということ..これしかないと感じた..
そいつとは、本当に最初、性格があわず、嫌だった..
避けたかったのに、アパートは同じ、バイト先も同じになった..なんて不幸だと思った..
しかし、なぜか、そいつとは仲良くなってきた..その時、彼はバイトに明け暮れ、バイト先に勤めたものの、将来を悲観していた..目標がなかったのだ..その時、僕は大学院生、K教授の下で遺伝に関する研究をしていた..彼は、僕がK教授を尊敬し、またK教授が僕を強く引っ張っている姿に憧れを持っていたんだと思う..
そして、いつのまにか、彼とは仲良くなった..朝まで酒をのみ、今の自分、そして将来の自分に関して議論したりした..そして、僕に対していつもこう言っていた
”お前はK教授のようなボスがいて幸せだ..信頼できるボスが欲しい..俺も目標を持って生きていきたい”
そして、彼はチャレンジした..今まで日本ではあまり知名度がなかった ヨットの世界だ..彼がその試験に合格したとき、その様子をうれしそうに語った姿が忘れられない..
その彼は、今や日本だけではなく、世界で活躍する選手になった..酒をのみ、隣の女がうるさいといっては、僕をたたき起こし(自分で行けばいいのだが)、酒で体調が悪くなったといえば、電話をしてきた奴が..
久しぶりに彼の成長ぶりを見てみたい..そして、今度は彼から刺激をもらい、若返りたい(おやじの願望)!
昨日、昔の先生との懇親会があった...
なんか、あまり人が来ていなくてなんかがっかりした..
数学のI先生は、自分の担当部署なのに来ていなかったし(スキーやめたのでは?)、定年を迎えられる先生も誰も来ていない..
そもそも、仲の良い人ばかりでは懇親会ではないのだ..みんな、それぞれいろんな事を抱えているが、まあ、ええやないかと思わせる会にすればいいのだ..
同じ部署のK先生は両隣にややこしい先生が座ったが、見た目仲良く懇談してるし、僕もN先生と楽しく歓談したし..
O先生は、大学の危機で結束をというけど、今の状態ではなんか逆効果だなあ..(とある先生は大学つぶせというし..)
それじゃ、国立なんかが安泰かといえば、そうではなく、おそらく、独法化で、むちゃくちゃになっている..
以前、京大のM先生に”結局、最後は論文だよ”ということを言われたことがあったが、広義には、”結局、最後は自己の能力だよ”ということだろうな..
私も、おやじ改造計画を進めて早3年、おやじからおじさまに格上げされるよう、日々努力させていただきます、ハイ
2004年02月26日(木) |
まあ、いろいろなつながりで |
昨日、T先生から論文の別刷りを頂いた。そして会食のお礼で1万円も図書券を貰った..ありがたい
人間のつながりはなんて狭いんだなと感じることがある..
僕NはT先生の紹介でS先生で研究することになって学位を取得し、S先生の学生のS君のポスドク先をT先生が紹介し、そのポスドク先のH先生は以前、僕Nがスキー実習のときに来ていた知り合いの先生だった..
N-T-S-SーTーHーN
輪廻転生...じゃなくて因果応報...じゃなくて情けはひとのためならず...
僕は、出身が国立、勤めが私立、研究が市立大学とほんとややこしい人生を歩んでいるが、得るものはかなりある
たとえば、大学環境の相違だ..国立や市立などの公立は、授業に対する思いは希薄で、研究主導型が多い.. それに対して、私立は概ね、授業を重視し、その見返りとして給料が得られているという感触がある..
知り合いのS教授が、ある私立大学に非常勤に行っているという、週に2コマの授業で5〜6万くらいもらえるようだが、先生は”こんなに安いのか!”という感触を持ったという。助手の先生も同じ事を思ったらしいが、これは相場である。その感覚は非常勤講師を経験した教員にとっては当たり前の感覚であるが、そとで講義といえば集中授業しか経験のない教員にとっては、非常識なことかもしれない..
ところが、前、うちの私立にいたK教授は、若い頃には非常勤をして人間関係を築けというのが常識的な考えだった..
大学というより、大学教員の常識にはかなりの格差があるのだ..
私も昔は非常勤をしていたが、ある時からS教授の感覚になった..自分への投資という意味では、授業の準備、講義という事を他の大学で行うコストは5〜6万ぐらいでは安すぎるのだ..もしかしたら、その時間で論文を1報書けるかもしれないのだ..
公立では授業が少なく、研究主導とは言え、僕から見れば無駄な時間ばかりだ..この時間を教育に当てればいいというか、当てなくてはいけない..まあ、これも常識の違いか..
国立大学が独法化して、特許申請が整備されつつある..
京大では、研究者の対価が50%だという..
よく考えると、特許はいいことばかり(のようにみえる)
大学、研究者は儲かるし、研究費は特許収入で得られるので申請する必要もなくなる。また、企業に権利を売る代わりに、学生の就職もよろしくといっておけば、就職先もできるというわけだ..
しかし、その一方で、大学の研究の質が変わるかもしれない..役に立ちそうな研究ばかりになりそうで、基礎研究が軽視されるかもしれない.. また、研究者間の確執も出るだろう..特許収入を得る助手と特許収入を得ない教授..特許の一つでも取っていないと教授になれない時代が来るのかもしれない..
いやはや、嫌な時代だ..特許のひとつでも取らないと老後が心配だ..
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