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昨日のやけどだろうか 人差し指の根元に 赤いしみ インクをこぼしたみたい
消防車の サイレンの音が いくつも いくつも 重なる
ベランダから 赤い回転灯が どんどん過ぎてゆく
ざわざわする夜
雨は 静かに降っている
道を行き交う車が 運んでくるのだろう
騒がしい風の音のように
もうすぐ終わる一日を
聴いている
永遠が ないならば
シジフォスも 役目を終わることができるね
雨が近い 風の匂いがする
雲が 駆け足で 流れてゆく
紅を刷いている 山の背の空
まだ 少し 窓も カーテンも 開けておこう
肩肌に 風がやってくる
みどりが 濃くなる
暑い夏の予感
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